医療、福祉に貢献するために

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~ 株式会社メディチュア Blog

2013/04/01

救急搬送36回断られたニュースを聞いて、何を思うか

今日はエイプリルフールだ。軽い冗談でも書こうと思っていたのだが、書き溜めていた救急搬送の受け入れ困難について感じたことを書きたいと思う。

この件は全国ニュースやワイドショーでも取り上げられたため、ご存じの方が多いと思う。実はこの一件、自分の実家の町での出来事であり、他人事ではないのだ。
救急搬送36回断られ呼吸困難の男性が死亡 埼玉・久喜 2013.3.5 12:05 [事件・トラブル] 
埼玉県久喜市で1月、呼吸困難の症状を訴えて救急搬送された同市内の男性(75)が、25病院から計36回受け入れを断られ、通報から約2時間半後に死亡していたことが5日、久喜市などへの取材で分かった。
久喜市などによると1月6日午後11時25分ごろ、1人暮らしの男性が「呼吸が苦しい」と自ら119番通報した。自宅に到着した救急隊員が埼玉県東部や茨城県など周辺の25病院に救急搬送先を照会したが、「処置困難」「ベッドが満床」などを理由に受け入れを断られたという。 
翌7日午前1時半ごろ、37回目の照会で茨城県内の病院への搬送が決まり、約20分後に到着したが、男性は病院で死亡が確認された。男性は当初、会話が可能な状態だったが、搬送先が決まるまでの約2時間10分の間に容体が悪化したとみられる。 
問題を受けて久喜市は救急患者の受け入れに努めるよう周辺病院に要請した。
(出所:産経ニュース
このニュース、亡くなられた男性の家族、現場の救急隊員、当日受け入れた病院の担当者・医師、受け入れ要請を断らざるを得なかった病院の担当者・医師、行政、地元住民、地元ではない一般市民、そしてマスコミ、様々な立場でどう捉えているのか考えることが重要である。

マスコミは救急搬送システム・受け入れシステムの問題だと主張するような報道をする。もちろんマスコミがみな悪意に満ちているわけではないが、一方的な「市民は弱者である」とした視点で報じることが多い。これは適切なのだろうか?
正月明けの週末、医師の体制が不足がちのタイミングで、病院もぎりぎりのところで切り盛りしていたのかもしれない。実際、その状況が下の理由から推察される。

受け入れできなかった理由
 処置困難(人員や設備がない) 16件
 ベッド満床 7件
 他の患者治療中 5件
 専門医不在 4件
 その他 4 件
 (出所:J-Cast

マスコミはこの一件を報じることで誰のどういったアクションを期待しているのだろうか。「病院は断らず受け入れるべきだ」という声が市民から上がることだろうか!? いや、そんなことをしたら、この埼玉・久喜市周辺地域はますます医師から敬遠されてしまい、結果として、医療過疎となり住民が困ることになりかねない。

では、どう報じるべきなのだろうか。

救急のルール・システム整備も重要であることは間違いない(「東京ルール」がその良い例であり、これはマスコミも一定の役割を果たしたと理解している)。そして、もうひとつが救急を呼ぶ側の意識を高めることである。

軽症患者が救急車を使用する割合が高まっているという。救急外来に軽症患者が多く来ているという。こういった事が病院の受け入れを困難にしている理由の一部分なのではないだろうか。まず、この問題を市民目線で変えていくべきということを、なぜマスコミは報じないのだろうか・・・。

奇しくもこの1月6日早朝(1月5日深夜)。NHKで追跡AtoZの「119番通報に いま何が」の再放送がなされていた。この番組では、山形大の学生が119番通報したものの、やりとりの結果、出動しなかった一件を中心に、救急搬送がギリギリのところで成りなっている現状を伝えていた。出動する・しないの判断が現場に委ねられている点を取り上げ、軽症患者からの通報が多いことや、救急車が不足することすらあることも併せて報じていた。

住民が現状を理解し協力的になることで、救急システムはよりよく機能し、そしてそこで働く医師・医療者にとっても魅力的な地域になるのではないだろうか。

エイプリルフール。だからといって119番にいたずらなんて、もってのほか。wikiによると30万円以下の罰金または拘留の処罰になるらしい(⇒wiki 119番 いたずら電話)。処罰の重さがどうこうでなく、間違ってもいたずらしてはいけない。冗談は周りに迷惑がかからない範囲で留めたい。

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