2013/05/17

「生活習慣病管理料」を払っている自覚と貰っている自覚

クリニックや200床未満の病院と話をしていると「生活習慣病予防管理料」の経営的な視点での重要性は、近年、ゆるぎないもののひとつになっている。算定の多い糖尿病(処方箋を交付する場合)であれば月800点の算定となる。

毎月、糖尿病の薬を処方するために、定期的な受診を促し、それで800点が確実に入ってくる。そろばんを弾く上で重要な患者(医療機関関係者の目は完全に円マークになっている)という声は少なからず聞く。正直、疾患を管理する・予防管理するという意欲よりは上得意客を抱えるような感覚にすっかり麻痺してしまっているところもある。


このような実態は、生活習慣病予防管理料のもとであった運動療法指導管理料の目指す方向性からもそれてしまっているのではないだろうか。

本来であれば、運動療法の実践を促し、薬物などに頼らない行動変容に期待した指導管理を評価していたはずである。近年、糖尿病や降圧薬の薬剤療法の充実・多様化に伴い、運動療法をまじめに実践している印象が薄れているように感じていた。

健康運動指導士の取り組みを聞いたと以前のブログに書いたが、その健康運動指導士から直接話を聞くことができた。改善の結果を可視化するには数年にわたった取り組み・評価が必要とおっしゃっていた。腰を据え、目先の診療報酬でなく、本質的な患者のことを考えた取り組みを行なっている指導士の話を伺うと、ますます現在の生活習慣病管理料が適切でないように思えてきた。

医師や看護師、薬剤師や管理栄養士、そして健康運動指導士など、様々な職種が、本当に患者の行動を変えようと努力している話を聞く度に、その努力に見合った評価がもっとうまくできないものか考えてしまう。まだ妙案はないのだが、じっくり考えてみたい。「アウトカム」は翌日評価できるものもあり、翌月評価できるものもある。翌年のものもあるし、もっと時間を必要とするものもある。「アウトカム重視」の方向性で日本の医療の評価が変わるのであれば、少なくとも診療報酬を払っている自覚と貰っている自覚を高め、アウトカムは何か真剣に考えなければならない。

生活習慣病管理料で評価すべきアウトカムは「重症化の予防」であることは間違いない。それは薬を真面目に飲むことなのだろうか。それとも生活習慣を変え、薬が要らないようにすることなのだろうか。