2013/05/28

女性手帳、なぜここまで批判されたのか?

女性手帳、配布は当面見送りになったようだ(そもそも検討しはじめた段階で配布することは決まってなかったはずだが)。
不評の「女性手帳」当面配布見送りへ NHKニュース

女性の生き方を決めるものでも、女性を産む機械と決めつけるものでも、高齢出産を否定するものでも、なんでもなく、どうしたら「産みたい人が産みやすく」「そうでない人も生きやすく」社会全体が良い方向に進むことができるだろうか、という議論の中の1アイデアが「女性手帳(この名称も決まっていなかったはず)」である。日本の周産期医療において、質の高さに貢献し海外でも真似されている「母子手帳」を参考にできないか。「教育」というキーワードも出ていたように、これから手段とタイミングを検討していく・・・というときに、世論から大批判を浴びてしまった(ように感じた)。 

批判の内容も分からなくもない。少なくともマスコミの情報だけで判断すると批判はもっともだ。「高齢になったら妊娠・出産にリスクがあることはみんな知っている」という意見は、確かにそうかもしれない。でもそんなことをわざわざ手帳で配ろうとするほど、タスクフォースが実のない議論をしていたのだろうか。第1回、第2回の資料を見ても、そういった内容ではないように思う。

第3回のタスクフォースの資料が公開されたあと、自分の印象を率直にTwitterに書いていた。

このツイートに書いたように、マスコミは意図的に流す情報をコントロールし、この話を潰したかったのだろうか。

結局、手帳の配布は見送りになった。将来振り返った時に、手帳配布を見直したことで、ゼロベースで議論を重ねることができ、よりよいアイデアが生まれ、価値観の多様性を考慮した生殖医療の理解や社会環境の整備につながった、と思えるようになることを期待したい。

2013/05/29 追記: 「手帳を配る」というアイデアに対する素直なリアクションとして「反対」というのは適切だと意見をもらった。自分の思考が「何かすべき」と偏ってしまって、なぜ皆は深く考えず反対するんだ?と考えてしまったことを反省。自分にとっても様々な意見を参考にする良い機会と捉えたい。