2013/09/19

門前薬局は不便だから門内薬局!? それでいいのか??

先月、こんなニュースが流れていた。(2015/6/16 下記ニュースサイトのリンク切れを確認したため、修正・追記。ニュース記事冒頭部分はこちらへ→ 写真ニュース:新大病院に商業施設、来年オープン  47NEWS(よんななニュース)

新大病院に商業施設、来年オープン|社会|新潟県内のニュース|新潟日報モア
学生だった頃、自分の大学の敷地内にコンビニが出来るかも?なんて話題で盛り上がった。学校が山の上で、最寄りのコンビニへ行くには、山を下りなければならず、何かと夜遅くまで研究していたころは、24時間営業のコンビニに期待を寄せていた(残念ながら在学中には実現しなかった)。

この新潟大学のニュースの意味するところは、そんなコンビニの話とは重みが違う。自分の敷地内を有効活用するため、事業者を募って、商業施設をオープンすることになるようだ。しかも、その中に薬局が入るというのだ。医薬分業で、院外処方・門前薬局を進めてきた流れにおいて、これは「門内」薬局だ。
患者の利便性を重視すると、院外薬局よりも院内薬局・院内処方の方がうれしいことは間違いない。医業と薬業の独立性が担保され、お互いが機能するのであれば、患者としては院内でも全く問題ない。

先日、とある病院で「院外処方を止めて、院内薬局に戻そうかな」なんていう話を聞いた。門前薬局の人が聞いたら、震え上がるに違いない。それだけ門前薬局はおいしいビジネスであり、これは、以前、弊社のレポートで触れた(レポートはこちらからどうぞ http://www.meditur.jp/our-reports/)。

来月オープンする兵庫県の三木・小野両市民病院の統合した北播磨総合医療センターの前の敷地は、驚く値段で取引された。(詳しくはこちらの検索からどうぞ⇒リンク) おいしいビジネスがあるために、こういったお金が流れている。このお金は、結局は市民が医療費で負担しているのだ。

薬局がビジネスを追求することで、適切な競争が起き、質・サービスレベルの向上が図られるのが理想だが、単なる立地だけで商売の優劣がついてしまう現状は、とても受け入れられる話ではない。

適正な医療費負担を実現するためにも、医薬分業は適正な方向に流れて欲しい。(分業以上にメリットのある形態を検討すべきなのでは。例えば、服薬情報の共有化(国有化)を前提とした、保険調剤薬局の院内・院外(門内・門前・面)の完全自由化と薬価差益なしの実現など)