2013/10/30

病院にとっての顧客とは

自分が関与させていただいている病院で、いくつか新しい取り組みがなされているのだが、詳しくその内容に触れるのは難しいので、コンセプトを紹介したい。

 

コンセプトの紹介なので、具体的な内容に触れておらず申し訳ないのだが、何となく理解いただけたら・・・と思う。

スライドで紹介したsalesforce.comの事例は簡単な紹介だが非常に示唆に富んでいると思う。ホームページはこちら⇒http://www.salesforce.com/customers/stories/blue-shield.jsp

2013/10/29

物忘れがひどい・・・


最近のことなのに、もう忘れている。先日読んだ本に「夏の日差しを避けるのに、暑いと感じたときに木の苗を植えたのではもう遅い。夏が来る前どころか、数年前には苗を植える必要がある。経営とはそういうものだ」というようなことが書いてあった。(記憶で書いているので、多少の違いは許してほしい)

身の回りでは、次の診療報酬改定がどうこうと話題に上る機会も増えてきた。この話は、木の苗の話に通じるものがある。暑いと思ったとき(診療報酬が改定されてから)ではもちろん遅いし、夏の直前(診療報酬改定で言うなら、ちょうど今)でも遅い。それよりもはるか前から、先を見越して取り組んでいる必要があるだろう。

とは言っても、目の前の議論も気になるわけで・・・、今週の中医協総会を傍聴しに行こうか迷っている。

中央社会保険医療協議会審議会開催案内 |厚生労働省

2013/10/26

「名ばかり特区」にお困りなら、官房長官や大臣へ直接直訴を

昨日、神奈川県の黒岩県知事の講演を聞いた(黒岩知事は元フジテレビのキャスター、そののち国際医療福祉大学の教授を努められていたこともあり、医療にはかなり詳しい)。以前、別の大学の先生から神奈川県の取り組みについて伺ったことがあったので、知事の話を直接聞くことができるのは絶好の機会だ!と思い、講演に足を運んでみた。

未病の話(今、弊社の調査テーマのひとつ)もあったり、いろいろとためになる話ばかりだったのだが、ひときわ面白かったのは、特区に関する規制緩和の話。神奈川県で特区を作り、車の自動運転など様々なアイデアを加速させたいと思い、薬事法や道路交通法、電波法など様々な規制緩和をお願いしたところ、全部はねのけられてしまったとのこと。そこで神奈川ゆかりの菅官房長官と甘利大臣にお願いしたところ、今度は一転OKとなったというのだ。

セミナーで聞いたこととはいえ、実は問題があった!となると、書いてしまった自分の責任にもなりかねないので、ちゃんとしたところの文言を引用しておく。

以下、黒岩県知事、2013年7月30日定例記者会見 結果概要(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/chiji/p682632.html)より引用
特区というのは当然、いろいろな規制緩和を求めているわけですね。今回も例えば電波法の規制だとか、薬事法の規制だとか、農地法の規制だとか、そういったものを具体的にこの規制をこんなふうに緩和してほしいというリストをずらっと並べて国と交渉していたわけですね。ところが、最初の交渉では全部バツといって、ゼロ回答だったわけですね。そういう意味で私も激怒して、ここでも言ったと思いますけれども、「名ばかり特区」だと。これまで日本政府で何度もこの特区ってやってきたのだけれども、特区がきっかけとなって経済がどんどん活性化したことはないわけですね、今までね。なぜかっていったら、同じこと。いろいろな規制緩和を求めても結局それが霞が関の担当課に話がいってそこで判断されると、ほとんどの、もう全部の規制が「NO」ですね、緩和が。それでは特区の意味がないじゃないか。特区というのはまさに特別な区域ということでありますから、まさか、アベノミクスの経済のエンジンを回そうという大きな使命を担った「さがみロボット産業特区」で、同じようなことが繰り返されたならば、これは、全部が崩壊するということで、これは強く申し入れました。「名ばかり特区」なんて冗談じゃないということを強く国に申しあげたところ、国というのは、菅官房長官にも申し上げたし、甘利大臣にも申し上げた。その後、積極的に両大臣も動いてくださったようで、今、まだ、全容を明らかにできませんけれども、かなり、びっくりするくらい、かなりですね、規制は緩んでまいりました。国もかなり前向きに動いてくれてきています。正面きって、この規制を外しますと、そういうことじゃない、いろんな知恵を出して、何とかして突破しようという気持ちになってくれてるということを肌で感じてですね、なんか、こう、すごい手応えを感じているところですね。
引用以上

ということで、これはおかしい!と思ったら、官房長官や大臣に直訴すべきということだろうか。今の時代、直訴なんて・・・と思いたいが、現実、効果抜群のようだ。

2013/10/25

病院が中心となって改善や新しい医療を考える

医療界は、学術的な活動が盛んだ。臨床研究、基礎研究などの本質的な医学の探求はもちろん、現場の活動改善や経営改善などノウハウを共有しあうために様々な職種が参加することは、他業種ではあまり見かけない。

最近、MAYO CLINICのTRANSFORM2013のビデオがぞくぞくとYouTubeにあがってきた。医療界独特の活動は、魅力ある病院が輝き続けるために不可欠だと思う。そして魅力ある病院は、その活動自体で、周囲を引き寄せている。TRANSFORM2013の顔ぶれを見ていると多彩だ。本当に魅力ある病院というのは、活動の幅が限定されないように思う。

MAYO CLINIC TRANSFORM2013 内容はYouTubeで見ることができる!!
こちらからどうぞ⇒ YouTube検索画面へのリンク


日本でも、小倉記念病院が「小倉ライブ」、豊橋ハートセンターが「豊橋ライブ」、湘南鎌倉病院が「鎌倉ライブ」をしたり・・・。外部からも大勢参加するイベントとなっている。

福岡の麻生飯塚病院は、来月2日間にわたって、品質管理を中心としたカンファレンスを開催するらしい。こういった取り組み、外部から参加を受け付けることは珍しいが、より有益な会議にするには、内部に限定する理由はないということなのだろう。


力のある病院だけがますます力をつけ、そうでない病院と差が開いていくことは良くないように思うが、「力ある病院が周りをリードし引っ張っていってくれる」と理解すべきだ。せっかく、引っ張っていってくれようとしているのだから、それに乗らない手はない。ちなみに、この飯塚病院のカンファレンス、申し込みは今日までらしい。

カンファレンスの詳細は、こちら⇒http://aih-net.com/medical/lecture/chc/index.html

2013/10/24

遺伝子検査は必要か

遺伝子を調べれば健康と祖先が分かる。たった99ドルで。そんな話は未来のことでも何でもなく、現実の話だ。

23andMe The leading health and ancestry DNA service
しかもアメリカだけの話ではない。日本でも、GeneLifeのようなサービスが出てきている。(Yahoo! ヘルスケアで大々的に取り上げているから、ご存知の方も多いのでは?)

GeneLife(ジーンライフ)

遺伝子情報を国家レベルで蓄積していくと資源になるかも・・・といった話は以前ブログでも書いたが、先日、健康診断・人間ドック関係のドクターから、遺伝子検査に関する話を聞くことができた。
検査の精度や内容については賛否両論あるだろうが、遺伝子検査が必要か不要かという議論は避けては通れなくなってきている
健診などに関わる立場からのご発言ゆえ、多少言葉を選んでいるのだろうが、関係ない、と簡単に片付けられるような状況ではないようだ。

遺伝子検査、ぜひ受けてみて!!と勧める気はないが、どういう検査なのか、23andMeGeneLife、ぜひ両方のサイトをのぞいてみてもらいたい。

2013/10/23

カーナビは、ボーナスで買う時代から、スマートフォンのアプリの時代に

アメリカでの移動はスマホのナビに頼りっぱなしだった
自分が車を初めて持った頃、カーナビは、珍しくはないものの、まだまだ高価な代物だった。それが5,6年前から、PND(パーソナル・ナビゲーション・デバイス)と呼ばれるような簡易型のナビが登場し、ボーナスで買うような20万、30万の世界から、3~5万円での競争世界に変えた。

その先も進化は止まらず、携帯で地図が見られるようになり、GPSがつき、当たり前のようにナビゲーションの機能が付いている時代になってしまった。20万、30万していたものが、コスト削減とか機能簡略化とかではなく、技術的な革新により価格の桁が2桁、3桁変わってしまっている。

医療機器は高くても仕方ないものが多々ある一方で、価格の妥当性を問われるものも出てくるに違いない。特に情報を表示するモニタ類は、高価である理由は早々に無くなるだろう。

モバイルだから新しいとか、そういったことはあまり思わないが、これまで常識だった目が飛び出るような価格の製品たちを、激しい価格競争の波に飲みこんでくれる役割には、大いに期待している。そして、医療機器メーカーは、高価である正当性を示すべく、価値ある製品を生み出す努力をすることで、市民がよりよい医療を受けられるようになることを期待したい。

Mobile Healthcare Transformation | AirStrip

ちなみに今回アメリカで聞いてきた話には、上記AirStripのようなiPhoneやiPadを使う話がたくさんあった。AirStripでは将来に向け大きな構想を描いているようだ(下記AirStrip社のシニアバイスプレジデントの記事参照)。

Mobility: Key to overcoming barriers to clinical transformation and ACOs | mHealthNews
医療情報は病院だけのものではない。これは、先日のブログ【2013/10/5 データを取り戻せ】でも書いたが、情報共有に積極的な医療機関、そのための先行投資を惜しまない医療機関は、将来、価値が非常に高まるに違いない。

2013/10/22

ホームページ、メンテナンス終了

メンテナンス、終了しました。

株式会社メディチュア | 医療の未来を自分たちの手で

アクセスできない、表示されない等不適切な箇所がありましたら、ご連絡ください。

スーパーの店先に並べられたハロウィンのかぼちゃ

敷居の低いテレメディシン

今月上旬にアメリカで聞いてきた話には、テレメディシン、遠隔医療のようなものも多かった。日本でも、得意の技術力を生かし、様々なアイデア、取り組みがなされているものの、身近なものは少ない印象だ。今回聞いた話は、とても身近なプライマリーケアのところで使えないか、よりお手軽なskype、facetimeのようなビデオチャットでできないか、といった、非常に敷居の低い話が多かった。



Hello Health Wellbox - Web-based Healthcare Platforms EHR/PHR

上記はその一例で、センスのよい動画とサイトだ。クリニックで外来を待っている人を見ながら、ふと、この動画を思い出した。

現状、日本は診療報酬などの決まりが厳しいから、誰も積極的に動けないのだとしたら、うまい仕組みを考えるべきなのだろうか。クリニックの待合だけではアイデアが湧かなかった・・・。残念。

2013/10/21

ホームページメンテナンス⇒終了しました

弊社ホームページ(http://www.meditur.jp)、メンテナンスのため、一時休止いたします。 22日夜頃、再開予定です。⇒2013/10/22 12:00 終了しました

Whole Foodsの前の光景

2013/10/17

特茶、効果あるのかな

伊右衛門 特茶、コンビニや自販機で見かけるようになった。以前、トクホを取ったことについてブログで書いたが、効果の程は疑問だった。そこで安全性・有効性情報を見てみた。

「健康食品」の安全性・有効性情報
【ヒト試験】 研究1: 対象:BMIが25 kg/m2以上30 kg/m2未満に属する年齢20歳 以上65歳以下の男女200名。 方法:ケルセチン配糖体 (イソクエルシトリンとして) 110 mg配合 ...
上記サイトから引用
対象:BMIが25 kg/m2以上30 kg/m2未満に属する年齢20歳 以上65歳以下の男女200名。方法:ケルセチン配糖体 (イソクエルシトリンとして) 110 mg配合緑茶飲料または対照飲料を1日1本 (500 mL) 、12週間継続摂取させた。結果:被験飲料群では、摂取開始時 (0週) に比較し、摂取8週目において、全脂肪面積、皮下脂肪面積の減少、摂取12週目において、全脂肪面積、内臓脂肪面積の減少が認められた。また、被験飲料群では、対照飲料群に比較し、摂取8週目において、全脂肪面積、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積の減少、摂取12週目において、全脂肪面積、内臓脂肪面積の減少を示した。
微妙な気が・・・。
そう思ってネットで調べていたら、様々な情報を整理して書いている人も。

「体脂肪を減らす」トクホ、伊右衛門 特茶: 薬剤師kittenの雑記帳
非常に分かりやすく整理されている。サントリーから刺されないか不安なくらいだ(「おいしい」って褒めているから大丈夫かな)。

この手の商品、売りだされたあと、通常は「大ヒット商品に!!」「今年のヒット番付で前頭に」くらいがいいところ。「飲んだ人から大反響。激ヤセ報告多数!!!」みたいなことにはならない。それだけに体脂肪が減るかどうかはハッキリしないくらいでいいのかもしれない。所詮トクホだし・・・。

結局、飲み手が情報を積極的に得ようとしないといけないということだろうか。

2013/10/16

セルフメディケーションが進まない理由(Part.4)

これまでセルフメディケーションが進まない理由として、市販薬が高い、皆保険平和ボケ、などを挙げてきた。理由の最後に挙げるのが「ビジネスチャンス・意欲を削ぐ規制」だ。

適切な規制は必要だが、本当に必要かどうかは疑わしい。

2009年に改正薬事法が施行され、第二類、第三類の医薬品であれば、薬剤師がいなくても登録販売者がいれば売れるようになった。(その違いを出すため第一類は鍵付きの透明なケースに入っていたりする) しかし、この「登録販売者」の制度がクソだ。もうwikipediaを始めとしたネット上ではボロクソに書かれている。販売側である大手小売業の代表も制度について「意味が無い」と言っていた。

日本とそれほど品揃えが変わらない棚も(ただ日本より安い)
登録販売者になるには、大学で薬学の課程を学んでいない場合、通常は実務経験が必要だったりするのだが、もう何でもあり状態。医薬品などを陳列していればOKなのだ。

中途半端な規制は何の役にも立たない。リスクがあるものを販売する以上、責任がつきまとうものだが、登録販売者に責任を負わせるのは事実上不可能なくらい役に立たない資格だ。もちろん、登録販売者にセルフメディケーションを推し進めるだけの知識など期待できない。

こんな制度の元では、ビジネスチャンスを伺っているコンビニやスーパーなど小売業が意欲的になれるかどうか疑わしい。

例えばだが、薬剤師が管理者となり、その独自権限で販売者を認定して良いものの全責任をその薬剤師に負わせるような制度としてはどうだろうか。薬剤師とて、無茶な売り方をさせるような店では働きたくないだろうし、販売員の無知を放っておくわけにはいかないだろう。薬剤師に新たな権限を与えることで、登録販売者の制度自体はなくしてよい。

そのくらい大胆な制度改革、規制緩和を行わなければ、ビジネスチャンスと捉え、セルフメディケーションが盛り上がることはないのではないだろか。(4回シリーズ、終了)

Part.1 ドラッグストアで売っている薬が高い! http://meditur.blogspot.jp/2013/10/part1.html
Part.2 OTCには多少なりとも価格誘導が必要では http://meditur.blogspot.jp/2013/10/part2.html
Part.3 健康維持は自己責任 http://meditur.blogspot.jp/2013/10/part3.html
Part.4 大胆な規制緩和が望まれる http://meditur.blogspot.jp/2013/10/part4.html

2013/10/15

セルフメディケーションが進まない理由(Part.3)

Part.1、Part.2と市販薬がバカ高い話を書いた。でもセルフメディケーションが進まないのはそれだけが理由ではない。

wikiのセルフメディケーションの注意点が素晴らしく良い指摘をしている。

  • 自分の健康状態には自分で責任を持つ、という自覚が必要。
  • 生活習慣や食習慣が健康維持の基本であるので、医薬品に頼り切るような発想から抜け出す必要がある。
  • 医学・薬学的知識も必要となる場合があるので、それなりに学習する努力は必要。
  • 一部に高価なサプリメントなどもあるため、費用については注意が必要
  • 効果の証明されていない健康食品を販売する業者や、一部に悪徳な事業者もある。
  • 不十分・誤った知識によるセルフメディケーションは悪い結果となる可能性がある。
  • 医療機関を避けることにより、重大な疾患などの発覚が遅れる可能性がある。
(引用ここまで)

1点目に「自分の健康状態には自分で責任を持つ、という自覚が必要」とある。他人(医者など)に診てもらう前に、自分である程度、自分の状態を理解することが大事だ。

2点目では「医薬品に頼らない」とある。セルフメディケーションは薬をのむことを前提としているわけではなく、適度な休息を取ったりすることで自然治癒力に期待することにも触れている。このあたりはwikipediaの冒頭に書いてある。

3点目には「学習する努力が必要」とある。これが一番欠けているように思うのだが、『皆保険』平和ボケのために、医療費の自己負担が軽すぎて、健康維持や医学・薬学的知識獲得に対する意欲が湧きにくくなってしまっている。この『皆保険』平和ボケ。何とか解消しないことには、セルフメディケーションの推進はできないだろう。

2013/10/14

セルフメディケーションが進まない理由(Part.2)

前回、アセトアミノフェンが海外では激安であることを紹介した。今回は「ドリエル」などで有名な塩酸ジフェンヒドラミンだ。

ドリエル製品紹介|睡眠改善薬 ドリエル 【エスエス製薬】
アメリカのドラッグストアでは、塩酸ジフェンヒドラミン50mgのソフトジェルタイプ64カプセルが8ドル19セントだった。
targetで売られていた塩酸ジフェンヒドラミン64錠
日本では、同じ成分量のドリエルEX6カプセルで1,904円だった。アメリカは1カプセル13円弱。日本は317円。その差、25倍。

ドリエルEX 6カプセル 【ケンコーコム】
ここまで違うと笑うしか無い。薬をネットで売るべきかどうかの議論が盛んになされているが、こんなに価格が違っていることは、日本が平和ボケした皆保険の国だからなのかもしれない。

セルフメディケーションが進むには、価格の議論もなされるべきだろう。例えば、エパデールがOTCにスイッチされているが、薬局でOTC薬を買うには、それなりの価格差による誘導が必要と思われるものの、現実はクリニックで処方されても自己負担は変わらないとのことだ。

エパデールT|大正製薬
余談だが、抗アレルギー薬のレスタミンコーワはドリエルと同じ成分の塩酸ジフェンヒドラミンが含まれている。1錠10mgなので、一回に5錠飲めば一緒だ。

レスタミンコーワ 糖衣錠 120錠 【ケンコーコム】
120錠で800円。1回33円。アメリカの1回分との差は3倍弱まで縮まった。レスタミンコーワには注意書きで「眠くなります」って書いてあるし。何だか疑問だらけだ。何も知らずにドリエルを買う人は・・・・

セルフメディケーションが進むにはまだまだ乗り越えなければいけない壁が高そうだ。

Part.3(http://meditur.blogspot.jp/2013/10/part3.html)へ続く

2013/10/12

セルフメディケーションが進まない理由(Part.1)

アメリカのドラッグストアで売られていたアセトアミノフェンのカプセル。Extra Strength Capletsと書いてあり、1錠で500mgのようだ。日本では処方薬で200mgや300mgのものだ。


これが500錠で8ドル19セント。1錠1.6セントだ。

そもそも500錠という単位で売っていることが日本ではありえない光景だ。


Amazon.com

上記にリンクを貼ったamazon.comで見たところ、金額も錠数も間違っていないようだ。

ちなみに日本では・・・

タイレノールA 10錠 【ケンコーコム】

ケンコーコムで調べたところ、アセトアミノフェン300mgのタイレノール10錠で733円だった。成分量を考慮した金額差は、実に74倍以上。日本が高すぎるのか、アメリカが安すぎるのか・・・。

セルフメディケーションという言葉は、とあるドラッグストアがCMで認知度を上げてくれたものの、一向に進んでいる様子がない。理由のひとつには「意外と薬が高い」ということもあるのではないだろうか。Part.2ではドリエルで有名なジフェンヒドラミンを紹介したい。

しかし、500錠って、1日3錠ずつ飲んだとしても150日以上持つわけで、アメリカという国が不思議でならない。

Part.2(http://meditur.blogspot.jp/2013/10/part2.html)へ続く


訂正(2013/10/12 9:30)タイレノールの錠数を誤って引用していたため、訂正しました。なお、20錠は1,143円。それでも50倍くらいは違いますね

2013/10/11

薬は味で選ぶ!?

アメリカのドラッグストアで見かけたイブプロフェン(日本ではイブなどが有名)。

様々なフレーバーのイブプロフェン(クリックすると拡大)

子供用の商品がたくさん並んでいる。何が違うのかとよくよく見たら、味だった。

ぶどう味、ベリー味、オレンジ味、フーセンガム味。

フーセンガム味!?

アメリカでは、市販薬に限らず、ジェネリック薬も味を変えてくるくらいだ。
サプリメントなどでは、言わずもがなである。

トロピカルフルーツやミックスフルーツフレーバーのカラフルなマルチビタミン・マルチミネラルのサプリメント(クリックすると拡大)
このマルチビタミン・マルチミネラルのサプリメントは大人用だ。こどもの駄菓子のような色をしている。ちょっと日本ではありえない光景だ。

2013/10/10

チャイルド・ライフ・スペシャリスト ~診療報酬は無くとも、価値があるから仕事を~

昨日、チャイルド・ライフ・スペシャリストの仕事を見る機会があった。以前、テレビで見たことがあったものの、実際に見ると印象が変わった。

チャイルド・ライフ・スペシャリスト協会

テレビで見たときは、スペシャリスト個人の知識や経験がしっかりしていて、心理的負担を軽減し、医療の質を上げることに大きく貢献している印象があった。実際、お会いしても、その印象は変わらなかったのだが、それに加え、院内の協力体制が素晴らしかった。手術前日ツアーに同行したのだが、院内各所ですれ違うスタッフから、明るい笑顔で挨拶をされ、ツアーのポイント・ポイントでは、業務中のスタッフが手を止め、挨拶や会話をされていた。手術室の入室直前の難所である家族と別れるところのスタッフは、本当に親切丁寧だった。

心理的負担は、その患者本人や家族だけに押し付けてしまっても、医療提供側に不都合はないかもしれない。しかし、心理的負担を軽減させる素晴らしい取り組みで、患者も患者家族も不必要な不安要素が減ることは、大きな価値がある。

診療報酬では、直接評価されていないチャイルド・ライフ・スペシャリストであるが、このような取り組み、正直、お金を払ってでも受けたいサービスであると感じた。ただ、どの施設にも広がるといいなぁと思うと、それには診療報酬のような経済的後押しが不可欠なのかもしれない。(小児入院医療管理料の施設基準に、保育士のように加えても良い気がする)

手術の説明に使った患者役の人形(医師役は患者の子供が担当)

2013/10/09

クローズアップ現代 「ムダの“見える化”で 医療の質を上げろ」

先週放送されたクローズアップ現代、どこかの会社の謳い文句のようだが、内容もそんな感じだった。

ムダの“見える化”で 医療の質を上げろ - NHK クローズアップ現代

再手術が減った、在院日数が短くなった、などなど。それらには様々な要因が複雑に絡み合うだけに、放送後にインターネット上に流れた意見・感想では、批判的な内容も少なくなかった。それは、そもそも、再手術の理由が「見込み違いだった」など、ビッグデータだからどうこうと言うレベルでない課題を番組で取り上げていることが理由の一因だ。

在院日数が短くなったことについては、どの時点とどの時点を比較したのかわからないが、19日から13日に短くなったとのことだ。この点は、客観的な評価が可能であるDPC(入院包括払い)制度の公開データから、その一端を見ることが可能だ。

大学病院本院の在院日数の指標比較TOP10(クリックすると拡大)
出所:厚労省DPC公開データを元にメディチュアが作成
上のグラフのとおり、岐阜大は大学病院本院間の比較では、かなり効率的な医療を行っていることは事実のようだ。

上記はTOP10だが、すべてのデータがある簡易なエクセルは、こちらに⇒Dropboxのファイルへのリンク


下は、Google ドキュメントでも見られるかな・・・と思ったので、試しで。


医療の世界では、あまりビッグでないデータ(例えばCD-R1枚にも満たないデータ)をビッグデータと指している事例が多々あるのだが、まぁ、それは置いておいて、いずれにせよ医療の質が上がる取り組みというのは重要だ。

2013/10/08

Chia Seed(チアシード)が人気!?

今回、ドラッグストアやスーパーを調査しているとき、本来の調査目的ではないのだが、Chia Seedがとても目についた。健康食品マニアではないため、これが何者かも知らず、ただいろいろな店舗で、目立つところに置いてあったことが気になった。

特に下の写真のようなちょっとハイソサエティの人が多くやってくるような店舗では大きなスペースを割いていた。Google Trendで調べてみると、確かに年々急激な伸びを見せている。話題沸騰といっても過言でないかもしれない。



店内の目立つところに大量陳列

何種類ものChia Seedが販売されている

こいつは何だ!?と思うかもしれないが下記のサイトを参考にさせてもらった。
チアシード / 必須アミノ酸やオメガ36、食物繊維たっぷりのチアシードを激安販売 オーストラリアから.com
どうやら、いろいろ効果があるようだ。

ちなみに、この種、自分は知らなかったのだが、中には日本人でも知っている人は知っていた。日本の通販で売られている値段を見るとまだアメリカの方が安そうだ。商品によっては全く同じもので、2倍くらい値段が開いているから、Chia Seedで一山当てたい人は海外から大量に買い占めてきてはいかがだろうか。(売れるかどうかしらないが)