2014/04/30

調剤トレンドの分析・洞察

常日頃から、薬局の生き残りは、膨大なデータ蓄積とその分析が鍵となると考えている(弊社レポート参照 ⇒ Meditur Insight vol.2 調剤薬局の課題と未来 発行いたしました )。

今日は、CVSのレポートを紹介したい。この中で、アドヒアランスが医療費削減に大きく貢献する、といった話が挙げられている。

(2016/5/1 追記)下記のリンクが切れてしまったため、レポートに関するニュースリリースへのリンクを追記→ CVS Caremark Reports Traditional Drug Trend Increased by Just 0.8 Percent in 2013 While Overall Prescription Drug Trend is Up 3.8 Percent | CVS Health

CVS CAREMARKの分析レポート INSIGHTS 2014
 画像をクリックするとレポートのWEBサイトに飛びます←リンク、飛べません(2016/5/1 追記)
レポートの内容はこちら。アドヒアランスについては6番目。

7 Sure Things

  1. Prescription trend is up 
  2. Generics have peaked 
  3. Specialty drives trend
  4. Price is king 
  5. Money matters to members 
  6. Adherence is the answer 
  7. Past performance is no guarantee of future results


それ以外にも、将来に向けた取り組みなど、様々な点で参考になる。ゴールデンウィークの合間にでも、読んでみてはどうだろうか。休み中ならではの、何か新しいアイデアが浮かぶかもしれない。

2014/04/29

相関と因果

先週聴いてきたビッグデータ関連のカンファレンスで、何度となく繰り返されていた言葉に「相関と因果」があった。

ビッグデータを高速に処理することが容易になったことで、サンプルデータで一部の相関を調べていた時代から、全データのすべての項目の相関を調べることができるようになってしまった、と。

病院ではビッグデータを生み出している一方で、現場はスモールデータ、ミニデータで格闘していることが多い(エクセルで十分。下手をすると電卓で十分なレベルのことも)。

以前、とある病院で、「病床利用率と入院1日単価の関係性を調べたら、正の相関があった」と報告を受けたことがある。その相関関係を見た分析手法は、半年ほどの月次の利用率と単価の折れ線グラフで、何となく似ている、というレベルだった。

相関関係はあったのかもしれないが、そこからどのような因果関係を導き出せるのだろうか。また、病院の課題は解決できるのだろうか。現場で困ってしまう、ありがちなパターンだ。

この「とある病院」の課題は、『どうやったら病床利用率が上がるか』なのだが、もちろん「単価を上げましょう」は答えにならない。

単価はケースミックスに依存していることが多く、利用率は予定入院や救急搬送などの入院動向と退院動向に影響を受ける。それぞれの依存関係を考えるならば、無理に在院日数を延ばそうとすると単価は低下する傾向にあることくらいだ。つまり、ケースミックスを変えず、単価を上げようとすると早期退院を促す結果、病床利用率は下がるに違いない。

このケースでは、診療科や病棟別の病床利用率などを細かく(ビッグデータと戦っている人からすると、非常に単純な分析)見ていくことで、利用率を上げていく糸口(利用率が上がらない課題の真因)が見えてきたのだが、戦略のないスモールデータとの格闘ほど意味のないものはない。

ビッグデータで世の中が騒いでいるだけに、病院など医療の現場も、データ蓄積・分析の重要性が高まってくるだろうが、まずは基本的なところから、だ。

ちなみに、相関と因果については、上述のセミナーでも下記書籍が何度も引用されていた。自分も以前読んだが、非常に良い本だと思う。

余談だが、病院で出会う多くの人に進めたい本はこっちだ。(まだ読んでないのだが、著者の西内氏の話を聞いた感じでは、万人向けになっていると思われる)

2014/04/28

一般市民の混合診療に対する現状理解が十分でない中、議論は進んでいく

先月くらいから、混合診療の拡大について議論が活発化してきているが、ニュースでは「受けたい医療が受けられる」との患者の声を大きく伝えているように感じる。その医療の安全性などもあわせて報じられているものの、財源の負担なども含め、市民・患者・医療者・行政の立場を明確に論じているものはほとんど見られない。

〜昨日、今日のニュースから〜
「混合診療」実施病院巡り調整続く NHKニュース

【主張】混合診療の拡大 患者の利益こそ最重要だ - MSN産経ニュース


そんな中で、下記のBLOGOSの記事。
混合診療に関する日本医師会の説明が理解できない

この記事を読むと、「自由診療を受けると、なぜ保険診療部分まで自費になってしまうか」ということを理解することの難しさが受け取れる。

「医師会の主張が理解できない」というのは、具体的にどのような問題をはらんでいるかが見えてこないせいだろう。例えば、2、3日寝ていれば治ることがほとんどのインフルエンザの投薬は保険診療から自由診療に、検査は保険診療のままになったと仮定する(今は全部保険診療)。すると、お金がある人はクスリをもらって帰り、そうでない人はクスリをもらわずに帰ることとなる。クスリ代は全額自費なので数千円の差が生じる。これが「現在、保険診療で診ているものまで、混合診療に・・・」という問題だ。

でも、これは医療費の財源問題を考えるとき、クスリを飲んでも飲まなくても大して差がない(と主張する人もいる)インフルエンザのクスリの医療費について、保険財源を使うことがなくなるため、プラスと判断することもできる(自分はこの自己負担のコントロールと、社会保障制度の拡充を組み合わせ、最適化を図るべきと考えている。「混合診療の拡大」の単独の議論には賛成でも反対でもない。)。

現行の保険診療を保険外にすることの問題を気にするだけでは不十分だ。例えば、新型インフルエンザのクスリが出たときに「混合診療があるから、保険外にしておいてもいいよね」ということになりかねない、ということを医師会は指摘している。

具体的な問題をもとに論じていかないと、最悪、「一部患者の利益拡大」が「大多数の損失」になるかもしれないのだ。

昨年、大学生に保険診療について教えていたとき、理解してもらうことの難しさを感じた。誰が悪い訳でもない。混合診療の拡大の議論とともに、分かりやすい制度にしていくことも重要だろう。

2014/04/25

ダベンポート氏の最新刊

5月7日発行予定。amazonでは予約受付中

一昨日、この本の著者であるダベンポート氏の講演を聴いた。2008年当時、アクセンチュアのディレクターを務めていた同氏の「分析力を武器とする企業」が出たとき、自分はまだアクセンチュアにいたのが、つい最近のことのように思うが、もう6年も経ってしまったのか・・・としみじみと思った。

昨日のブログで、調剤データの分析について書いたが、その背景にある考え方は、この「データ・アナリティクス 3.0」の本に書いてあることだ。アナリティクス3.0では、あらゆる部署・組織のデータを複合的に用いて、意思決定支援や商品開発(調剤薬局で言えば「新サービス開発」か)に活かすステージに来た。

これは薬局だけではない。病院もクリニックも同じだ。そして、業種の壁を超えるアイデアを考えることも大事になるだろう。

しかし、データ・アナリティクス3.0の本の帯に「もてあましているビッグデータ」とあるが、これは国のナショナルデータベースのことを指しているのだろうか。ハッカソンのような短いスパンでは何も生まれないだろうが、技術的な面も含め根本から見直したら、相当な価値ある「資源」になると思うのだが・・・。今のままでは掘り出せないメタンハイドレート(シェールガスでもいい)だ。掘り出せないことには精製も加工もできない。以前にもブログで書いたが、日本の新しい資源は「データ」だ。

2014/04/24

調剤レセプトをどう分析するか

日本調剤の三津原社長の話を聞く機会があった。レセプトを分析する話だったのだが、ジェネリックの推進にもデータ分析が重要等の話はあったが、ディープな分析の話題には触れなかったこともあり、講演が終わってみたら、製薬メーカー等にデータを売っているという話だけが印象に残ってしまった。

調剤薬局は、薬価差益や基本料を利益の源泉とし、いかに数多くのレセプトを捌くかというビジネスモデルから、薬剤師の専門性を活かした高い付加価値を患者に提供するか、そして、その付加価値に対するフィーを利益の源泉とするモデルにしなければならない・・・なんてことは、「薬局はこの先も安泰だ!」と思っている人や引退間近の薬剤師でも無い限り、「わかっている、そんなことは。じゃ、具体的に何をしたらいいんだよ!?」と言いたくなるだろう。

製薬メーカーにデータを売る話はちょっと置いておき、まず「薬剤師の価値」を再定義する必要があるだろう。薬剤師の積極的関与により、薬の処方量を減らすことができた、検査結果が改善した、飲み忘れが減った、など、医療の質が向上したことに対し、薬剤師が関与しない場合と比較し、その差が「薬剤師の価値」だ、と考えられる。

理論的にはそうなのだが、では、実際、現場で何をしたらいいのだろうか。

答えはデータを蓄積し、証明することではないだろうか。価値を証明しなければ、何も始まらないように思う。学会での口頭発表やポスター発表レベルでもいいが、国を挙げて証明すべき、というのが本筋だ。疑義照会は先月発表がなされていたが、こういった取り組みを加速させることは非常に大事だ。

【医薬分業指導者協議会】年間82億円の薬剤費節減‐疑義照会の有用性を調査 : 薬事日報ウェブサイト

これこそが薬剤師の価値であり、この価値を高めることが、いかに多くのレセプトを捌くか、という質より量のビジネスモデルからの脱却だろう。

繰り返しになるが、まずは現場でデータを集めることだ。薬剤師の価値を証明するために必要と思われるデータをひたすら集めることだ。今はまだ価値が分からないデータも、将来見込みがあるなら、今から集めてしまえ、だ。

こういったデータの蓄積ができている薬局は、周りの薬局との差別化が図れ、結果、生き残るはずだ。

これらの内容についてまとめた弊社レポートは下のリンクからどうぞ。

2014/04/23

難消化性デキストリンを混ぜて、トクホを取ろう

近年、トクホ商品が乱発気味のように感じる。消費者としては、トクホの特別感が薄れ、価値・魅力が相対的に下がっているようにも思うのだが、売れ行き好調とのニュースを聞くたび、いやいやそんなことはない、まだまだトクホは価値がある、と認識を改めさせられる。

特保 許可区分別 商品数年次推移
出所: 消費者庁 「特定保健用食品許可(承認)品目一覧」を基に作成
なぜ、こんなにトクホの話をよく聞くのか。その理由の一つを上のグラフから読み取ることができる。最近、認可の種類で増えている「規格基準型特保」の影響が挙げられる。

純粋に新規成分を開発し、トクホを取得しようとするとその費用は数億円以上と言われている。それが「規格基準型特保」の場合、数百万~数千万円で済むというのだ。その試験内容や費用については、下記リンク先のウェブサイトが詳しく説明している。

トクホ試験 | 特定保健(特保/トクホ)の為の、ヒト試験(特定保健食品開発のヒト試験)(機能性食品開発のヒト試験)や、安全性試験、等、各種臨床試験をご提供

特保商品をほんのわずか摂取したところで、消費者が効果を実感することは難しい。しかし、一定の検査を義務付けているトクホはまったく効果が無いわけではないということは理解できる。

つまり、手っ取り早い「トクホ」の名前が欲しいのならば、難消化性デキストリンなどを混ぜてしまえばよい、ということだろう。

実際、トクホを取得した成分名ごとに商品数をカウントすると、難消化性デキストリンなど、一部のメジャー成分が結構な比率を占めていることが分かる(下表参照)。

# 関与する成分名 商品数 全体に占める割合
1
難消化性デキストリン(食物繊維として)
304 27.6%
2 サーデンペプチド(バリルチロシンとして) 70 6.4%
3 キトサン 52 4.7%
4 コーヒー豆マンノオリゴ糖(マンノビオースとして) 41 3.7%
5 サイリウム種皮由来の食物繊維 38 3.5%
6 L.カゼイ YIT 9029(シロタ株) 36 3.3%
7 茶カテキン 36 3.3%
8 CPP-ACP(乳たんぱく分解物) 32 2.9%
9 乳果オリゴ糖 31 2.8%
10 難消化性デキストリン 27 2.5%

「トクホだから買う。きっと何か効果があるのでは」という買う側の認識を、「これも難消化性デキストリンなのね」というように、その実態を理解できるくらいの知識を身につけないことには、売る側の思惑に嵌められてしまう。今後、健康食品等の表示についても規制緩和がなされるような議論があるが、これも制度がどうなる、規制がどうなるということはもちろん大事だが、消費者側の理解も高めるような取り組みが大事なのではないだろうか。

2014/04/22

パンチコーラを彷彿とさせる「アクアクララタブレット」

昨日、TSUTAYA関連会社のPitaliというサプリメントビジネスを紹介したが、今日もサプリメント関連の紹介だ。

子供の頃、パンチコーラが大好きだった。粉ジュースも好きだが、それ以上にパンチコーラ派だった。もはや売られていないのかと思っていたら、amazonで取り扱っているではないか。
 
このパンチコーラ、もっぱら、そのまま舐めていたのだが、水に溶かして飲むこともできる。で、今日の本題だが、パンチコーラにそっくりなタブレットがアクアクララから登場するらしい。
アクアクララタブレットプレス発表に抽選で50名様をご招待!|ウォーターサーバー・宅配水は【アクアクララ】

ウォーターサーバーの水購入という定期的な接点があるビジネスは、健康食品やサプリメントを販売する大きな利点がある。また、ミネラルウォーターを購入するくらいだ。健康に対する意識は高い可能性が考えられる。

ウォーターサーバービジネスに限らず、このような顧客と定期的接点のある業種・ビジネスは、今後、セルフメディケーションのライバルになるかもしれない。今のうちにアイデアを練っておくべきだろう。

2014/04/21

イケてるデザインで未開拓客をターゲットにする

マッチングオーダーサプリメント- Pitali(ピタリ)

面白い。TSUTAYAのグループ会社がサプリメントに参入だ。ウェブサイトが洒落ている。無駄に不安を煽っていない。「ハッキリとした毎日」みたいな煽りがないだけで新鮮味を感じるというのもどうかと思うが、日々、健康食品・サプリメントのウェブサイトを見て回っているだけに、いい意味で「健康食品らしさ」に欠けていて、ぱっと見、化粧品のウェブサイトみたいだ。

おそらく、これまでとはまったく違う客層に訴求するのだろう。TSUTAYAが手がけている時点で、Tポイントカードなどの情報をうまく絡めてきそうな予感もするし、若年層への斬新なアプローチも期待できそうな予感もする。

でも、サプリメント事情通から見たら、肝心の商品がバカ高い。大体、5倍から10倍の値段が付いている。簡単な質問に対する回答から適切なサプリメントを提案してくれる点と、オシャレなデザインのウェブサイトは非常に好感が持てる。なので、値段は付加価値と理解すべきところだろう(個包装や黒胡椒成分配合などの独自アピールポイントは、コスト的な負担はさほどではないと思われる)。

現状の健康食品・サプリメント市場は、成分が同じようなものは非常に厳しい価格競争が行われている。後発組のTSUTAYAは、そういった価格での勝負はしない、ということなのだろう。今後が楽しみだ。


ちなみに、今後、サプリメントの販売、ドラッグストアが薬剤師主導で猛烈なマーケティングをしかけてくると見込んでいる。これについては、以前の弊社レポート meditur insight vol.4をお読み頂きたい。

2014/04/18

病院のベッドは多すぎる? 少なすぎる?

日本は今、急性期のベッドを大幅に減らす施策が展開されている。それでも患者は困らないように配慮されている想定だが、実際のところ、日本全国、隅々まで、絶対に問題が起きないかどうかは分からない。

下はイギリスのテレグラフ紙の記事だ。それによると、イギリスはベッド不足に直面しているとのこと。

Hospital bed shortage exposed - Telegraph
expose ...

減らしすぎは、入院待ちの期間が長くなってしまうなどの弊害が生じる。

日本は大丈夫だろうか?

下のOECDのデータだけで論じるならば、まだまだ多い、ということになる。

Source: OECD Health Statistics 2013

Source: OECD Health Statistics 2013

しかし、医療従事者の数や、保険制度など、様々な要素が複雑に絡んでいるため、これだけで多い少ないを論じるのはあまりにも危険だ。

ただ、ベッドが多いという事実は、日本の現状の医療は、入院しなくてもいい治療・検査で入院している可能性や、もっと短い日数で退院できる可能性があることを示唆していると考えられる。

現状を当たり前と考えないことが大事だろう。

2014/04/17

てんこ盛りトクホ飲料、売れるんじゃないでしょうか

『日本初Wトクホ!』と銘打った広告を「からだすこやか茶W」が展開している。

日本コカ・コーラ |企業情報 |ニュースリリース: 日本コカ・コーラ株式会社 Coca-Cola Journey

ダブルで日本初というのなら、いっそ、トクホで認められる成分をてんこ盛りにして、「十六茶」ならぬ、「十六トクホ茶」とか、「コーラゼロ」ならぬ「コーラトクホ10」とか、「ペプシスペシャル」ならぬ「ペプシスーパーウルトラエクストラスペシャル」とか、そんなものを作ってしまったらどうだろうか。

なんてことをなげやりに考えていたら、十六茶は、からだすこやか茶Wにそっくりな、十六茶Wを15日に発売してた。(どっちが先か調べる気も起きないくらいどうでもいい)

「アサヒ 食事と一緒に十六茶W(ダブル)」新発売|ニュースリリース 2014年|会社情報|アサヒ飲料

ちなみにからだすこやか茶Wと十六茶Wは難消化性デキストリンが含まれているとのことなので、血糖値・血中中性脂肪の上昇抑制が効果ということなのだが、飲んだ人は効果をあまり感じていないことは以前の弊社アンケート調査からも明らかだ。

今回もおそらく買う時点での「意気込み」が一番の効果(心理的な効果)な気がする。


■弊社ブログの主なトクホ関連記事(続きからどうぞ)

2014/04/16

ネーミングセンスが無いなぁ・・・と思ったら大臣命名だった。失礼しました。

4月15日昼から、「アプリDe統計」というAndroidアプリが総務省統計局から公開された。

アプリDe統計 アプリ画面
んー、コメントしづらい。統計局のマークが無いものを見せられて、「誰が作ったでしょうか?」と聞かれたら、「中学生??」とか言ってしまいそうだ。自分にセンスがあるわけではないのだが、様々な企業のアプリに日常から触れているため、強烈にチープな感じがしてしまう。

地域の情報画面(GPSと連動も可能)
統計を全国⇒都道府県⇒市区町村とドリルダウンできる画面
統計によるクイズ
見た目はともかく、内容は・・・、試行版とのことなので、今後に期待したい。

例えば、期待したい点としては、携帯やタブレットで見ているのだから、ビジュアライゼーションに力を入れてみては?と思う。数字の羅列を眺めるのはシンドイ。地図などに載せたり、グラフにしたり、小さな画面でも直感的に分かるような機能を充実させたら良いのではないだろうか。

余談だが、アプリのタイトルは新藤総務大臣直々に命名したらしい。ま、話題性があっていいか・・・。


アプリのインストールはこちらから⇒ アプリDe統計 - Google Play の Android アプリ

総務省|「アプリDe統計」の提供開始

10万円の家、大売り出し($1000~、オークション)

家が欲しい。でも、住みたい家を作るほどのお金も無ければ、そもそも東京では必要な土地も買えない。しかし、家の値段はいつまで続くか分からない。人口が今までどおりで、産業の構造が変わらなければ、家の値段は変わらないかもしれない。しかし、間違いなく、人口も産業構造も変わる。正直、そのときに東京の土地の値段はどうなっているか想像もつかない。

人口の変化は、少子高齢化(地域間格差も大きい)が進むことはある程度想定されている。また、身に迫った話とは思えず、どこか他人事になっているが移民の話も出ている。

東京一極集中の議論とも関係する首都機能移転や、自動車の自動運転技術のような新しい技術の登場により、産業の構造自体が変化し、東京の価値が変わる可能性もある。


これらは未来の話をしている。タイムマシンに乗って未来を見てこられる人でない限り、「絶対にこうなる」とは言えない。未来は予想できない。


話は突然海外の話になるが、自動車産業で栄えたデトロイトは、2013年7月に財政破綻している。誰がこんなことを予想できただろうか。


そのデトロイト、納税等の理由で市が所有している空き家をオークションで売るらしい。しかもスタートはわずか1,000ドルから。

デトロイト市の住宅オークションサイト http://buildingdetroit.org/Home

まさか、デトロイトでこんなことに・・・。

世の中、絶対、なんてことはない。今だけ見ていてもダメだ。先週、今週と様々な地域の人口動態を眺めながら、ふとそんなことを考えた。

Detroit to auction vacant homes online. Starting bid: $1,000 - Apr. 14, 2014

2014/04/15

Atul Gawande氏の対談動画がNEJMに


先日、この本の書評をブログに書いた。

『この本は医学生や研修医にせひ読んで欲しい』 from 訳者あとがき (書評:医師は最善を尽くしているか) - 医療、福祉に貢献するために

この本の著者であるAtul Gawande氏が対談しているビデオがNew England Journal of Medicineに載っている。

Avoiding Low-Value Care — NEJM

スクリプトも一緒に公開されているので、何かと助かる。前立腺がんの検査など、さまざまな議論がなされているが、どれも興味深い。


2014/04/14

意思決定には「全員参加」が大事

Redesigning Surgical Decision Making for High-Risk Patients — NEJM

手術の説明が、執刀医と患者の1対1で行われるケースが多いのは、日本に限った話ではないらしい(小児の手術など、家族が同席するケースももちろんある)。

ハイリスク患者に関する手術の意思決定について、考えなおそうというのが趣旨で、それには多くの関係者が検討する場に参加すべきということだ。要点は下記プレスリリースに書かれている。

For Sick, Elderly Patients, Surgical Decision Making “Takes a Village” - News Room - University of Rochester Medical Center

「Takes a Village」の意味が分からなくて、????だったのだが、インターネットで調べたところ、全員参加という意味のようだ。

「8時だよ、全員集合」ならぬ、「手術かも、全員集合!!」といったところだろうか。

2014/04/11

ノベルティグッズ業界ランキングをしたら、医療業界は上位ランクイン確実

先日、ミスコミュニケーションを防ぐひとつの方法として、ICTの活用の余地があるのでは、とブログで書いた。

ミスコミュニケーションを防ぐには - 医療、福祉に貢献するために

さきほど、メモを取るとき、何気なく手に取ったボールペンに「Allscripts」のロゴがあった。


こういった類のノベルティグッズをもらったからと言って、贔屓にするわけでもないのだが、病院・クリニックは本当にこの手のグッズが多い。筆記用具、クリアファイル、マグネットあたりが王道中の王道だろうか。

子供の頃、家のタオルが「○○工務店」「××旅館」みたいなものばかりで、今思うとちょっと恥ずかしかったのだが(そもそもタオルは買わないもので、もらうものだと思っていた)、今となっては、家のボールペンが「○○製薬」「××ファーマ」状態だ。ノベルティグッズで競うのではなく、本質的な薬の中身で競って欲しいところだ(不正とか抜きで)。

2014/04/10

お薬手帳、意義が浸透しない中での点数上下は、混乱とムダを生む(後編)

昨日の前編に続き、お薬手帳の話題を。


・医療の質の向上、患者の健康管理に「お薬手帳」はあるべき
・薬局は薬歴管理することがあたりまえ
・薬歴管理できない患者、管理しない患者は罪

以上の3点を前提に考えてみたい。


2点目、3点目から考えられることは、

・管理しない薬局は、報酬を得られない(現状の診療報酬と同じ)
・手帳を持参しない患者は、金銭的負担を負う(新しい概念)

とするならば、患者はお薬手帳を持ってこないと追加負担(例えば1回3,000円とか)が生じる、としたらどうだろうか。すべての責任は持ってこない患者が悪い。管理する必要はない、という患者側の論理は、ちょっとした薬であれば正論のように思うが、様々な薬との相互作用などをチェックするためのデータ蓄積には不可欠な「手帳」とすれば、「持参しない」ことは日本の医療費抑制に役立っていないため、その代償として大きな負担を強いてもいいのではないだろうか。


提言:お薬手帳はパスポートや運転免許証と同じ重要な「手帳」であることを認識させ、不携帯での薬処方には患者に大きな負担が生じるようにする(当然ながら保険適用外の自己負担)

ただし、風邪薬だろうが、湿布薬だろうが、処方薬について国を挙げて管理することに意味があるとするのならば、管理自体の効果をしっかり検証すべきだと思われる。そもそも管理する意味がないのでは?管理してもらわなくても結構です!と思われている現状が少なからずあるのならば、この議論は破綻する。調剤薬局のカウンターでお薬手帳を広げて説明するだけでは、国民の理解は得られないだろう。薬剤師がしっかり管理した結果、ムダな処方を抑制できた、危険な飲み合わせを回避できた、健康管理に貢献した、といった効果を見える形にするには、現場から情報を吸い上げる仕組みが必要なのではないだろうか。(たまの調査で聞くのではなく、継続的な調査とすべき)

余談:お薬手帳を完全ICカード化して、データは国のデータベースを照合するような仕組みがあれば薬歴管理における調剤薬局の薬剤師の役割自体が変わるように思うだけに、上記提言は過渡期の対応かもしれない

2014/04/09

お薬手帳、意義が浸透しない中での点数上下は、混乱とムダを生む(前編)

お薬手帳。
今回の診療報酬改定、大きなポイントの1つとなった項目だ。

これまで、お薬手帳を忘れた場合でも、シールでもいいから渡せば点数を算定できるルールだったため、今回の改定では、お薬手帳を忘れた場合、その目的の点数が算定できなくなった(つまり安くなる)。

その結果を受けた新聞記事がこれ。

つなごう医療 中日メディカルサイト | 「お薬手帳」利用減る? 診療報酬改定 持参しない方が安く

「お薬手帳は持参しない方がお得ですよ!」とも受け取られかねない内容。もちろん、記事の中身をしっかり読めばそんなことはないのだが、早かれ遅かれ、どこかのテレビ番組が紹介するだろう。

逆に、医療者が読むサイトではこれ。

手帳交付すれば服用歴管理指導料の減算免除 | 医療経営CBnewsマネジメント

「手帳を忘れた人に対し、減算(=安くなる)を防ぐには、手帳を交付すればよい」という話。忘れたって、またちゃんとした手帳(シールじゃダメ)を渡してしまえばいいんだ、と書いている。

そもそもの手帳の意義を考えると、「安くなる」も「渡してしまえ」もどちらも、???、なのだが、それぞれの立場上の都合だろう。食費などの生活費を切り詰めている患者からしたら、10円、20円だって無視できない差だし、調剤薬局とて非営利事業ではないのだから、定められた範囲内で最大限利益を上げようとする。各々の心情は痛いほど理解できる。

しかし、このような改定の度に生じる不毛なやりとりは、現場での混乱と医療費のムダを生むに違いない。点数の上下でコントロールしようとすることにも疑問を感じる。そこで、次回、どういう制度にすべきか、簡単に考えてみたい。

後編はこちら
⇒ お薬手帳、意義が浸透しない中での点数上下は、混乱とムダを生む(後編)

2014/04/08

クロワッサンドーナツ、カロリーなんて気にするな

生まれてはじめて「シロノワール」なるものを食べた。うわさ通りの衝撃度だった。甘い、しょっぱい、冷たい、温かいが同時に攻撃してくる。しばらくは食べなくていいが、ハマる人がいるのは十分に理解できた。

以前ブログで書いたシナモンロール(相変わらずシナモンロールの記事へのアクセスは多い)もそうだが、デニッシュ系の食べ物が好きだ。そんな自分がここのところ気になっているのは、ミスドのクロワッサンドーナツだ。おいしくないわけがない。

商品情報|ミスタードーナツ

ただ、正直、カロリーが気になってしまう人も多いのではないだろうか。と思って、カロリーを調べてみたら、案の定、4月1日時点のミスド商品中、カロリーの高いドーナツ1位、2位、4位にランクイン(ミスドビッツを除く)。
出所: ミスタードーナツ 栄養成分情報(http://www.misterdonut.jp/m_menu/eiyou/eiyou.pdf)を基に作成

でも、カロリーを過度に気にするとメンタルに良くない。しっかり身体を動かし、バランスの良い食事を心がけた上で、適度にデザートを食べるべきだろう(自分に言い聞かせてます・・・)。

参考: ミスドの栄養成分情報のPDFをエクセルファイル化したもの(ドーナツのみ・カロリー順) Dropboxにファイルを置いてあります