2014/04/24

調剤レセプトをどう分析するか

日本調剤の三津原社長の話を聞く機会があった。レセプトを分析する話だったのだが、ジェネリックの推進にもデータ分析が重要等の話はあったが、ディープな分析の話題には触れなかったこともあり、講演が終わってみたら、製薬メーカー等にデータを売っているという話だけが印象に残ってしまった。

調剤薬局は、薬価差益や基本料を利益の源泉とし、いかに数多くのレセプトを捌くかというビジネスモデルから、薬剤師の専門性を活かした高い付加価値を患者に提供するか、そして、その付加価値に対するフィーを利益の源泉とするモデルにしなければならない・・・なんてことは、「薬局はこの先も安泰だ!」と思っている人や引退間近の薬剤師でも無い限り、「わかっている、そんなことは。じゃ、具体的に何をしたらいいんだよ!?」と言いたくなるだろう。

製薬メーカーにデータを売る話はちょっと置いておき、まず「薬剤師の価値」を再定義する必要があるだろう。薬剤師の積極的関与により、薬の処方量を減らすことができた、検査結果が改善した、飲み忘れが減った、など、医療の質が向上したことに対し、薬剤師が関与しない場合と比較し、その差が「薬剤師の価値」だ、と考えられる。

理論的にはそうなのだが、では、実際、現場で何をしたらいいのだろうか。

答えはデータを蓄積し、証明することではないだろうか。価値を証明しなければ、何も始まらないように思う。学会での口頭発表やポスター発表レベルでもいいが、国を挙げて証明すべき、というのが本筋だ。疑義照会は先月発表がなされていたが、こういった取り組みを加速させることは非常に大事だ。

【医薬分業指導者協議会】年間82億円の薬剤費節減‐疑義照会の有用性を調査 : 薬事日報ウェブサイト

これこそが薬剤師の価値であり、この価値を高めることが、いかに多くのレセプトを捌くか、という質より量のビジネスモデルからの脱却だろう。

繰り返しになるが、まずは現場でデータを集めることだ。薬剤師の価値を証明するために必要と思われるデータをひたすら集めることだ。今はまだ価値が分からないデータも、将来見込みがあるなら、今から集めてしまえ、だ。

こういったデータの蓄積ができている薬局は、周りの薬局との差別化が図れ、結果、生き残るはずだ。

これらの内容についてまとめた弊社レポートは下のリンクからどうぞ。