2014/04/05

ロボット手術(支援手術)は、知らず知らずのうちに人間の技を盗もうとしているのかもしれない

ロボットは日本の得意分野だ。その中でも産業用ロボットは、これまで日本の産業成長に大きく貢献してきた。ロボットのことは、以前ブログでも書いた(読み返してみたら、そのくだらなさに愕然とした。酔っぱらいながら考えたと思われるので、お許しを・・・)。

ロボットを話題にした記事⇒歌舞伎町で医療を考える

産業用ロボットは、決められたことを、決められた通りにできるのはすごいことだった。しかし、様々な状況での適切な判断や知能の獲得といった点で、決定的に人間との差があった。

下の動画は3年近く前のものだが、学習することができるロボットだ。
 

このロボット、日本の医療で浸透してきている手術支援システムda vinciで応用されたら、どうなるだろうか?

da vinci (wikipediaより)

学習する材料は、世界中のドクターが行った手術記録だ(おそらくすべて残っているはず)。手の微妙な動き、カメラが記録した映像、何もかも記録が残っていれば、それを学習させることができるに違いない。しかも10例、20例の学習ではない。前立腺の摘出術であれば、日本だって1,000例以上あるだろう。世界では数十万例以上あるに違いない。これらの記録をすべて学習させたら・・・、外科医と同じような動きができるようになるかもしれない。これはモーションキャプチャで動きを記録しているのとはちょっと意味が違う。da vinciでは、コンソールボックスで鉗子を触って操作している。つまり、すべての微妙な動きが記録されている。おそらく、da vinciはうまい医師と下手な医師を理解しているだろう(人格がないので、理解より識別というべきか)。

これからの医療、ロボットが状況を判断して動作したり、マンパワー不足を補ったり、様々なところでの活躍が期待されている。ただ、何より怖いのは(期待しているのは)、不可侵だと思われている医師の技能にまで進出できそうな気がしている。

機械学習のプログラムを考えている人たちにとって、da vinciのデータはおもしろいと思うのだけどなぁ・・・。