2014/10/08

医療費格差の解明にビッグデータは要らない

厚生労働省は毎年医療費の地域格差(都道府県格差等)を分析しているのに、今年は例年以上に地域格差を報道するマスメディアが多い。

もしかしたら、消費税増税をし社会保障費用に回すと言っているのに、その使い方に無駄があったら問題だ、ということなのかもしれない。もちろん、ここでいう格差とは、高いところをもっと下げるべき、という論調で一色だ。お金をかけている都道府県の方が充実しているのでは?という議論はほとんど見られない。

そこで、シンプルに、なぜ医療費は地域格差があるか、入院医療にフォーカスをあて、調査した。




分析結果は単純明快なのだが、ベッド数の差異が医療費の格差を生んでいる、ということだ。

病気の人が多いからベッド数が多くなり医療費高騰したのか、ベッド数の多さが患者を生み医療費高騰を招いているのか、どちらかは分からない。しかし『ベッド数』が鍵になっていることは疑いようもない。

地域医療ビジョンでは、間違いなく病床数のコントロールを意識してくるはずだ。逆に病床数に全く触れないビジョンであれば、完全に骨抜きと言っていいだろう。


格差の原因を把握するのに、今あるビッグデータは要らない。シンプルに考えても十分答えは出ている。


もし、深く考えるのであれば、個人レベルで医療と介護のデータをつなぐべきだろう。介護については以前ブログで少し触れている。またビッグデータを使うのであれば、細かな医療の中身を見るべきだ。医療費が高いところの質が高いかどうか、評価することはまだ十分出来ていない。

よろしければ下記ブログを合わせてどうぞ。

都道府県間の医療費格差だけでなく、介護にも差がある
医療費の地域差、どう解消したいか。ただ下げれば良いのではない