2015/03/17

恵まれた医療環境に感謝

先日、膝関節の手術の話を紹介した。今日は心臓の話。

New England Journal of Medicineに載っていた、薬剤溶出型ステントとバイパス術の比較の論文。

Trial of Everolimus-Eluting Stents or Bypass Surgery for Coronary Disease — NEJM

パイパス術より、ステントの方が、心疾患の有害事象発生率が高かったという結論なのだが、ディスカッションの中では、ステントは再狭窄が理由で、再度治療を行った結果、トライアルから退出してしまう症例が多かったといったことにも言及している。死亡や心筋梗塞といったイベント発生率はほとんど差がなかったとも書かれている。

ざっと読んだだけなので、細かな内容は、直接論文を読んでもらいたいが、日本はステント治療が盛んな国だ(カテーテル検査・治療が盛ん)。以前、都道府県別の65歳以上人口と心カテ検査件数を比較したことがあり、心カテ検査実施率には都道府県格差が非常に大きかったように記憶している(別の機会に紹介したい・・・)。日本は循環器領域における診断・治療は恵まれている環境と言えるだろう。医療者に感謝である。