2015/04/24

市民が期待する医療の可視化

専門家の議論は非常に興味深く、参考になる。先月の希少がん医療の検討会の議事録。

第2回希少がん医療・支援のあり方に関する検討会(議事録)(2015年3月6日) |厚生労働省

議事録から、以下、一部引用。
○川井参考人 今のネットワークのお話ですけれども、例えば希少がんの中でユーイング肉腫という病気に関しては、ホームページを調べれば、あるいはいろいろなインターネットを調べれば正確な情報がある程度わかります。それでは、どの先生がユーイング肉腫をたくさん見ておられて、化学療法が得意なのかあるいは手術が得意なのか、そういうもっと具体的な情報というのは、希少がんを扱っている医療者が一番よく知っているわけです。
 正しいかどうかということにはある程度主観的なところが入ると思いますが、希少がんに対して一番正確に近い情報を知っているのは希少がんを担当している医療者だと思っていて、それはそれぞれの医療者のコミュニティーの中である程度ネットワークというのは既に以前から存在している。それをはっきりとした形にして、例えば加藤構成員が電話を受けたときに、そのネットワークを使って紹介できるようにしたいということを考えています。
引用、以上。

希少がんを扱っている医療者のコミュニティーに、いかに早くつなぐか。これ、情報が可視化されたら、大きな進展になるはずだ。(ただ、既存のレセプトやDPCのデータでは、その実現は難しく、がん登録の情報が有益になるだろう)

市民が知りたいのは、雑誌やテレビに取り上げられるような「神の手」ではなく、ネットワークがうまくできていることと、自分のかかりつけ医が、そのネットワークへうまくアクセスできていることではないだろうか。「つながっていること」から生まれる安心感こそ、市民が期待しているものだと思う。