2015/04/20

煮物、漬け物、味噌汁の うす味家族は NO(脳)卒中

「煮物、漬け物、味噌汁の うす味家族は NO(脳)卒中」

先日、栃木の片田舎で見かけた脳卒中予防標語だ。なかなか良い標語だなぁと思い、写真を撮った。

(余談だが自分の実家周辺も含めた北関東は不審者・チカンの類の標語・看板が多いように思うのだが、気のせいだろうか?)

この手の標語、予防意識を高める上で重要なのだろうけど、なかなか浸透していないし、効果の程は疑問である。ただ、気になって調べてみたら、脳卒中週間というものがあり、毎年標語も募集しているらしい。

脳卒中週間 5/25-31

毎年の選ばれた標語を見てみると、なかなか良い作品ぞろいなのだけど、標語という制約もあり、あまり具体的でないものも多い。


平成14年度「脳卒中 倒れる前にまず予防」「逃すな前ぶれ、早めの受診」
平成15年度・16年度「脳卒中 予防は日々の暮らしから」
平成17年度「脳卒中予防を支える 家族の目」
平成18年度「1分が わける運命 脳卒中」
平成19年度「脳卒中 素早い受診が 早める復帰」
平成20年度「おかしいぞ 何か変だぞ すぐ受診」
平成21年度「脳卒中 健康過信を ねらいうち」
平成22年度「長くてつらいリハビリよりも ちょっと控える塩と酒」
平成23年度「脳卒中 決め手は予防と“もしや”の受診」
平成24年度「脳卒中 予防と予兆が 鍵握る」
平成25年度「‘呂律が回らず手がしびれ’これはともかく救急車」
平成26年度「すぐ受診 動悸は危険の ふれ太鼓」
平成27年度「様子見は とにもかくにも 命取り」
(上記サイトから引用)

さらには予防10ヶ条、克服10ヶ条なるものもあった。

 予防10ヶ条
1  手始めに 高血圧から 治しましょう
2  糖尿病 放っておいたら 悔い残る
3  不整脈 見つかり次第 すぐ受診
4  予防には タバコを止める 意志を持て
5  アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
6  高すぎる コレステロールも 見逃すな
7  お食事の 塩分・脂肪 控えめに
8  体力に 合った運動 続けよう
9  万病の 引き金になる 太りすぎ
10 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

克服10ヶ条 
1 生活習慣  : 自己管理 防ぐあなたの 脳卒中
2 学ぶ    : 知る学ぶ 再発防ぐ 道しるべ
3 服薬    : やめないで あなたを守る その薬
4 かかりつけ医: 迷ったら すぐに相談 かかりつけ
5 肺炎    : 侮るな 肺炎あなたの 命取り
6 リハビリテーション : リハビリの コツはコツコツ 根気よく
7 社会参加  : 社会との 絆忘れず 外に出て
8 後遺症   : 支えあい 克服しよう 後遺症
9 社会福祉制度: 一人じゃない 福祉制度の 活用を
10 再発時対応 : 再発か? 迷わずすぐに 救急車
(予防・克服いずれも、標語同様、日本脳卒中協会のサイトから引用)


以前紹介したイギリスのACT FASTのように、印象に残りやすく、具体的でかつ行動に移しやすくものを展開していくべきなのではないだろうか。(標語を募集する取り組み自体は、毎年盛り上がるイベントとして良いと思うが・・・)

ためしてガッテン脳梗塞特集で、イギリスNHSのAct F.A.S.T.を紹介 - 医療、福祉に貢献するために


ちなみに、脳卒中週間、なぜ5月末なのだろう?と思いホームページを読んでいたところ、以下のように書いてあった。
この時期を選んだ理由は、1)厚生省健康科学総合研究事業 脳梗塞急性期医療の実態に関する研究(主任研究者:山口武典) により、脳卒中の大部分を占める脳梗塞の発症が年間では春に少なく6‐8月から増加することが明らかになり、2)一般に「脳卒中は冬に多い」というイメー ジがあるので、実は脳卒中は夏から気をつけなくてはいけないという警告を与えるためには、その直前である5月の終わりが適切と思われるからです。
以前、統計データ(人口動態の死亡者数の月次推移)の分析から、脳血管疾患が増えるのは冬であるように記憶していたのだが、どうやら違う研究発表があるようだ(報告書を読むと発症数で大規模な施設調査を行っているようなので、信頼性は高そうだが、調査開始時期が5月から・・・というのがちょっと気になった)。個人的には、この報告が一番気になった。