2015/05/20

薬剤師の能力を活かす”ポテンシャル”の可視化

先日、ちょっとまじめに院内処方・院外処方、門前薬局・門内薬局・院内薬局について書いた。

比較検討すべきは、『病院の薬剤部門の院内処方』と『病院内テナントの薬局の院外処方』 - 医療、福祉に貢献するために

その話題に関連して、弊社近隣の調剤薬局における年間の処方せん枚数を調べてもらっていた。調べられた中で最も多い薬局で年6万枚。1ヶ月5,000枚。1日200枚前後といったところだろう。東京であれば、下記サイトで調べることができる。

東京都医療機関案内サービス“ひまわり”|東京都内の医療機関をさがせます。

例えば、杏林大学医学部付属病院の付近で調べると、下記のように表示される。
杏林大学医学部付属病院付近の薬局(画像をクリックで拡大)
表示された8件の薬局について、延べ患者数(≒処方せん枚数)と薬剤師数を表にしてみた。

番号
薬局名
延べ患者数
実数)
薬剤師数
1
ミネ薬局 新川店
80,174
10
2
薬局くだわら 本店
24,155
6
3
薬樹薬局 三鷹
12,648
2
4
めぐみ薬局
11,273
3
5
薬局くだわら 新川店
50,208
10
6
三鷹グリーン薬局
44,437
7
7
クオール薬局 新川店
17,177
4
8
薬局くだわら 仙川公園店
12,803
4
合計
252,875
46
(出所:東京都医療機関案内サービス“ひまわり” 表の番号は上記地図の番号と一致)


8件で合計25万枚。薬剤師の数は46人にもなった。ほとんどが門前薬局として機能していると考えると、仮に病院敷地内に新たな調剤薬局ができたり、院内処方に切り替えたりしたら、これらの薬局は壊滅的なダメージを受けることになるだろう。

・・・といった非生産的なことを考えるよりも、46人で、大学病院の薬剤部門に移って、チーム医療・院内処方に切り替えた場合、医療の質の向上がどの程度期待できるか議論したら、面白いのではないだろうか。

余談だが、延べ患者数の多いところは、大学病院の患者動線に対し、相対的に『いいポジション』をとっている。言うまでもないが、立地で勝負が決まってしまい、純粋な質での競争ではない。