2015/05/30

地域差を可視化する(Part.3 関節リウマチ 地域差は100倍以上)

先週、2回、狭心症カテーテル検査と大腿骨頚部骨折について、地域差があることを紹介してきた。

地域差を可視化する(Part.1 狭心症カテーテル検査)
地域差を可視化する(Part.2 大腿骨頚部骨折)

3回目の今回は、関節リウマチについて紹介したい。前回まで同様、都道府県別の65歳以上人口に対する入院症例数を比較している。関節リウマチの手術なしでの入院、すなわち、大半がインフリキシマブやエタネルセプト、アダリムマブ等の生物学的製剤の投与目的入院と見て良いだろう。



宮崎、鹿児島が突出している。一方で、岩手、青森はほとんど見られない。寒い地域ではリウマチが少ないと考えられなくもないが、北海道は上位にいる。

最低の青森と最高の宮崎を比較すると、差は100倍以上開いている。DPCデータだけで比較しているとは言え、大きな格差があるのは間違いないだろう。

地域医療構想の中で、療養病床の入院受療率の差異がクローズアップされている。これらは各都道府県・二次医療圏単位で、取り組み等を検討していくことになるだろう。一方、この3回の記事で紹介したような急性期病院における疾患別の入院受療率の差異についても、本来であれば、比較検証されるべきだろう。受療率が高い地域では外来で診療・治療できるものを過度に入院させているということはないのか、逆に受療率が低い地域では、診療体制が整っていないことはないのか、いずれにしても課題が見えてくる可能性があるだろう。


余談だが、今晩、NHKの下記番組、テーマが関節リウマチとのこと。ご覧になってはいかがだろうか。

チョイス@病気になったとき

(3回の連載、終了)