2016/04/12

金持ちはどこでも長生き。貧乏は場所によりけり

ニューヨーク・タイムズの記事タイトルを訳せば、表題のようなものになるだろうか。

The Rich Live Longer Everywhere. For the Poor, Geography Matters. - The New York Times

興味深い内容だった。所得の多い群はどこに住んでいても寿命に大差ないが、所得の少ない群は寿命に地域間格差があるという話だ。背景には、地域により、低所得者層に対する保健医療サービスが異なっていることなどが考えられるとのこと。

所得による余命の違いについて、上の記事では、ニューヨークとデトロイトの比較をしたグラフが載っている。また、記事の基になっている論文では、ニューヨーク、デトロイトに加え、サンフランシスコ、ダラスもプロットされている。人種・民族調整後の40歳時点での平均余命を比較しているものだ。
Race- and Ethnicity-Adjusted Life Expectancy by Income Ventile in Selected Commuting Zones, 2001-2014Estimates of race- and ethnicity-adjusted expected age at death for 40-year-olds computed by income ventile (5 percentile point bins).
Source: JAMA Network | JAMA | The Association Between Income and Life Expectancy in the United States, 2001-2014 Published online  April 10, 2016. doi:10.1001/jama.2016.4226


所得により余命が異なるという事実も興味深いが、地域により、その格差が広がるというのは非常に興味深い。日本で同じようなことを考えるならば、所得により食生活が異なってしまうのは致し方無いにしても、地域により、その振れ幅が異なってしまうということだろうか。例えば、漬け物大好き東北地方は、高所得者は低所得者に比べ漬け物よりおかずに重きが置かれる、とか。

グラフに惹かれて記事を読んだのだが、できれば記事の基になっている論文を読むべきかもしれない。

JAMA Network | JAMA | The Association Between Income and Life Expectancy in the United States, 2001-2014