2016/11/17

オープンデータは新たな議論のきっかけとなる(続き)

ヘパリン類似物質ローションの年代別数量分布。

ヘパリン類似物質ローション0.3% 外来分(院内処方+院外処方)
年代別 先発品・後発品数量
出所: 厚生労働省 第1回NDBオープンデータ(診療年月:H26年04月~H27年03月)を基に作成
言うまでもなく、乳幼児、小児への処方がダントツに多い。


今回は内服薬も見た。先発品はフロモックスに代表されるセフカペンピボキシル塩酸塩の内服薬。

セフカペンピボキシル塩酸塩(フロモックス等) 外来分(院内処方+院外処方)
年代別 先発品・後発品数量比率
出所: 厚生労働省 第1回NDBオープンデータ(診療年月:H26年04月~H27年03月)を基に作成
オープンデータはあくまでも数量上位の薬剤しか記載・公表されていないことと、公表されていても一部データが年代別で記載されていない等の問題があるので、上のグラフが絶対的に正しいとは言えないが、おそらくほぼこのような状況になっていると考えて良いだろう。ヒルドイドローション以上に乳幼児、小児はほぼ先発品である。

処方している背景として風邪などが多くを占めているのであれば、先発品・後発品以前の問題なのかもしれないが、それは別の話としておく。先発品が選択される理由に、自己負担がないから、というのがあるのならば、いつまでもこの制度を続けるべきとは思えない。このような処方状況になる理由は、患者側にあるのか、医療者側にあるのか。多くの人が興味を持って、議論していくしかない。