2016/11/19

人口減少と市町村合併の先にある医療システム維持の模索

昨年夏、兵庫県北部の旧日高町内(現豊岡市)に泊まった。医療関係者ならば「豊岡」と聞けば、少なからずピンと来るであろう公立豊岡病院のあるところだ。

日高町は2005年に豊岡市などと合併し、新たな豊岡市になったらしい(日高町 (兵庫県) - Wikipedia)。

この旧日高町の中心部にある日高医療センターについて、現在の建物が耐震基準を満たさない等の問題をきっかけに、今後のあり方を検討する委員会が開催されていた。


日高医療センターのあり方検討委員会 - 公立豊岡病院組合立

日高医療センターは、眼科医療が充実しているという若干特殊な病院であるものの、議論されている課題感は多くの少子高齢化が進む地域の自治体病院と同じであり、非常に参考になる。


アクセスの問題等、おそらく地域住民から反対があるに違いない。しかし、財源が限られている以上、集約化の議論は避けられない。もしこの方向性に真っ向から反発するのならば、財政的な負担や、場合によっては医療従事者確保の難しさに起因する医療の質低下を受け入れなければならないかもしれない。

報告書の内容について、簡潔にまとめられたものが広報誌にも掲載されていた。


多くの地域がこのような現実を受け入れなければならないのかもしれない。この選択を先延ばしすることが最善策ではなく、むしろ、早く決断した方が今後よりよい医療を受けられる可能性が高まるように思う。

病院へのアクセス等で反発する気持ちは分からなくもないが、反発するには受け入れなければならないデメリットもあるということを理解し、ある意味、覚悟を持って反発しなければならない。

日高を出た後に向かった舞鶴(先日のセミナーで病院再編の事例として話題に)
写っている病院は舞鶴共済病院