2016/12/01

『効率性係数への一本化』は2025年問題への好手

昨日、CBnewsに記事を掲載いただいた。今回は機能評価係数Ⅱのインセンティブにフォーカスし、効率性係数に一本化した場合のシミュレーションを行った。

シンプルなインセンティブの方が病院は動く | 医療経営CBnewsマネジメント

病院が「動く」と、やや上から目線になっているかもしれないが、こちらが動かしてやろう、病院は従うものだ、という意図ではない。適切な評価体系にすれば、適切な努力をするという意味であり、すなわち、それは現状努力をしているのに、報われていない病院があるのでは、という意味でもある。

効率性の追求には、病院側に大きな負担を強いる。人的負担の増大に代表されるように。医療は、製造業のように生産ラインにものを流すスピードを上げたり、稼働時間を延ばしたりすれば、勝手に製品が出来上がるものではない。そこには多くの人の手を介する業務がある。また、電子カルテシステムの導入などによる効率化の余地もあるが、それも何かしら病院側の負担を要するものだ。

医療の効率性向上の議論は、医療財政の悪化に対し、病床過剰地域での在院日数短縮などが改善余地として挙げられていることが多い。もちろん、それも重要である。個人的には、それ以上に重要なことが、2025年~2040年までの首都圏で起きる問題への対処だと考えている。今後、東京周辺の首都圏では、高齢化の進展に伴い、急性期医療のベッドが不足する想定である。ベッドを増やすという解決策もあるが、それはすでに高齢化が進んだ地域の状況を見れば、増やしたベッドに苦慮しており、長い期間を見た場合に最善策と言えないことは明らかである。現状の限られたベッドをいかに活用するか、効率的な医療提供は極めて優先順位の高い解決策であると考えている。

だからこそ、今、効率性の向上に対し、真摯に努力している医療機関は最大限評価されるべきである。

・・・というようなことを考えながら、今回の記事を書いた。(そのような真意をご理解いただければ、やや上から目線であることにはお許しをいただけるのでは・・・と信じている)