医療、福祉に貢献するために

医療、福祉に貢献するために
~ 株式会社メディチュア Blog

2017/10/21

整形外科病棟の看護必要度は必ず低いとは言えない

整形外科病棟の看護必要度と在院日数の関係について、7対1の143病院で評価してみた。(疾患構成を無視するため、Nをある程度増やしている)

病床機能報告(2016年度、13都道府県のデータ)による
7対1入院料を算定している整形外科病棟の看護必要度分布

平均在院日数が20日を超えると看護必要度が20%未満の施設(黄・オレンジ色)が増える。
15日未満だと看護必要度が25%以上の施設(青・水色)が増える。

整形外科病棟だからといって、看護必要度の足を引っ張るのではない。高回転化できれば、病院全体の看護必要度向上に貢献する。逆に言えば、高回転化しなければ厳しい。

次期改定がどうなるのか定かではない。ただ、いかなる改定であっても、高回転化を意識せざるを得ないだろう。看護必要度の分析結果から見えてくるのは、整形系の疾患は、特に高回転化を意識する必要性がありそうだ、ということである。

2017/10/19

ビジュアライゼーションの続き

さきほどの分析画面で、右画面で160800xx01xxxxのコードを選択した例を示す。

160800xx01xxxx 大腿骨頸部骨折 01手術ありを選択した場合の画面
(クリックすると拡大します)

左上の大学名が示されている青緑色のバブル画面において、左上から右下に直線的に大学が並んでいることが分かる。転院率が高いほど在院日数が短く、転院率が低いほど在院日数が長くなっていることを示している。

大腿骨頸部骨折の術後、転院させるか否かは、大学病院によって大きなばらつきがある。当然といえば当然だが、可視化してみると興味深い。

※病院情報の公表、2016年度実績を用いて分析している。そのため、各病院の掲載データの信頼性等に不安があり、当分析は参考であることをご理解いただきたい
診療科名がおかしい(漢字ミス??)、データがおかしい(平均在院日数が1000日を超えている??)、「ファイルダウンロード」のボタンを押してもダウンロードできない(頻発!!!!)、などなど、不安要素がいっぱい

データビジュアライゼーションのサンプル

病院情報の公表データを用いた分析事例。
大学病院本院のデータを使って効率性の可視化を行ってみた(横軸は在院日数の短さ。左ほど短く、右ほど長い。縦軸は転院率)。まだ基になっているデータ(診療科ごとのDPCコード上位5疾患)の精査が出来ていないので、あくまでも参考データ。

左上のグラフの大学病院のバブルをクリックすると、連動して、左下に診断群分類別の詳細データ、右にDPCコード別のデータが示されるはず。

右のDPCコード別のデータをクリックすれば、そのコードの大学別のデータが左上に表示されているはず・・・。

Power BIの使い方がよく分かってないので、おかしなものが表示されてもお許しを。



2017/10/15

急性期病院の稼働率が低下する訳

日本全体をマクロに捉えた場合、急性期病院の稼働率が低下している理由にはいくつかある。そのひとつが「低侵襲化」であると考えている。

例えば、胃がんの手術症例(外科的手術と内科的手術をあわせて見ている)の平均在院日数は、DPC算定病院においては、18日程度(2012年度)だったものが、16日(2015年度)と年々短縮している(グラフ1 参照)。

グラフ1 胃がん平均在院日数推移

在院日数の短縮には、次の2つの理由がある。

① 同じ術式での在院日数の短縮
② 在院日数の短い術式の選択増加

この2つについて、それぞれデータ分析結果を示しながら考えてみよう。

① 同じ術式での在院日数の短縮

DPCコードに従って、開腹、腹腔鏡、試験開腹の外科手術3つと内視鏡手術の計4つについて、それぞれの平均在院日数の推移を見ると、2012年度からどの術式も在院日数が短縮している(グラフ2)。
グラフ2 胃がん術式別在院日数増減比

このような術式別に見た場合の在院日数短縮は、DPCの階段状の逓減性の点数設定や、効率性係数への影響、看護必要度の厳格化等によるプレッシャーによるものと考えられる。また、医療機関個別では、術前検査の外来化や、術後の早期退院などの取り組みがなされたものと思われる。

② 在院日数の短い術式の選択増加

術式別に平均在院日数を見ると、開腹24日、腹腔鏡17日と1週間の開きがある。また、内視鏡手術は9日台と、腹腔鏡よりさらに1週間短い(グラフ3)。

グラフ3 術式ごとの平均在院日数(2015年度)
2012年度~15年度までの術式別の症例数推移を見ると、年々内視鏡手術の患者が増え、外科的手術の選択が減っている(グラフ4)。
グラフ4 胃がんの術式別症例数比率推移

このように、内科的手術のような在院日数の短い術式の選択割合が高くなれば、全体の平均在院日数は短くなる。また、外科的手術においては、開腹・腹腔鏡で1週間の在院日数の違いがある。開腹手術は減る一方で、腹腔鏡手術の比率は高まっている(グラフ5)

グラフ5 胃がん 開腹・腹腔鏡の選択比率推移
グラフ4、5は比率で見たが、症例数で見ても、内視鏡手術や腹腔鏡手術は増加し、開腹手術は減少していることが分かる(グラフ6)。

グラフ6 胃がん 術式別症例数推移

このような2つの理由から、在院日数が減少すれば、結果として稼働率の低下は避けられない。医療技術の進歩は、よりよい医療を受けることができ喜ばしい。ただし、マクロで見れば、病院経営を不安定にさせる要素もあると言えるかもしれない。難しい問題である。

2017/10/14

7対1は減らない(後半)

「7対1を減らす」ことを目的とするのではなく、現場の負担と努力に応じた報酬を設定し、「アウトカムを達成するために必要な看護配置を行う」ことを目指すべきである。

近未来的な夢物語を言えば、ある医療機関がモニター類の革新的な高度化を図り、現場の負担を大幅に軽減し、少ない人手で医療安全・医療の質の向上を実現したとする。しかしながら、現行の評価制度が続くならば、看護師の数を減らすと収入が減ってしまう。質の向上を実現していたとしても、である。

このような「アウトカム」よりも「配置」に重視を置いた評価制度は、革新的な技術導入に対する意欲を低下させるだけでなく、近年極めて煩雑さを増す各種記録の義務付けに対し、看護配置の多い病院がそれを受け入れている原因にもなっていると思う。(アウトカムの達成に必要なのは記録でないが、記録に必要なのは余裕のある配置だから)

より良い医療を受けるためには(より良い医療提供を促すためには)、配置よりもアウトカムに重きを置くべきである。

 昨日からの話の続きになるが、現実的には、看護必要度の評価についてA項目とC項目により重きを置き、徐々に7対1と10対1をシームレスにしていくのが良いと思っている。シームレスにする方法の例として、次の2つを挙げる。

 ①看護配置に重きを置かない「短期滞在手術等基本料3」の対象拡大

7対1でも10対1でも、診ている疾患・治療が同じであれば、診療報酬は同じにすべきである。参考になるのは短期滞在手術等基本料3だ。これは定められたいくつかの手術を行い5日以内の入院であれば、どの看護配置の病棟で入院しても、同じ診療報酬になる制度だ。つまり看護配置はまったく関係ない。つまり、このような疾患・治療を拡大していけば、実質的に看護配置の重みは薄れていくことになる。

 ②看護必要度の評価を反映したDPC点数の設定

DPC制度では、医療資源投入内容に応じて階段状の点数が設定されている。現在、Hファイルとして看護必要度の情報を収集していることを踏まえれば、各疾患・治療に応じた看護必要度の情報が得られているはずである。この看護必要度の情報に基づき、階段状の点数を上下させてみてはどうだろうか。「7対1だから係数で10%上乗せ」ではなく、「○○の疾患は看護必要度の評価が高いから点数にXX%上乗せ」というようなことになれば、看護配置は関係なくなる。

このような疾患を徐々に拡大してくことで、看護配置の重みは薄れていくことになる。この2つの案のように看護配置に重きを置かない評価制度に移行するのであれば、粗診粗療を避ける仕組みが重要になる。再入院などの評価や、医療安全に対する評価などを充実させることが不可欠だろう。患者が求めていることは、他病院よりも看護師が多いことではなく、他病院よりも良い医療が受けられることである。これは現状看護師の教育等が充実している病院を評価することにも通じると考えている。現状は「配置」に極めて重きを置いているが、医療安全等の対策はかなり実力差があると思っている。このようなことを評価しなければ、患者がより良い医療を受けることはできない。

『「7対1を減らすこと」が診療報酬の適正化につながり、国民がよい医療を受けられる』というロジックは一見正しいことのように思う。しかし、7対1が減らない以上、別のロジックを考える必要がある。それにはアウトカムを重視した報酬制度に徐々に移行していくことで、医療機関がさらなる質の向上を意識し看護の充実(≠看護配置の充実)を図ることになるだろう。結果的にIoT等の技術的な革新を活かすことにもつながるはずである。

2017/10/13

7対1は減らない(前半)

興味深いレポート。
7対1病床が10対1からの転換などで増加 - CBnewsマネジメント 7対1病床が10対1からの転換などで増加 - CBnewsマネジメント

以下、私見。
7対1が減らない3つの理由

①就労環境が良好
②医療安全等も含めた医療の質で有利
③7対1を死守するのは経営的に必然

これらの理由で、急性期病院はみな7対1を目指す。そして、目指すことは悪いことではなく、前向きな評価されるべき経営努力である。

にもかかわらず、7対1を減らしたがっている(少なくともそう感じる改定が繰り返されている)のは、行政側が現場を理解できていない(or 病院団体がうまくかわしている)と思ってしまう。7対1が減らない3つの理由について、少し細かく考えてみたい。

①就労環境が良好

7対1の要件は、平均在院日数(疾患構成に強く依存しているものの、クリアすることは比較的容易)や看護必要度(これも疾患構成に依存。現状は高齢者の比率が高いほどクリアが容易)などである。7対1も10対1もこれらの要件の状況は似ている(10対1でも在院日数が短い病院は珍しくない)。これらをクリアしているのであれば、10対1よりも7対1のように、看護配置を手厚くした方が、現場が円滑に回る。

円滑に回るということは、就労環境として相対的に良好であり、看護師確保に有利となる。看護師確保が難しい地域では、10対1よりも7対1を目指す(周辺病院が7対1ならなおのこと)。

②医療安全等も含めた医療の質で有利

看護師確保に有利であれば、相対的に優秀な人が集まりやすい。医療の質向上にも貢献する。また、そもそも看護配置が手厚い時点で、医療安全等において有利である。

③7対1を死守するのは経営的に必然

7対1と10対1で比較した場合、7対1にしたら病院経営が圧倒的に改善するわけではない。しかし、7対1の配置に近い看護師を確保している病院であれば、7対1を算定できるようになれば収入は激増する。否が応でも7対1を死守する(病院の経営改善の努力をするのは、働き手に相応の賃金を払い、医療機器等の維持・充実を図るために、当然のこと。稼ぐことは悪でなく、稼ぐことは医療の質向上にプラス)。


以上3つの理由を述べたが、看護必要度のような「看護配置」の必然性に対し評価をもたらすであろう指標が、現状は不適切であるがゆえに、これらの3つの理由から、みな7対1を目指し維持するのだ。

適切な診療報酬を設定するためには不適切な看護必要度の指標をどう変えればよいか。 ※ 看護協会を中心とした長年の研究に基づく看護必要度の評価自体は重要であり、否定しない。診療報酬や病床機能分化の誘導に使おうとすることには限界がある

「看護配置に関係なくアウトカムで評価していくこと」が究極的なところにあるとするならば、看護配置を定めるための看護必要度は不要であるといえる。ただ、あくまでも極論である。現実的には、A項目とC項目により重きを置いた評価をし、徐々に7対1と10対1をシームレスにしていくのが良いと思っている。

シームレスにしていく具体的な方法については、明日、述べたい。

2017/10/12

アウトカムとファクターの対比

コンテンツもビジュアル的にも興味深いウェブサイト。

County Health Rankings & Roadmaps County Health Rankings & Roadmaps

アメリカの各州について、郡ごとの健康に関するアウトカムとファクターのランキングをしている。アウトカムとファクター、それぞれのランキングについて、地図を2つ横並びで表示しているおかげで、各エリアの特徴が分かる見せ方は非常に興味深い。
ランキングについては是非があるかもしれないが、そのランキングシステムについても詳細な説明がされている。


2017/10/11

集約化に必要な情報の非対称性解消

ダヴィンチのようなロボット支援手術システム等の最新技術導入が、病院間の患者確保競争や施設集約化にどのような影響を及ぼすかをテーマにしたLancetの論文。

Effect of patient choice and hospital competition on service configuration and technology adoption within cancer surgery: a national, population-based study - The Lancet Oncology Effect of patient choice and hospital competition on service configuration and technology adoption within cancer surgery: a national, population-based study - The Lancet Oncology

がん診療の質向上に施設の集約化を図ろうとしても、ロボット支援手術の導入のように、病院の努力によって、患者はそちらを選択してしまい、意図していない病院間の患者確保競争が生じてしまっていることや、患者が病院を選ぶクオリティ・アウトカムの明確な違いが示されていないことなど、非常に興味深い。

集約化を進めるには、地域医療構想のような大きなビジョンだけでなく、医療の質の透明性確保も重要であると感じた。

2017/10/10

nudge に関心が集まるか

ノーベル賞に詳しいわけでも、極めて強い関心を持っているわけでもないが、今年の経済学賞は、Richard H. Thaler教授とのこと。

ノーベル経済学賞、セイラー教授の受賞理由 | 市場観測 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 ノーベル経済学賞、セイラー教授の受賞理由 | 市場観測 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

2年ほど前に、著作を読んでいる。

CVSのタバコ販売打ち切りのその後。ジャンクフードはどうなる?? - 医療、福祉に貢献するために CVSのタバコ販売打ち切りのその後。ジャンクフードはどうなる?? - 医療、福祉に貢献するために

行動を変えるのは難しい。正しい知識があっても、である。

2017/10/08

組織の力

昨日は飯塚病院のTQM発表大会に。

TQM発表大会のご案内|TQM活動|飯塚病院 TQM発表大会のご案内|TQM活動|飯塚病院

何年か前にMMオフィスの工藤氏と一緒に参加させていただいたのをきっかけに、それ以降、毎年、聞きに行っている(特別な立場でなければ参加できないイベントではなく、誰でも申し込めば参加できる。自分も普通に申し込みして参加)。

毎回新しい発見があり、刺激をもらっている。参加の回を重ねてくると、他病院では一朝一夕で真似できないところが具体的に分かってくる。また、時代のニーズにあわせて、進化させている内容も興味深い。そして、参加する度に確信を強めていることは、個々人の能力の積み重ねでパフォーマンスを発揮するだけでなく、「組織力」をいかに高めパフォーマンスを発揮するかということに努力できるかが重要ということだ。

「チーム医療」とて、特定の個人や才能に依存していれば、それを失った瞬間に機能しなくなる。強い組織は、そうなっていない。システムとして機能できるように考えている。今年は歯止め(フォローアップ)の報告を聞きながら、100年続く組織だからこそ「組織力」がしっかりと根づいているのだな、と感じ、また、最後の講評などを聞きながら、100年続く組織のトップは未来に向けたビジョンを掲げ、力強いメッセージを発するのだな、と感じた。

2017/10/07

地域包括ケアシステム・地域医療構想での救急医療体制の議論

先週の岡山での話題でブログに書いた救急の件(波平54歳、大人気)、日経メディカルのウェブサイトのコラムで8月に読んでいた(どおりで、自分の中で課題感が明確だったわけだ)。

地域包括ケアシステムに抜け落ちた救急医療:日経メディカル 地域包括ケアシステムに抜け落ちた救急医療:日経メディカル

こんな時間でも救急車の音が鳴り止まない地域の基幹病院の前で、このことをふと思い出した。

先週の岡山県地域包括ケアシステム学会のシンポジウムの中で、
具体例として挙げられていた福岡県飯塚市のサンメディラック飯塚
(昨年の秋、前を通ったときに撮った写真)

サンメディラッック飯塚の2階に夜間急患センターが入っている

2017/10/05

ニューラスタ(ジーラスタ)のCMが

CNNでNeulastaのCMが流れてきた。

G-CSFのCM?? と思ったが、「ケモセラピーの翌日、注射のためだけにクリニックに行かなくてもいいんです。家でいいんです。Neulastaで感染症や入院のリスクを減らせるんです」みたいなナレーションが。

Neulasta® (pegfilgrastim) Onpro® On-body Injector Neulasta® (pegfilgrastim) Onpro® On-body Injector

クリニックでの受診と注射を減らし(医療費も抑えられるはず)、家で過ごすことができるメリットもある。それと新しい薬代を天秤にかければ、新しい薬の方が良いと考える人が少なくないということなのだろう。だから、CMを流しているものと思われる。

腕にペタッと貼った機械が、24時間くらいかけて徐々に注入してくれるようだ。何だ、このすごい仕組みは!?(知らないのは自分だけか??) こういった機器が出てくると、色々な薬剤に応用が利くのでは?と思うのだが・・・。

2017/10/04

NDBオープンデータの活かし方

NDBオープンデータの分析の話をCBnewsに掲載いただいた。
記事では、NDBオープンデータが公表される以前から、社会医療診療行為別統計に似た情報があることも紹介した。病院経営に役立つ情報が得られるよう、目的に応じ様々なデータを使えるようになることは、分析の能力のひとつだと思う。

ちなみに、先日開催されたCBnewsのセミナーでは、NDBオープンデータの分析結果から、もう少しマニアックな経営改善に対する都道府県別の積極性などが定量評価できることを話させてもらったのだが、今回の記事では触れなかった。この話題は次々回あたりで記事に書こうと思う・・・。

2017/10/03

波平54歳、大人気

第2回岡山県地域包括ケアシステム
学会学術大会
一昨日は第2回岡山県地域包括ケアシステム学会学術大会に。診療報酬改定の議論ばかりを気にしていると、どうしても近視眼的になりがち。地域包括ケアシステムの深化・推進へ向けてという大会のタイトルからも分かる通り、内容は2025年、2040年を見据えた大局的な話を聞くことができた。

シンポジウムで会場から挙がった救急の受け入れ機能の件が、個人的な興味とも一致していて、良かった。地域医療構想において「病床数」ばかりに注目しがちだが、システムとして全体最適を考える場合は、様々な「機能」に思いを馳せるべきで、あくまでも「病床数」は機能のひとつだと理解している。病床数の需給バランスを最適化した結果、何かを失うことは避けなければならない。(ある程度データで見られている入院につながるような救急ではなく、一次救急などの議論が難しいように思う)

gakujututaikai - 岡山県地域包括ケアシステム学会 gakujututaikai - 岡山県地域包括ケアシステム学会 

余談だが、表題の「波平」はサザエさんの波平で、世帯構成の話などには持って来いケースなのだろう。昨日の学会で何回か登場していた。説明を聞く側としても分かりやすかった。
昨日の学会では登場しなかった桃太郎
波平の方が人気だった!?

2017/10/01

経営改善のノウハウが詰まった議事録

8月に傍聴した東京都の都立病院経営委員会の議事録・資料が開示された。

第3回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会 (平成29年8月1日開催) | 都立病院経営委員会 | 報告書 | 東京都病院経営本部 第3回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会 (平成29年8月1日開催) | 都立病院経営委員会 | 報告書 | 東京都病院経営本部

傍聴後の感想をブログで書いたが(病院経営改革の話が聞けるんです、しかも無料で)、自分の偏見が入ってしまっているので、それを避けるには、議事録をご覧いただいた方が好ましいだろう。

一部、印象的だった箇所を引用する。

まず、末永アドバイザーの講演。刺激的な内容で非常に勉強になった。ブログで言及したPFIに関する意見のところを引用した。
PFIをやっているところが苦労をしているところを見ますと、PFIについては厳しい見直しをしないと先生方の努力、いろいろな努力をしても報われないんじゃないかというようなことを感じます。先生方も聞かれているかもしれませんけれども、かつて諸橋先生という有名な先生がいまして、この先生は自治体病院協議会の会長と日本病院会の会長をやっていて旭中央病院の院長をやっておられた先生です。その先生はいつも「入るをはかりて出ずるを制す」と言われていたといいます。その出る部分というのは、例えばいろいろありますけれども、きょうもいろいろ話題になっていますが、例えば薬を買ったり、あるいは診療材料を買ったり、あるいは医療機器を買ったりという出ていくほうですね。そこのところでの安く買ったりするというのは、経営努力だと思っています。私どももかなり厳しくやっております。
そういうところをPFIに任せ切ってしまって、そこでの部分、本来的には病院に来てもいい部分をそちらのほうに持っていかれるという部分についてはやっぱり見直す必要があるんじゃないかなと。要するに、いろんな問題点を出されましたけれども、正直言いましてPFIでもしこのまま行くとすると、売り上げを上げる以外、経営効率を上げるという方法は全く見当たらないんです。SPCのほうに大分取られてしまったりという部分があるんではないか。
出所: 第3回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会議事録http://www.byouin.metro.tokyo.jp/hokoku/kaigi/documents/290801_kentoubukai03_giziroku.pdf

「PFIに任せきってしまって」という言葉は、話の流れを考えれば「経営努力放棄」とも受け取れる。医師は医療に専念し運営はプロに任せるという本来の趣旨を考えれば、任せることは決して悪いことではない。しかし、「本来的には病院に来てもいい部分をそちらに持っていかれる」とおっしゃられている懸念は、全体のマネジメントがうまく働いていないことを示唆しているように思った。

そして、正木アドバイザーの意見は時速165kmのど真ん中へのストレートみたいな鋭さだが、印象に残ったもののひとつとして、公立病院の経営改善の根本を考えさせられる次の意見だ。
行政的医療って私は初めて聞きましたけれども、こういう言葉があったんですね。今、お話を聞いていますと、400億円は正当な金額だというお話が私にはひがみで聞こえたんですけれども、これを400億円を正当化していくと、本当に都立病院、これから先、一体何をしなきゃいけないのかというときに、全く見えてこなくなるんじゃないかと思うんです。いや、これでいいんですよという話だったら、別に私たちも委員会として参加する必要もありませんし、これをどうにかしたいからということでお集まりになったんじゃないかと思うんです。今、実際400億円ですと、これから先、いろんな意味で診療報酬改定からいろんなものが上がってきたときに、病院の改善をしていないとすれば、400億円が500億円なり、500億円が600億円なりと、これはもう本当にすぐそういった金額に上がっていくと思う。それが都としては許されるんであるということであるんだったら、議論も何もする必要はないし、これが行政的医療で当然必要だということで、肯定的であるんだったら、私は何も議論ないと思うんですけれども、ただ、これが本当に行政的医療でかつ正しくて400億円投入しなきゃいけないのかというのを、やはりもっと分析して、本当に何が必要で何が必要でないのか。大体病床があり余っているというところの問題は何も解決しなくて、そういう意味ではいろんなものをお金さえ投入すればそれは全部行政的医療だという話だったら、何の解決も多分ないんじゃないかなと思うんですけれども。
※ 平成28年度における都立病院全体の繰入金総額 399億7,800万円
出所: 第3回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会議事録http://www.byouin.metro.tokyo.jp/hokoku/kaigi/documents/290801_kentoubukai03_giziroku.pdf
正木アドバイザーは、6月のときも鋭い意見が多い。特に済生会熊本、横浜市東部病院の話は、具体的な数値も示されている。病院経営に対する考え方そのものが興味深い。

第2回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会 (平成29年6月14日開催) | 都立病院経営委員会 | 報告書 | 東京都病院経営本部 第2回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会 (平成29年6月14日開催) | 都立病院経営委員会 | 報告書 | 東京都病院経営本部

この議事録を整理したら(そのままでも良いが)、病院経営の書籍・読み物として、かなり価値があるように思う。雑誌等で見かける対談などで語る一般論と違って、明確にされた対象に向けたアドバイスなり意見なので、非常に強いインパクトがある。

2017/09/28

175,000床のデータで示せた・・・

7対1と10対1だけで1000近くの病院を対象に分析し、CBnewsの記事(同じ看護必要度でも7対1と10対1では患者像は異なる - CBnewsマネジメント)の検証を実施。

一応、想定通りの結果が得られた。細かい説明は省くが、看護必要度が25%以上の施設だけに絞り込んだら、10対1の「A2点以上かつB3点以上」のヒストグラムが大きく変わった。(7対1より高い値で分布している)

【全施設】
7対1、10対1の看護必要度 施設分布

看護必要度全体が25%以上の病院のみ
7対1、10対1の看護必要度 施設分布
2県分から12都道府県分の病床機能報告データに対象を広げたが(病院数は約10倍に。1000病院、4000病棟弱のデータを分析)、仮説は間違ってなかったようだ。また、CBnewsの記事では触れられなかった10対1でバリバリ手術病院の存在も確認できた。

この分析を通じて、都市部と地方部の違いなど様々な示唆を得ることができ、まだまだ分析したいことがあるのだが、時間的に厳しいか・・・

2017/09/27

入院収入は増収? 減収?

直近の医療費の動向データ(平成28年度 医療費の動向-MEDIAS-|厚生労働省)を基に、都道府県別に入院医療費の増減を見た。

2016年度入院医療費の増加率(2015年度比)
緑:増加 黄:増減なし オレンジ:減少
※都道府県別データを基に、隣接する都道府県のデータが連続であることを仮定し
等高線で塗り分けているため、特定の市町村の増減を意味しているわけではない

2016年度は増収減益の病院が多いと思われるが、地図を塗り分けても緑色(増収傾向)のところが多くなった。一方、九四国・東北の一部は減収となっているところもある。増収でも減益になってしまうという直近の病院経営環境すれば、減収は大幅な減益となっている可能性が高い。このような地域性は個別医療機関の努力範疇を越えた経営環境の悪化と理解すべきだろう。

2017/09/24

地域包括ケア病床や療養病床がデータ提出していれば、いずれたどりつく先は・・・

昨日のCBnews社主催のセミナーでプレゼンに使った、大学病院本院の肺がん・肺炎・誤嚥性肺炎の症例数に関するグラフ。

DPC公開データ(2015年度実績)を基に作成

セミナーで武久先生・仲井先生の話を聞いていたら、誤嚥性肺炎に対し、受け入れ能力とアウトカムで評価したら、非常に努力している地域包括ケア病床や療養病床はもっと高い評価を受けていいように思えて仕方なくなった。

CBnewsの記事(新入院確保へ3つの「広げる」と地域とのバランス - CBnewsマネジメント)でも書いたが、大学病院で誤嚥性肺炎を診ることが悪いといいたいのではない。地域から請われ、救急医療に尽力している病院なども少なくないからだ。ただし、DPC制度下、大学病院は医療機関別係数が高く、大学病院に長期間入院していれば、医療費は相対的に高くなっている可能性がある。ちなみに大学病院本院の誤嚥性肺炎の平均在院日数は20日を超えている。入院初期は大学病院で診るとしても、状態に応じて、周囲の急性期病院に転院させるといった対応もできるのではないだろうか。(送る側・受け入れる側、双方に負担がかかることも十分承知しているが、すでにそういった対応をしている地域があることも知っている)

中林先生は看護配置から内容に重きを置いた評価になるだろうと言っていた。また、多摩川病院の矢野先生は、数年前まで全床介護療養だった病院で、地域包括ケア病床等に機能転換し、軽度~中等度の急性疾患は診れるようになったとおっしゃっていた。

地域包括ケア病床や療養病床で診ている患者と同じ疾患・病期・病態の患者を7対1・10対1等の急性期病棟で診ている場合の評価は下がっても仕方ないように思うが、次の改定までに議論に耐えうるデータが出て来るだろうか。中途半端なデータでは、強い反発も想定されるだけに、質的に充実したデータを示すことが求められるはずだ。

昨日のセミナー、貴重な機会をいただけたことに感謝するとともに、自分以外の4人の先生の話が非常に参考になった。(ただ、内容を微妙に変えながらの3日連続セミナーは、ちょっと体力的にきつかった)

2017/09/22

需要減少時代における新入院患者確保戦略展開の留意点

CBnewsに新入院患者の確保に関する記事を掲載いただいた。
とは言っても、よくありがちな「集患戦略」というような視点ではなく、医療需要減少時代における戦略展開の留意点を述べさせてもらった。データ分析も独特な観点のものを示したつもりだ。

あるクライアントでは、数年前からこの切り口でのデータ分析結果を見せ、戦略を立てる際の参考などにしてもらっている。また3つの「広げる」考え方は、昨年は国立大学病院向けの講演で話をさせていただいた。つまり、今回のCBnewsの記事は数年温めていた内容とも言えるのだが、診療報酬改定の議論本格化を前にあえてこの内容をテーマにしたのは、診療報酬による誘導だけで、地域の医療システムの最適化を促すことには限界があり、地域医療構想等の概念が重要であるということを述べたかったためである。

余談だが3つの「広げる」。プレゼン用のスライドもあるのだが、3つを3次元に置き換えて、立体的にきれいに見せたい・・・と思ったものの、自分にビジュアル的なセンスがなく、イマイチな資料になってしまっている。残念だ。

2017/09/21

再入院率減少プログラムは個別医療機関の対策を超えている

COPDの再入院率減少プログラムについて話を聞いてきた。アメリカでは入院報酬の包括払い制度において、再入院率に応じたペナルティの制度が始まっている(詳しくは下のリンク参照)ことや、再入院費用自体が包括化されてしまうことが背景にある。再入院率を減少させることは病院経営に直結するため、重要な取り組みとして認識され始めているのだ。

取り組み自体は、下記のレポートを参照いただきたいが、要は、病院に入院中の患者に対する取り組みは、取り組み全体のごく一部で、様々な職種が長期間にわたって接触し、取り組みを行っている。


日本の現状にあてはめると、かかりつけ医やかかりつけ薬局の努力が入院診療報酬の向上につながるような状態になっている。

もし、再入院率減少に対するインセンティブを日本でも導入しようとしたら、現状の日本の診療報酬制度において、アウトカムでかかりつけ医・かかりつけ薬局・他院と自院に対し同時に評価するようなものはない。(ストラクチャーやプロセスでは評価する制度がある。周術期の口腔ケアや、感染対策防止加算等)

再入院率減少策をより効果的にするにはアウトカム評価が重要であり、その取り組みが広い領域・多職種にわたることを考慮するならば、既存の包括化(1日の入院包括化、1入院の包括化)の概念を越えた1エピソードの包括化などの新しい報酬制度が必要かもしれない。また、その場合に、かかりつけ医・かかりつけ薬剤師・病院間の利益配分などの新しい考え方が必要になるかもしれない。

ちょうど、先日、NEJMに再入院リスクに関して、患者の影響を排し病院の影響を独立評価できるかどうか検討した論文において、病院のクオリティの高さが、患者ファクターとは独立し、再入院率に貢献していることが示唆されたと述べられていた。(下記参照)

Hospital-Readmission Risk — Isolating Hospital Effects from Patient Effects — NEJM: Special Article from The New England Journal of Medicine — Hospital-Readmission Risk — Isolating Hospital Effects from Patient Effects

再入院率を正当に評価することは、よりよい医療が受けられることに繋がるはずである。アウトカム評価の時代は着実に近づいてきている。

2017/09/20

日本では予防接種を薬局で打つような時代が来るのか?

ウォルマートの入口で見たインフルエンザの予防接種、今日打てますよという広告。


店内でさすがに写真は撮れないので入口から見たところまで。(入口から遠くを撮っているのでボケボケになってます・・・)


処方薬の受取か、インフルエンザの予防接種かどちらか分からないが、薬局の窓口の前には、二人ほど待っている人がいた。

ドラッグストアのWalgreensもTargetもCVSも、そして小売業がメインのWalmartも、薬局関連のサービス内容に差は見られない。

日本の今後を想定する上で、面分業が進むのであれば、こういった形態の進化系・・・となるのだろう。ただここ最近の日本の薬局の動きは、門前から敷地内・門内へ勢いが活発化しているだけに、処方薬は門内・院内に、在宅対応もそちらで・・・という方向もありえるように思う。診療報酬次第で、ドラッグストアでは、調剤スペースを割き、薬剤師を配置するよりも、化粧品などの高利益率の商品を充実させるという方針も十分にありえるのではないだろうか。

かかりつけ薬局の推進や薬局での簡易検査実施などの延長線上にミニッツクリニック開設や予防接種実施が考えられると思っていた。しかし、門内薬局等の議論動向を見ていると、直近はそちらの議論に終始してしまい、本質的な受療行動を変えるような大胆な改革には至らないだろう。

Flu Shots - Walmart.com


2017/09/19

ズッキーニは麺に、カリフラワーは米に、えんどう豆はハンバーガーのパティに

昨日の続きのホールフーズマーケットで見かけたもの(正確には探したもの)。

・ビヨンドミート (Products | Beyond Meat - The Future of Protein™)
・ズッキーニヌードル
・カリフラワーライス

Beyond Meatはガイアの夜明けか何かのテレビ番組で見かけて気になっていたもの。ズッキーニヌードルやカリフラワーライスは雑誌かネットで知って気になっていたもの。

Beyond MeatのTHE BEYOND BURGERはハンバーグなどが並んでいる冷蔵ケースにおいて、結構目立つボリュームで陳列されていた。棚にも平積みにもなっていたので、相当力を入れて販売しているのだろう。

これら、単なる興味で特に深い意味はないが、病院食などで特色を出す余地として、参考になるかもしれない。

Pinterest で大人気のZucchini Noodlesレシピ Pinterest で大人気のZucchini Noodlesレシピ

2017/09/17

サービス提供者の包括化が進む未来を考える

アマゾンの買収による影響は、ホールフーズマーケットの入り口で見かけたこのポスター以外、正直、まだ分からなかった。
WHOLE FOODS MARKETの入り口で見かけたポスター
何もかもが「これから」ということをポスターが示しているように思う。

先週聞いてきた講演で、アマゾンとホールフーズマーケットの話題が出た。医療の世界がバリューベースドケアに移行し始めているものの、アメリカにおいて医療費の大半はFee for Serviceであり、Value-based Careの売上は10%にも満たないとのこと。小売業でたとえると、Value-based Careは一昔前のアマゾンのようなオンライン販売で、Fee for ServiceはWal-MartやTargetなど従来からある店舗販売のようなものだと。好きか嫌いかは別としても、オンラインの時代が着実に来ていて、アマゾンがホールフーズを買収したのは象徴的な意味を持っている。つまり、まだ売上の10%にも満たないValue-based Careではあるが、その時代が着実に来ており、それを好きか嫌いかは別としても、その時代に向け、何をすべきか、自分たちがどうありたいか考えるべきだ、というようなことを言っていた(勝手な理解なので、多少の認識ミスはお許しを)。

日本で言えば、出来高払いから包括払い(Fee for Serviceの置き換え)へのシフトが色々な領域で進んでいるが、さらにその先にはValue-basedな包括払いが待っているはずである。

そのために何をしたらよいか。何が起きるか。・・・サービス提供者の包括化が進む、なんてこともあり得るのではないだろうか。

2017/09/15

日本ならダメな広告?

ソルトレイクシティ国際空港で見かけたIntermountain Medical Centerの広告

ユタ州で最も包括的な心疾患ケアを提供する・・・って表現は日本では医療法の広告ガイドラインと照らし合わせると微妙か?

2017/09/14

国際化に「ピクトグラム」は有用

データ分析の勉強などが目的でソルトレイクシティに。


TOBACCO FREE ZONEは「タバコが自由に吸えるゾーン」ではなく、「タバコのないゾーン」。絵の通り、禁煙エリア。

敷地内禁煙、歩道にも表記が - 医療、福祉に貢献するために

台湾のようにNo Smokingとしてくれた方が直感で理解できるのは、自分の英語力の無さが原因。英語力は永遠の課題。そして、大人から子どもまで語学力の乏しさをある程度カバーしてくれるピクトグラムの素晴らしさを再認識。日本の病院でピクトグラムが充実しているところも多いように思う。オリンピックなどがきっかけでさらに充実していくことだろう。

2017/09/12

11月19日、日経ヘルスケア主催のセミナーをMMオフィス工藤氏と担当させていただきます

11月19日、MMオフィス工藤氏とセミナーを担当させていただくことに。前回改定の直前の第1回からすでに3回開催させていただいた。毎回、貴重なご意見など頂戴でき、こちらが想定していないような質問を工藤氏にライブでぶつけることで、様々な視点や考え方を引き出すことが醍醐味だと感じている。

今回も、改定を意識しつつ、なるべく参加者の皆様が参考になりそうな質問をぶつけられるようデータ等の準備をしたい。

病院サバイバル時代の経営戦略 病院サバイバル時代の経営戦略

ちなみに、他の一般的な診療報酬改定とはまったく異なるテイストなので、その点はご留意を。

2017/09/11

都立病院経営委員会が今週14日に

第4回都立病院経営委員会が14日夕方に開催されるようだ。

第4回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会の開催について | 病院経営本部からのお知らせ | お知らせ | 東京都病院経営本部 第4回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会の開催について | 病院経営本部からのお知らせ | お知らせ | 東京都病院経営本部

さすがに急すぎてスケジュール調整ができない。前回聞いて非常に有益だっただけに、次回もぜひと思っていたのだが・・・。

前回の感想は下記に。
病院経営改革の話が聞けるんです、しかも無料で - 医療、福祉に貢献するために 病院経営改革の話が聞けるんです、しかも無料で - 医療、福祉に貢献するために

お時間の都合がつく方は傍聴されてみてはいかがだろうか。(表題だけでは、どのような内容の議論をされるのか把握しかねるが・・・)

2017/09/09

看護必要度をメインテーマにしたセミナー

今日は看護必要度をメインテーマにしたMMオフィス工藤氏と、元同僚の上村氏のセミナーに。


上村氏は自分にとっての看護必要度データ分析の先生みたいなものなので、現在の自分があるのは彼女のおかげ!?、である。

次回改定が未定な中で、どういった情報を見ていけば良いか、ベッドコントロールに対しどう考えれば良いか等、お二人の異なる観点から整理された内容を聞いて、自分の考えが非常にすっきりした。

また、工藤氏には弊社の資料をいくつか引用いただき、感謝。しかも、意外なことに、その資料の説明を聞いて、自分が考えていなかったことを教えてもらえた。

ちなみに参加者が70名を超える盛況ぶり。講師おふたりの魅力はもちろん、テーマがキャッチーだったのだろう。

2017/09/06

看護必要度の議論には、患者像、病院像に迫るデータの準備が必要だ

先月、中医協の入院医療の分科会を傍聴しながら考えていたことを書いた。

看護必要度の議論には、マクロな情報とミクロな情報をバランス良く揃えることが重要 - 医療、福祉に貢献するために 看護必要度の議論には、マクロな情報とミクロな情報をバランス良く揃えることが重要 - 医療、福祉に貢献するために

看護必要度の議論は、病院団体などを中心に「慎重に」という意見が多く出てきており(看護必要度見直しけん制、日病や日看協がタッグ - 医療介護CBnews)、主張している点は非常に良く理解できる。一方で、改定でまったく手をつけないことも考えにくいだけに、限られた時間で建設的な議論がなされることが重要だろう。

冒頭で引用した先月のブログ記事では、看護必要度の数値の散布図を見て、次のように述べた。
マクロな視点で、下記のような看護必要度が30%台後半、40%台の病院がある・・・ということが示されたのは面白かった。分科会では「スーパー10対1」といったように言われていたかと記憶しているが、このような病院の実態をミクロな視点で把握することは、何かしら参考になると思う。
ミクロな視点で捉えるべく、病床機能報告のデータから分析を試みた。その分析結果を交えながら、あるべき制度設計についてCBnewsの記事で述べさせていただいた。

同じ看護必要度でも7対1と10対1では患者像は異なる - CBnewsマネジメント 同じ看護必要度でも7対1と10対1では患者像は異なる - CBnewsマネジメント

かなり分かりにくい表現・分析結果になってしまったと反省しているが、いつもながら校正で大幅に見直していただき、何とか形にしていただいた。個人的には非常に興味深いデータで、多くの示唆を得ることができた。

議論はただ時間をかければよいのではなく、必要なデータを揃えた上で議論することが重要である。看護必要度の制度検討には、背景に患者の受療行動の変革や、行政の意識改革など、オペレーションを変えていくのに時間のかかる部分があることは事実だが、議論に耐えうるデータがないことを理由に制度検討自体に時間をかける必要はない。このような理由で慎重に議論を進めていれば、2025年、2040年はあっという間にやってきてしまうだろう。

2017/09/04

まるまる一冊の本をダウンロードできる病院ウェブサイト

患者向けに情報発信している病院は多い。
病院のウェブサイトがあるのはほぼ当たり前になっており、広報誌をウェブで配信しているところも珍しくない。また積極的なところではYoutubeなどで動画配信しているところもある。

何気なく見た大阪急性期・総合医療センター(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター)のウェブサイトで驚いた。

患者向けに書かれ、販売されている本がウェブ上で読め、ダウンロードもできる。
(下記サイトにダウンロードのリンクあり)

当センターの最新治療がわかる本 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター 当センターの最新治療がわかる本 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター

太っ腹!!!

この本に書かれていることはこの病院固有の情報ではないため、この病院に関係ない人でも参考になるだろう。また、中身を書いているのは医師だけでなく、看護師や薬剤師、検査技師、歯科衛生士など様々な職種の人たちが携わっている点は興味深い。

2017/09/03

大学病院の特殊性を示せなければ、さらなる効率化は不可欠

先日、DPC評価分科会の開催前に、厚労省案に対する私見を述べた。
カバー率は重み付けを軽くすべきでは

MMオフィス工藤氏が、分科会で討議された内容についてコメントしている。
同意見でホッとした(一緒に原稿を書かせていただいたり、工藤氏から少なからず影響を受けているので、当然といえば当然なのだが)。

なお、議事録等を見なければ、はっきりと言うことはできないが、効率性について、大学病院は重症な患者を見ているから在院日数を縮めるのは難しいといった意見が出たようだ。しかし、これにはエビデンスが必要だろう。むしろ、大学病院は同じ疾患を見ていても若年層が多く、全身状態は悪くないことも考えられる。特に、重症度、医療・看護必要度の尺度で言えば、大学病院こそ現状の25%が厳しいという話も聞いている。それだけに「議論に耐えうるエビデンス」が示されることが望まれる。(大学病院の特殊性を提示できれば、大学病院にインセンティブが与えられるはずであり、その苦労は決して無駄にならないと思う)

2017/09/01

カバー率は重み付けを軽くすべきでは

今日午後開催予定のDPC評価分科会。資料がアップされている。

中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)審議会資料 |厚生労働省 中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)審議会資料 |厚生労働省

資料を見ると、機能評価係数Ⅱについて、救急医療係数の評価およびⅠ群・Ⅱ群の重み付けの議論がなされるようだ。

重み付けは賛成である。医療機関の負担と努力を報酬で評価することは重要であり、適切なインセンティブは医療の質を向上させる。重み付けの資料の対応方針(案)を見ると、次のように書かれている。
○ 総合的な体制を既に有していると考えられるⅠ群については、在院日数短縮の努力を促すために、効率性係数を重み付けすることとしてはどうか。
○ 在院日数短縮について既に一定の取組を評価出来るⅡ群については、総合的な体制をより評価するため、カバー率係数を重み付けすることとしてはどうか。
Ⅰ点目の効率性係数、強く同意。ただ、単に「在院日数短縮」を促すのではなく、「疾患ごとの相対的な評価により適切かつ効率的な病床利用」を促すと言った方がよいだろう。個人的には、どのような反論・意見が出てくるか、楽しみである。

2点目、カバー率。なぜそうする?? 以前から、カバー率は病床数に依存していて、努力余地がない・少ないと言ってきた。データからもその特徴は明らかであり、大病院を優遇する係数と言って良いだろう。

参考までに、そのことを述べるために使ってきた資料の一部を紹介する。

以前、カバー率の努力余地はまったくないと述べていたが、
千葉大の井上先生の話を聞き「高回転化で多少伸びる」とトーンを変えた

DPC算定病床数でカバー率係数は決まることを示した散布図

年10症例を超える疾患数と病床数の関係(※カバー率の評価は月1症例以上が対象)
・箱ひげ図の「ハコ」が小さい⇒病床数に強く依存
・箱ひげ図の「上のヒゲ」が短い⇒病床数の縛りを超えてカバー率の高い病院はほとんど存在しない
・箱ひげ図の「下のヒゲ」が長い⇒病床数の縛りを超えてカバー率の低い病院はある(専門病院等)
こっちの制度で大病院を評価し、あっちの制度で専門病院を評価し、そっちの制度で中小病院を評価し・・・なんてことをしていれば、制度を複雑化させているだけで結局のところ意味がない。

重み付けをするのであれば、カバー率はむしろ評価を軽くすべきだと思う。今日の分科会でそのような意見が出てくることを期待したい。

なお、カバー率係数自体が不要というのが自論ではあるが、もしⅡ群・Ⅲ群間の移動の不公平さの解消を目的として重み付けを調整するのであれば、やや賛成である。その不公平さについては以前MMオフィス工藤氏とCBnewsで記事にさせていただている。

2017/08/28

ニッチなマーケティングを学ぶ好例

偶然。

先日、入院医療等の評価分科会における看護必要度の話題で、東京都渋谷区の伊藤病院のことを取り上げた ⇒ 看護必要度の議論には、マクロな情報とミクロな情報をバランス良く揃えることが重要

今日、CBnewsに伊藤病院の話が載っていたので、驚いた。

都心部の中小病院は今 山手線沿線を歩く・後編 - CBnewsマネジメント 都心部の中小病院は今 山手線沿線を歩く・後編 - CBnewsマネジメント

もちろん、たまたま。CBnewsの記事は経営戦略を考える上で非常に参考になる(他でマネできるという意味ではない)。必読だ。

2017/08/25

看護必要度の議論には、マクロな情報とミクロな情報をバランス良く揃えることが重要

昨日開催された入院医療等の調査・評価分科会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省)を傍聴してきた。

看護必要度のデータが示されたのだが、現場の医療従事者のケアの負担に対する「適切な評価」と、看護必要度を評価するための研修等も含めた「作業負担」についてフォーカスがあたっていたように思う。前者「適切な評価」については論点が曖昧で、提示されたデータでは核心に踏み込むことができていないように感じた。一方後者「作業負担」は、DPCデータを活用し評価ができないか意見が出されていた。

個人的な考えは、以前CBnewsで述べたとおりで(下記の記事を参照いただきたい)、昨日の分科会でも話題が出ていた評価期間の問題があるならば、機能評価係数Ⅱに盛り込んでしまうような方法もあるだろうと考えている。

看護必要度の評価は要らない!? - CBnewsマネジメント 看護必要度の評価は要らない!? - CBnewsマネジメント
昨日の分科会で示された看護必要度のデータは、調査票を用いたものが多く、Hファイルを用いたものはほとんど無いように思われたため、あまり興味深く感じたものはなかった。ただ、参考までにマクロな視点で、下記のような看護必要度が30%台後半、40%台の病院がある・・・ということが示されたのは面白かった。分科会では「スーパー10対1」といったように言われていたかと記憶しているが、このような病院の実態をミクロな視点で把握することは、何かしら参考になると思う。
平均在院日数と看護必要度の関係(昨日の分科会資料から引用)

ご参考までに、昨年度の病床機能報告で、東京都渋谷区の伊藤病院の看護必要度は39.3%、平均在院日数は6日くらいになっているので、この上の図で見ると、7対1の上位1%くらいの病院であると思われる。

平成28年(2016年)報告 区西南部二次保健医療圏における医療機能ごとの病床の状況(許可病床) 東京都福祉保健局

伊藤病院 13_1303_11328441itobyoin.pdf

伊藤病院が上位1%と言われれば、誰もが納得のような気がするのだが、在院日数が長くて、看護必要度の高いような病院についても調べると、この看護必要度の問題点が見えてくる・・・。

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