医療、福祉に貢献するために

医療、福祉に貢献するために
~ 株式会社メディチュア Blog

2017/08/15

地域医療介護総合確保基金は人口で比例配分しなくなりつつある

地域医療介護総合確保基金。29年度の医療分の内示について公表されていた。

平成29年度地域医療介護総合確保基金(医療分)の内示について |報道発表資料|厚生労働省 平成29年度地域医療介護総合確保基金(医療分)の内示について |報道発表資料|厚生労働省
基金について知りたければ、下記資料あたりを見るのが良いだろう。


この基金、当初は都道府県に配分した金額が「結局、人口に応じた比例配分か」と思っていたのだが、いよいよ変わってきたのかもしれない(直感でそう思った)。


そこで、縦軸に各年度の都道府県の内示額(医療分)(出所: 厚生労働省 各年度公表資料)、横軸に都道府県別の65歳以上人口(出所: 総務省 日本の統計2017)を取り、都道府県をプロットした。下に平成26年度、27年度、28年度、29年度の4つのグラフを示す。




各グラフをざっと眺めるとそれほど変わっていないように見えるかもしれない。しかし、エクセルで簡易的に引いた回帰直線の相関係数を見ると、相関係数が徐々に下がってきている。


つまり、65歳以上人口だけで単純配分しているわけではなくなってきている・・・ということが言えるかもしれない。(もちろん、厳密な評価ではない。感覚を確かめたレベルでしかない)

さらに、東京・大阪を除いた45道府県と、小規模都道府県のみ(65歳以上人口100万人以下の37県)の相関係数を比較した。


小規模の37県での係数はかなり小さくなっている。基金はもはや人口とほぼ関係ないと言えるレベルだ。

いよいよ中身で勝負するものになってきたと言えるのかもしれない。

2017/08/14

役割・機能から地域包括ケア病棟を選択することの重要性

日経ヘルスケア 日経ヘルスケア
日経ヘルスケアの8月号、地域包括ケア病棟活用術の特集にコメントを載せていただいた。

上記の部分、今なら日経ヘルスケアのサイトの
「立ち読み」機能でお読みいただけるようです
特集記事を読んで、地域包括ケア病棟は、地域における「役割・機能」を第一に考え設置検討すべきであり、報酬はついてくるものだと感じた。もちろん、報酬も重要だが、報酬第一で考えると大きな方向を見誤るかもしれない。

2017/08/08

医療区分から患者背景の違いが見えてくると課題は自ずと見えてくる

療養病床のあり方について、先々月くらいから定期的に訪問させていただいている、とあるクライアント向けに検討。ちょうど、先週、入院医療等の調査・評価分科会と介護給付費分科会が開催されたのでその資料を参考にする。

中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省 中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省


介護給付費分科会審議会資料 |厚生労働省 介護給付費分科会審議会資料 |厚生労働省

医療療養病棟について、医療区分による様々な項目が比較されている。出来高換算した点数の箱ひげ図も興味深いが、その点についてはCBnewsなどが報じていた(療養病棟に「DPCデータ提出必須化」案 - CBnewsマネジメント)ので、少し異なる視点を。医療区分の違いによる退院に向けた目標・課題の比較を下に示す。詳しい内容は配布資料を参照いただきたい。
平成29年度第5回 入院医療等の調査・評価分科会 配布資料 P.65を基に作成
「看取り(死亡退院)」と「転院先の医療機関の確保」を主な退院に向けた目標としている割合は、医療区分3>医療区分2>医療区分1、の関係になっている。

一方で、「在宅医療・介護等の調整」「入所先の施設の確保」は、区分3<区分2<区分1と真逆になっている。

当然といえば当然の結果だが、改めてこの結果から言えるのは、医療区分1の70%を在宅で見ることを目指すのであれば、入所施設と在宅医療・介護の充実が求められることとなる。入所先の整備について、ハード的なものを新規に作るのは、財政的にも時間的にも厳しいだけに、介護医療院の役割に期待が寄せられるところだろう。介護給付費分科会と平仄をしっかり合わせないと、患者が難民化するか、医療・介護関係施設の経営が厳しくなるか、いずれか(もしくは両方)の未来が待ち受けているのではないだろうか。

2017/08/07

四国入り断念、分析に専念

今朝から、台風の影響で右往左往。今日は四国の大学院で講義の予定だったものの、飛行機が欠航になり、瀬戸大橋が運休・通行止めになり、いよいよ手段が断たれてしまった。
ほどなくして学校から休講の連絡も入り、羽田空港から帰宅。

土曜の時点で福岡にいたので、直接四国入りも考えていたのだが、甘く見ていた・・・。

能天気に福岡県内の列車を乗りつぶしていたときの写真
筑豊本線 原田線のワンマン列車
今回は、土曜の時点で東京に戻ることにしていたので、18切符を買わず、SUICAで移動。ただ、上の写真の原田線はSUICA(SUGOCA)は使えないエリアゆえ、筑前山家などでも降りられない。

18切符で鹿児島から帰宅したのは2年前か・・・。(今年もどこかに行きたいなぁ・・・)

2017/08/06

日曜日も病院に・・・

今日は近所の成育医療研究センターに。と言っても、仕事ではなく、夏祭りに。
携帯で写真を撮ったら、全然きれいに写らなかった・・・
おもてなしぶりが半端じゃなくて、終始、こちらが恐縮しっぱなし。こんなに楽しませてもらっていいの?というくらい家族が遊ばせてもらい、大満足して、帰宅。

今日の夏祭りは病院の中庭で開催されていたのに病院主催ではなく、病院そばの商店街が主催しているもの。そして、病院や近くの社福、大学などが協力しているという変わった形態。成育はナショナルセンターで、おいそれと足を踏み入れることはない病院なのだが、地域にとってなくてはならない病院であり、そして開かれた病院として努力していることを強く感じた。

夏まつり盆おどり大会のご案内【8/6(日)】 | 国立成育医療研究センター 夏まつり盆おどり大会のご案内【8/6(日)】 | 国立成育医療研究センター

2017/08/04

地域医療構想調整会議の尊重によるソフトランディング推進

地域包括ケア病棟をテーマに、病院経営の安定化と人員調整の最適化の両立とソフトランディングについて述べた。

ソフトランディングできる制度を求めている - 医療、福祉に貢献するために

ソフトランディングの意義を考えるならば、病院の機能・規模に関係なく、誰もが検討すべきことである。ただし、大病院が周辺の中小病院のことを無視して、医療システムを壊すような方向に進もうとするのであれば、それは問題だろう。しかし、周辺病院が望むのであれば、大病院こそ、ソフトランディングすべきだと思う。

地域医療構想調整会議で、合意が得られるのであれば、500床以上の大病院であろうと、特定機能病院であろうと、地域包括ケア病棟への機能転換が許されてもいいのではないだろうか。全国一律に制約を課していることに、一体何の意味があるのか。地域医療構想の議論が適切になされている前提に立てば、一律の制約は極力無くしていくべきと思う。

これからの医療は、診療報酬制度でがちがちに縛るのではなく、地域医療構想調整会議の議論を尊重すべきだろう。

2017/08/03

ソフトランディングできる制度を求めている

人員調整を回避するにも地域包括ケア病棟は有効 - CBnewsマネジメント 人員調整を回避するにも地域包括ケア病棟は有効 - CBnewsマネジメント
昨日、CBnewsに地域包括ケア病棟に関する記事を掲載いただいた。

診療報酬は、大きなビジョンに基づき改定されることを考えるならば、ワイングラス型から砲弾型への転換を強く意識したものとなることはごく自然の流れである。そして地域医療構想との関係性を考えるならば、病床機能報告上の「回復期」への機能転換を推し進める策が練られるはずである。

この方向性において、地域包括ケア病棟が果たす役割は非常に大きい。疾患や病態を細かに制限することなく、ポストアキュート・サブアキュートの患者の受け皿として、ある程度の診療報酬を得ることができる【経営的な安定】。そして、7対1・10対1から機能転換すれば、13対1(加算込みで10対1)の配置になることで、若干の人員確保に余裕が生まれる。これは7対1から10対1への病院全体のダウングレードなどに比べれば、極めてマイルドな人員調整である【人員配置の適正化】。

この経営的な安定と人員配置の適正化の2つのソフトランディングを目指すことこそが、日本の医療制度の持続可能性と地域の医療の持続可能性を高めるものだと考えている。

・・・といったことを考えた場合、現状の地域包括ケア病棟の診療報酬制度は、中小規模の病院に不利ではないだろうか? 解決策もあるのでは?ということを述べさせていただいた。よろしければCBnewsをご覧いただきたい。

余談だが、自分は病床機能分化の図において「ワイングラス型」と「砲弾型」と表現している。砲弾型を「ヤクルト型」と呼ぶ人もいるようだが、ヤクルトは固有名詞。お役所的な文書には使えない表現らしい。以前、ヤクルトに代表されるような乳酸菌飲料の話題をブログに書いた。ちなみに中身は地域包括ケア病棟とはまったく関係ない。


2017/08/02

病院経営改革の話が聞けるんです、しかも無料で

弊社7月末決算で、8月から新たな年がスタートした。初日は大学病院から。色々と気が引き締まる思いで話を伺い、また、話をさせていただいた。

午後、都内のクライアントに立ち寄り、夕方は、5年前の初心に返り、都立病院の経営委員会を傍聴。
昨期はありがたいことに似たような委員会の委員を務めさせていただく機会を頂戴したり、日々のコンサル等でもそうだが、どちらかと言うと、こちらがアドバイスする側に立たせていただくことが多くなっている。5年前、暇を持て余し、会議を傍聴したり、介護の現場のお手伝いをしたりしていたことを思い出しながら、都立病院の会議を傍聴させていただいた。

都民税を納める一都民として・・・といったくらいの軽い気持ちで傍聴したのだが、「これ、無料で聞いてしまっていいの?」「お金払ってでもみんなに聞いてもらった方がいいよ」というレベルの会だった。

済生会熊本・済生会横浜市東部病院などを経て、現在は神奈川県の済生会の支部長をされている正木さんから、165キロのストレート・豪速球のようなコメントが突き刺さり、しびれまくった上に、最後は、小牧市民病院の院長を務められ、現在は小牧市の病院事業管理者をされている末永先生の講演を拝聴できた。自治体病院の役割等を述べられていたが、話はPFIの問題点などにおよんだ。この講演は、学会等の場で行われる「多くの病院関係者」を対象としたものではなく、「都立病院の経営に関係する人」を対象としているだけに、何を言わんとしているかが明確で、皆が改革に対する覚悟を持たなければならないというニュアンスが非常に伝わってきた。

軽い気持ちで傍聴したものの、むしろ、お金を払うべきであった。6期目のスタート、非常に気が引き締まった。

2017/07/26

認知症ケア加算は大病院ほど、改定直後から算定できた

「平成28年 社会医療診療行為別統計 平成28年6月審査分」を基に、認知症ケア加算の算定状況を見た。

平成28年社会医療診療行為別統計の概況|厚生労働省 平成28年社会医療診療行為別統計の概況|厚生労働省
改定直後とも言える6月審査分(≒5月診療分)の算定のため、改定に対するクイックな反応を見ることができる。

まず、認知症ケア加算1と2の比率。病床規模別に見ると、300床以上は認知症ケア加算1の算定がほとんど。300床未満は病床規模が少ないほど認知症ケア加算2の比率が高くなっている。


病院の種類で見ると、療養病床を有する病院と一般病院の比率が1対1くらい。




注:「一般病院」は社会医療診療行為別統計における区分(精神病床のみの病院、特定機能病院、療養病床を有する病院のいずれにも該当しない病院)

 入院料の算定日数に対する認知症ケア加算の算定件数の比率を病床規模ごとに比較すると、病床規模が大きいほど算定率が高くなっている。
※算定率の分母から、精神病床のみの入院料の算定日数は除外していない

病床種類別に比較すると、一般病院の算定率が高くなっている。特定機能病院や療養病床を有する病院や一般病院といった区分に関係なく、DPC算定対象病院だけでの算定率は、特に高くなっている。


認知症ケア加算のように、「1病棟あたり○○人配置」というような要件がないものは、基本的に病床数の多い病院が有利だ。特に、医師・看護師等の資格要件が厳しいものについては中小病院にとって高いハードルとなってしまうだろう。また、病院分割しているようなケースにおいて、こういった人員配置の要件はネガティブに働くと言えよう。

2017/07/23

敷地内禁煙、歩道にも表記が

金曜から台湾に。いくつかの病院を見て回る。
台湾は病院内禁煙らしく、通りに面した病院ではその歩道にも禁煙の表記が。

歩道に面した病院の入り口

歩道のサイン

これから帰国。せっかく来たのに、短すぎてもったいない・・・。

2017/07/22

病棟再編成とは、自院のビジョンと国・地域のビジョンの整合性を図ることだ

MMオフィス工藤氏のfacebookやブログ(下記)にて、昨日のランチョンセミナーの資料が公開されている。

神戸ポートピアホテルで日本病院学会ランチョンセミナ−講師|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ 神戸ポートピアホテルで日本病院学会ランチョンセミナ−講師|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ

この資料には、弊社の資料も一部引用くださっていて光栄だ。

P.11~13の地域医療構想・病床機能報告の病床機能区分と入院単価の資料は必見だ。ただ、この資料を基に『話した内容』が極めて大事であったと思われる。病棟再編成の戦略(≒自院のビジョン)と国・地域の方向性と同一致させるか、という情報がP.13に凝縮されている。

このP.13に病院団体の主張を重ねれば、どのポジションを選択しても、経営が成り立つようにして欲しい、ということになる。個人的には「適切な努力をすれば」経営が成り立つべきだと思っている。努力の範疇を超えた部分は、診療報酬で手当てすべきだと考えている。

2017/07/21

にやついた顔にイラッと来る・・・

先日インタビューしていただいた内容がアップされており、また、その際に撮っていただいた写真も掲載されている。

看護必要度、B項目の議論を注視する理由 - CBnewsマネジメント 看護必要度、B項目の議論を注視する理由 - CBnewsマネジメント

正直、CBnewsや日経ヘルスケアなどにセミナーの案内や執筆記事等で、自分の顔が出てくるのは気持ち悪いものだ。ただでさえ暑い日々に、みなさまを不快にさせてしまっていることをお詫びする。

お詫びついでに、インタビュー記事の補足をfacebookにしておいた。よかったら、こちらもどうぞ。

2017/07/20

地域医療構想と診療報酬改定の連動シナリオを考える

来週の講演資料を作る関係で、過去の対談記事を読み直し。
井上先生の鋭さは、今読み直しても感動レベル。一緒に対談させていただいたこと自体が奇跡、CBnewsの企画に感謝。

なぜ読み直していたか? それは、地域医療構想と診療報酬改定の連動シナリオ、医療・介護需要に応じた看護師配置のシフトを考えていたため。地域医療の継続(≒病院経営の継続)のためには、安心して移行できる「道筋」を示すことが重要である。これは、青森県での研修会にて講師を務めさせていただいたときに、県の担当者や研修会参加者から、改めて学ばせてもらったことだ。

下記の対談、自分の話はさておき、井上先生のコメントは一読の価値がある。まだお読みいただいていない方はもちろん、以前お読みいただいた方も現時点の中医協の議論の進展状況と照らし合わせながら読み返していただければ幸いだ。

CBnews management 筆者対談、今後どうなる急性期
7対1からの切り替えだけでは未来はない - CBnewsマネジメント 7対1からの切り替えだけでは未来はない - CBnewsマネジメント
在院日数が短くなっても、入院が増えない - CBnewsマネジメント 在院日数が短くなっても、入院が増えない - CBnewsマネジメント

2017/07/19

課題解決力を得るためのトレーニング方法

CBnewsに経営人材の育成に関する記事を掲載いただいた。

効率性係数の向上策で課題解決力を身に付けさせる - CBnewsマネジメント 効率性係数の向上策で課題解決力を身に付けさせる - CBnewsマネジメント

課題の真因を探っていると、病棟や様々な部門に加え院外でも、色々な方とコミュニケーションを取らなければならないはずだ。コミュニケーションを取れ、病棟に行け、といっても目的意識がないとなかなか動けない。そこで、そのような機会を積極的に作るためにどうしたらいいだろうか、というような観点から、この記事を書いてみた。

また、人材育成に興味がない方でも、効率性係数を切り口にしているので、その点だけでもお読みいただければ幸いだ。

余談だが、記事のタイトルや中身はうまくまとまっているのだが、実は「編集力」の賜物。もともとはそんなにメッセージ性が強くなかったのだが、校正でカチッとしたものに直していただいた。いつものことながら、読ませる文章が書ける能力はうらやましい。まだまだ自分は精進が足りない(正直、「精進できない」ということも含めて、致命的に能力が不足しているのだと感じている)。

2017/07/09

推測する技術を何かに活かしたい・・・

2月に後発医薬品係数の内示があった時点で、ヒストグラムなどを参考に後発医薬品指数(=後発医薬品使用割合)の分布を下の図のようにシミュレーションしていた。

後発医薬品使用割合の施設分布(弊社シミュレーション結果)
下記ブログ参照

後発医薬品使用割合65%くらいの病院はどうなったのか? - 医療、福祉に貢献するために 後発医薬品使用割合65%くらいの病院はどうなったのか?

2月のグラフは1%刻みで表記していたが、5月の中医協の分科会の資料では5%刻みで示されていたので、同じ間隔で集計し直したものと中医協の資料を比較してみた(下図)。

後発医薬品指数の分布検証(中医協資料と弊社シミュレーション結果の比較)

ただグラフのスケールをあわせ重ねただけだが、ほぼぴったりあっている。というわけで、前年度の係数から後発医薬品使用割合を仮置きし、さらに1年分の伸びを折り込み、強引に試算した施設分布ではあったが、それなりの精度で再現できていたようだ。とはいっても、実際の医療機関の後発医薬品使用割合は分からないため、検証はこの程度でしかないが。

中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会審議会資料 |厚生労働省 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会審議会資料 |厚生労働省
余談だが、各医療機関のデータが手元にないために、このような「推測する技術」を身につけることができたのかもしれないと感じている。何の役に立つかわからないが・・・。

2017/07/07

「タバコ販売」をやめるドラッグストア、企業価値向上に

トモズ、たばこ取り扱い中止 店頭で禁煙支援  :日本経済新聞 トモズ、たばこ取り扱い中止 店頭で禁煙支援  :日本経済新聞

ドラッグストアが健康志向であるならば、タバコを販売していることは理解されにくいことだ。受動喫煙防止に関する法整備等の議論が熱い昨今の事情を鑑みれば、トモズの決断は支持されるのではないだろうか。記事の一部を下記に引用するが、強く同意である。
医薬品や健康食品をメインに扱うドラッグストアとして健康配慮の姿勢を示す。

このような取り組みについては、以前、ローソンとアメリカのドラッグストアチェーンのCVSのことを取り上げた。ローソンが辞められない事情として、タバコ販売の利益貢献が少なくないことを紹介した。またCVSは減収と引き換えに企業イメージ向上を手に入れ、結果として企業価値向上につながったことを紹介した。

禁煙サポートのガムを売りながら、タバコも売るのは、様々な人のニーズに応えているのかもしれないが、理念は共感できない。ただ行き過ぎは利便性低下の可能性も。この点については、ジャンクフードの話題を紹介した下記一番下の記事をお読みいただきたい。



2017/07/06

医療需要推移のビジュアライゼーション

昨日から四国の医療需要推移について分析中。色が赤系に近いほど需要減少、緑系に近いほど需要増加、黄色は増減がないことを表している。(下記グラフは国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計等を参考に弊社で分析、作成)

急性期は四国全域で大幅な需要減少が見込まれる。特に2025年→2040年の減少がかなり厳しい想定。

2025年と2040年の高度急性期・急性期の医療需要(2015年比)
(画像クリックで拡大)

回復期・慢性期は瀬戸内海側と太平洋側で傾向が異なる印象。県庁所在地は需要増加・維持が見込めるものの、それ以外では減少する地域が多い。特に2025年→2040年は、急性期だけでなく、回復期・慢性期も減る地域が多い。

2025年と2040年の回復期・慢性期の医療需要(2015年比)
(画像クリックで拡大)

急性期も回復期も慢性期も需要が減る地域では、機能転換したところでベッド数を維持するのは厳しいだろう。(たとえ自院は維持できても、周囲はそうでない状況になるだろう)

連携強化なども、自院の都合だけで「強化」していくことは極めて難しい地域と言える。このような需要推移が想定される地域において、公立・公的病院では、計画的な人員確保(人員削減も含む)や設備投資が大事であるのだが・・・。

2017/07/05

連携強化、データから課題の可視化にチャレンジ

CBnewsに記事を掲載いただいた。

急性期病院の後方病床確保、今まで以上に重要に - CBnewsマネジメント 急性期病院の後方病床確保、今まで以上に重要に - CBnewsマネジメント

「周囲に後方病床がない」、「後方病床はあっても、ベッドが空いていない」等々、転院できない理由には色々あるだろう。

転院先確保の観点から2つの意見例を挙げたが、他にも「患者・家族が○○病院への転院を嫌がる」などの理由も少なくないはずだ。

このような調査結果が中医協の分科会で示されたこともあり、DPC公開データの分析結果を用いて、自院の課題の可視化ができることを匂わせた記事にした。

課題は地域の事情に大きく左右されるため、公開データの分析だけで明言できるほど甘くはない。ただし、可能性は見えてくるだけに、参考にしてもらえると幸いだ。詳しくは記事をお読みいただきたいが、少しかいつまんで説明すると、下のグラフに集約される。
DPC公開データの「(8)退院先の状況」という資料を基に作成したグラフだ。退院先について、転院の割合が高いところや、施設入所の割合が高いところなど、ばらつきが見られる。自院の周辺に介護系の施設が充実していれば、病態の落ち着いた患者であれば受け入れてくれるだろう。しかし、施設の要望を聞いて、より落ち着いた状態まで退院を遅らせる等のタイミング調整を行えば、結果的に自院の高回転化を阻むこととなる。

急性期病院としては、後方を支える病床・施設、どちらも重要であるが、次回改定が看護必要度の厳格化等の高回転化を促す方向に進むのであれば、ポストアキュート・サブアキュートの患者を受け入れられる病床が大事であると考えている。介護医療院が、現状の後方病床と施設の間を埋めるのかもしれないが、それを待っていては、自院の高回転化に遅れが生じるだろう。

またCBnewsの記事では触れていないが、病院情報の公表で開示されたデータの比較を通じて、疾患単位での連携の課題感把握も可能になった。ある病院向けに報告したレポートでは、かなり興味深い結果となった。何度も繰り返すが、地域の事情を把握した課題把握には、ちょっとしたコツが必要だ(ベンチマーク分析などで苦手な領域。下手にベンチマークをゴリ押しすれば、間違った理解や方向性に至ってしまう可能性も高い)。

ちなみにCBnewsの記事では、上のグラフのⅡ群病院(2015年度)について、病院名を記載し、その特徴などを述べた。また効率性係数との関係をみることで、高回転化の限界を垣間見ることができたかも?と思っている(この部分は定量的な評価をしていない。退院先が効率性係数に与える影響について、統計的に有意差を持って示すことは難しいと思われる)

2017/07/03

回リハの将来を考える上で必読の記事

CBnewsの井上先生の記事。やはり鋭い。

リハビリは量から質の評価に軸足移すべき - CBnewsマネジメント リハビリは量から質の評価に軸足移すべき - CBnewsマネジメント

「リハスタッフを多数抱えれば、単位数を稼ごうとするのは必然」という意見も納得である。

自分のブログで、リハが包括になる可能性について下記のように言及したが、今回の井上先生の記事ではタイトルがそうなっているように、量より質の議論で締めくくられている。

回リハのリハビリ出来高払いから包括払いの可能性
リハビリは、アウトカムをあまり評価していなかった「質より量」の時代から、回リハ1のアウトカム評価のように「量が大事だけど質も無視しない」の時代になっている。今後は「量より質」の時代へ転換していくことを見据え、地域との連携やスタッフの育成をしていく必要があるだろう。

入院初期の医療資源投入量については、多くの病院の評価では差が出なかったとのことだ。MMオフィス工藤氏が言葉を定義してくださっていた「ポストアキュートの回リハ」と「サブアキュートの回リハ」という違いについて、多数の病院で平均値を取ると、ポストアキュート的な回リハがほとんどになり、入院初期の医療資源投入が特段多いものではない、という結果になるのだろう。ゆえに、サブアキュート的な使い方をしている回リハ病棟だけで集計しないと分からないかもしれない。平均値の処理の難しさとも言え、井上先生と自分のN数の違い(井上先生はNが多い)が、分析結果の差異になったと理解している。

井上先生の記事、一読をおすすめする。回リハの今後を考える上で、大事な観点が示されている。

サブアキュートの回復期リハビリ評価という新しい視点|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ サブアキュートの回復期リハビリ評価という新しい視点|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ

2017/07/02

認定看護管理者 サードレベルの講師を

昨日は神奈川県立保健福祉大学で、サードレベルの講義を担当させていただいた。DPC制度の概要を中心に、ベッドコントロールの重要性を説明させてもらった。重症度、医療・看護必要度のデータ分析を切り口にした病床管理高度化は誰がリードすべきか等の少し未来志向のテーマも盛り込み、好き勝手に3時間目一杯話をしてきた。

さらに、短い時間しか取れなかったものの、ディスカッションを通じて、現場での苦労等が垣間見え、こちらも色々と勉強になった。

ただ、昨日の講義は、いつになく緊張し、変な汗が出っぱなしだった。そして、いつになく疲れた。



2017/06/30

診療報酬は増やせない時代だからこそ、現場負担軽減を

「シンプルな報酬制度」と「きめ細やかな評価を反映した報酬制度」は相反する。そして、財源が不足する環境下では、最小公倍数的な「シンプルかつ大盤振る舞い」的なことは無理である。

だからこそ、限られた財源を効率的に活用しようと次期の診療報酬改定に向けた議論が活発化している。

ただ、その現場の負担を適切に評価する目的で、調査票やアンケートを出せ、現場のデータを取れ等、現場の負担を増やしている側面があることを忘れてはいけない。このような調査は、厚労省から来るものだけでなく、各業界団体や学会からも依頼が来る。

昨今、過重労働、超過勤務の問題が話題になっていることもある。今一度、現場の負担軽減策を考えるべきときではないだろうか。

以前も書いたが、看護必要度のデータは、EFファイルから機械的に抽出できる項目(今月上旬の各医療機関に送られてきた「Hファイル整合性チェック」での指摘事項から、その一端が垣間見える)もあるし、単価(下記グラフ参照)や疾患、年齢とリンクする部分も多い。

A項目2点以上割合と日別入院単価の関係

わざわざ看護必要度を評価しなくても、負担を反映した診療報酬制度は作れるように思う、看護必要度の評価はDPCの機能評価係数Ⅱに織り込むようなイメージで。DPCに参加していない病院は従来通り、看護必要度の評価が必要とすれば、7対1・10対1の病院は、皆、DPC制度に参加するのではないだろうか。DPCと出来高が選べることの問題の解消も進むかもしれない。

2017/06/29

能動的な行動力こそが大事

次期改定の大きな論点となるであろう重症度、医療・看護必要度。中医協で色々資料が出始めてきた。

7対1病棟における看護必要度の該当患者割合
出所: 中医協資料
ここで、昨年9月のCBnewsの拙稿をご覧いただきたい(有料会員でないと2ページ目を見れません、ごめんなさい)。

改定見据え、看護必要度データの精度向上を - CBnewsマネジメント 改定見据え、看護必要度データの精度向上を - CBnewsマネジメント
勝手な想定で、下記のようなグラフを示していた。
看護必要度の該当患者割合施設分布(イメージ)

このグラフでは10対1も含め、だいぶ細かい分類・区分を想定していたが、厚労省の資料はさっぱりとしたものだ。とは言え、中身はほぼ同じだ。

つまり、こういうデータが出てくることは予想ができていたわけであり、すべきことも見えていた。ここで大事なのは、当たった、当たらなかった、ではない。こういう将来が想定されるなら、何をすべきか考え、そして、実行に移すことだ。

このような能動的な行動力こそが、病院経営を大きく左右する。

2017/06/26

自信を持って間違える ~データが読めないことの危険性~

5月末の中医協、診療報酬改定結果検証部会に関する日経メディカルのウェブサイトに載っていた記事。

大病院受診時の「5000円徴収」効果は限定的:日経メディカル 大病院受診時の「5000円徴収」効果は限定的:日経メディカル

詳しくは記事をお読みいただきたいが、抑止効果について、金額の多寡が問題なのだろうか。2年前に中医協の議論についてコメントしたが、単純に金額では動かないという結論がデータで示されていたように思う(弊社のブログ記事では、それを意図的?に違う解釈をしていることについて、問題視したのだが)。
2年前の中医協で示されたデータをちゃんと受け止めていれば、もっと効果的な対策を打てたはずではなかっただろうか。データを都合よく解釈すると、間違った対策につながり、適切な結果が得られない、という教科書的なケースとなった。結論ありきで分析することの危険性が示されたといってもいいだろう。

紹介状なしの受診者割合を下げたいのであれば、金額を極端に上げるか、病院側へのペナルティ(もしくはインセンティブ)を極端に高くするか、の2択になるのではないだろうか。地域の事情を踏まえたデータを収集しておけば、このような方向性の検証もできると思うのだが・・・。
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