医療、福祉に貢献するために

医療、福祉に貢献するために
~ 株式会社メディチュア Blog

2017/08/15

地域医療介護総合確保基金は人口で比例配分しなくなりつつある

地域医療介護総合確保基金。29年度の医療分の内示について公表されていた。

平成29年度地域医療介護総合確保基金(医療分)の内示について |報道発表資料|厚生労働省 平成29年度地域医療介護総合確保基金(医療分)の内示について |報道発表資料|厚生労働省
基金について知りたければ、下記資料あたりを見るのが良いだろう。


この基金、当初は都道府県に配分した金額が「結局、人口に応じた比例配分か」と思っていたのだが、いよいよ変わってきたのかもしれない(直感でそう思った)。


そこで、縦軸に各年度の都道府県の内示額(医療分)(出所: 厚生労働省 各年度公表資料)、横軸に都道府県別の65歳以上人口(出所: 総務省 日本の統計2017)を取り、都道府県をプロットした。下に平成26年度、27年度、28年度、29年度の4つのグラフを示す。




各グラフをざっと眺めるとそれほど変わっていないように見えるかもしれない。しかし、エクセルで簡易的に引いた回帰直線の相関係数を見ると、相関係数が徐々に下がってきている。


つまり、65歳以上人口だけで単純配分しているわけではなくなってきている・・・ということが言えるかもしれない。(もちろん、厳密な評価ではない。感覚を確かめたレベルでしかない)

さらに、東京・大阪を除いた45道府県と、小規模都道府県のみ(65歳以上人口100万人以下の37県)の相関係数を比較した。


小規模の37県での係数はかなり小さくなっている。基金はもはや人口とほぼ関係ないと言えるレベルだ。

いよいよ中身で勝負するものになってきたと言えるのかもしれない。

2017/08/14

役割・機能から地域包括ケア病棟を選択することの重要性

日経ヘルスケア 日経ヘルスケア
日経ヘルスケアの8月号、地域包括ケア病棟活用術の特集にコメントを載せていただいた。

上記の部分、今なら日経ヘルスケアのサイトの
「立ち読み」機能でお読みいただけるようです
特集記事を読んで、地域包括ケア病棟は、地域における「役割・機能」を第一に考え設置検討すべきであり、報酬はついてくるものだと感じた。もちろん、報酬も重要だが、報酬第一で考えると大きな方向を見誤るかもしれない。

2017/08/08

医療区分から患者背景の違いが見えてくると課題は自ずと見えてくる

療養病床のあり方について、先々月くらいから定期的に訪問させていただいている、とあるクライアント向けに検討。ちょうど、先週、入院医療等の調査・評価分科会と介護給付費分科会が開催されたのでその資料を参考にする。

中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省 中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省


介護給付費分科会審議会資料 |厚生労働省 介護給付費分科会審議会資料 |厚生労働省

医療療養病棟について、医療区分による様々な項目が比較されている。出来高換算した点数の箱ひげ図も興味深いが、その点についてはCBnewsなどが報じていた(療養病棟に「DPCデータ提出必須化」案 - CBnewsマネジメント)ので、少し異なる視点を。医療区分の違いによる退院に向けた目標・課題の比較を下に示す。詳しい内容は配布資料を参照いただきたい。
平成29年度第5回 入院医療等の調査・評価分科会 配布資料 P.65を基に作成
「看取り(死亡退院)」と「転院先の医療機関の確保」を主な退院に向けた目標としている割合は、医療区分3>医療区分2>医療区分1、の関係になっている。

一方で、「在宅医療・介護等の調整」「入所先の施設の確保」は、区分3<区分2<区分1と真逆になっている。

当然といえば当然の結果だが、改めてこの結果から言えるのは、医療区分1の70%を在宅で見ることを目指すのであれば、入所施設と在宅医療・介護の充実が求められることとなる。入所先の整備について、ハード的なものを新規に作るのは、財政的にも時間的にも厳しいだけに、介護医療院の役割に期待が寄せられるところだろう。介護給付費分科会と平仄をしっかり合わせないと、患者が難民化するか、医療・介護関係施設の経営が厳しくなるか、いずれか(もしくは両方)の未来が待ち受けているのではないだろうか。

2017/08/07

四国入り断念、分析に専念

今朝から、台風の影響で右往左往。今日は四国の大学院で講義の予定だったものの、飛行機が欠航になり、瀬戸大橋が運休・通行止めになり、いよいよ手段が断たれてしまった。
ほどなくして学校から休講の連絡も入り、羽田空港から帰宅。

土曜の時点で福岡にいたので、直接四国入りも考えていたのだが、甘く見ていた・・・。

能天気に福岡県内の列車を乗りつぶしていたときの写真
筑豊本線 原田線のワンマン列車
今回は、土曜の時点で東京に戻ることにしていたので、18切符を買わず、SUICAで移動。ただ、上の写真の原田線はSUICA(SUGOCA)は使えないエリアゆえ、筑前山家などでも降りられない。

18切符で鹿児島から帰宅したのは2年前か・・・。(今年もどこかに行きたいなぁ・・・)

2017/08/06

日曜日も病院に・・・

今日は近所の成育医療研究センターに。と言っても、仕事ではなく、夏祭りに。
携帯で写真を撮ったら、全然きれいに写らなかった・・・
おもてなしぶりが半端じゃなくて、終始、こちらが恐縮しっぱなし。こんなに楽しませてもらっていいの?というくらい家族が遊ばせてもらい、大満足して、帰宅。

今日の夏祭りは病院の中庭で開催されていたのに病院主催ではなく、病院そばの商店街が主催しているもの。そして、病院や近くの社福、大学などが協力しているという変わった形態。成育はナショナルセンターで、おいそれと足を踏み入れることはない病院なのだが、地域にとってなくてはならない病院であり、そして開かれた病院として努力していることを強く感じた。

夏まつり盆おどり大会のご案内【8/6(日)】 | 国立成育医療研究センター 夏まつり盆おどり大会のご案内【8/6(日)】 | 国立成育医療研究センター

2017/08/04

地域医療構想調整会議の尊重によるソフトランディング推進

地域包括ケア病棟をテーマに、病院経営の安定化と人員調整の最適化の両立とソフトランディングについて述べた。

ソフトランディングできる制度を求めている - 医療、福祉に貢献するために

ソフトランディングの意義を考えるならば、病院の機能・規模に関係なく、誰もが検討すべきことである。ただし、大病院が周辺の中小病院のことを無視して、医療システムを壊すような方向に進もうとするのであれば、それは問題だろう。しかし、周辺病院が望むのであれば、大病院こそ、ソフトランディングすべきだと思う。

地域医療構想調整会議で、合意が得られるのであれば、500床以上の大病院であろうと、特定機能病院であろうと、地域包括ケア病棟への機能転換が許されてもいいのではないだろうか。全国一律に制約を課していることに、一体何の意味があるのか。地域医療構想の議論が適切になされている前提に立てば、一律の制約は極力無くしていくべきと思う。

これからの医療は、診療報酬制度でがちがちに縛るのではなく、地域医療構想調整会議の議論を尊重すべきだろう。

2017/08/03

ソフトランディングできる制度を求めている

人員調整を回避するにも地域包括ケア病棟は有効 - CBnewsマネジメント 人員調整を回避するにも地域包括ケア病棟は有効 - CBnewsマネジメント
昨日、CBnewsに地域包括ケア病棟に関する記事を掲載いただいた。

診療報酬は、大きなビジョンに基づき改定されることを考えるならば、ワイングラス型から砲弾型への転換を強く意識したものとなることはごく自然の流れである。そして地域医療構想との関係性を考えるならば、病床機能報告上の「回復期」への機能転換を推し進める策が練られるはずである。

この方向性において、地域包括ケア病棟が果たす役割は非常に大きい。疾患や病態を細かに制限することなく、ポストアキュート・サブアキュートの患者の受け皿として、ある程度の診療報酬を得ることができる【経営的な安定】。そして、7対1・10対1から機能転換すれば、13対1(加算込みで10対1)の配置になることで、若干の人員確保に余裕が生まれる。これは7対1から10対1への病院全体のダウングレードなどに比べれば、極めてマイルドな人員調整である【人員配置の適正化】。

この経営的な安定と人員配置の適正化の2つのソフトランディングを目指すことこそが、日本の医療制度の持続可能性と地域の医療の持続可能性を高めるものだと考えている。

・・・といったことを考えた場合、現状の地域包括ケア病棟の診療報酬制度は、中小規模の病院に不利ではないだろうか? 解決策もあるのでは?ということを述べさせていただいた。よろしければCBnewsをご覧いただきたい。

余談だが、自分は病床機能分化の図において「ワイングラス型」と「砲弾型」と表現している。砲弾型を「ヤクルト型」と呼ぶ人もいるようだが、ヤクルトは固有名詞。お役所的な文書には使えない表現らしい。以前、ヤクルトに代表されるような乳酸菌飲料の話題をブログに書いた。ちなみに中身は地域包括ケア病棟とはまったく関係ない。


2017/08/02

病院経営改革の話が聞けるんです、しかも無料で

弊社7月末決算で、8月から新たな年がスタートした。初日は大学病院から。色々と気が引き締まる思いで話を伺い、また、話をさせていただいた。

午後、都内のクライアントに立ち寄り、夕方は、5年前の初心に返り、都立病院の経営委員会を傍聴。
昨期はありがたいことに似たような委員会の委員を務めさせていただく機会を頂戴したり、日々のコンサル等でもそうだが、どちらかと言うと、こちらがアドバイスする側に立たせていただくことが多くなっている。5年前、暇を持て余し、会議を傍聴したり、介護の現場のお手伝いをしたりしていたことを思い出しながら、都立病院の会議を傍聴させていただいた。

都民税を納める一都民として・・・といったくらいの軽い気持ちで傍聴したのだが、「これ、無料で聞いてしまっていいの?」「お金払ってでもみんなに聞いてもらった方がいいよ」というレベルの会だった。

済生会熊本・済生会横浜市東部病院などを経て、現在は神奈川県の済生会の支部長をされている正木さんから、165キロのストレート・豪速球のようなコメントが突き刺さり、しびれまくった上に、最後は、小牧市民病院の院長を務められ、現在は小牧市の病院事業管理者をされている末永先生の講演を拝聴できた。自治体病院の役割等を述べられていたが、話はPFIの問題点などにおよんだ。この講演は、学会等の場で行われる「多くの病院関係者」を対象としたものではなく、「都立病院の経営に関係する人」を対象としているだけに、何を言わんとしているかが明確で、皆が改革に対する覚悟を持たなければならないというニュアンスが非常に伝わってきた。

軽い気持ちで傍聴したものの、むしろ、お金を払うべきであった。6期目のスタート、非常に気が引き締まった。
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