医療、福祉に貢献するために

医療、福祉に貢献するために
~ 株式会社メディチュア Blog

2018/01/31

『da Vinci手術の保険適用、一挙拡大のワケ』(日経デジタルヘルス)が興味深い

先日述べたロボット支援手術に関して(データ分析が後押しするロボット支援手術の技術向上)、日経デジタルヘルスが詳しい解説を載せていた。

da Vinci手術の保険適用、一挙拡大のワケ:医療:日経デジタルヘルス da Vinci手術の保険適用、一挙拡大のワケ:医療:日経デジタルヘルス

良いアウトカムが示されたなら、高い診療報酬を設定すべきだと思うのだが、なかなか難しいことが伝わってくる。従来の方法ではアプローチが難しかったものでさえ、ダヴィンチなら手術できるというのなら、なおのこと、点数は高く設定しても良いように思う。

ただ、国内でトップクラスの症例数を積み重ねているドクターだから、到達したスキルであって、達成できるアウトカムなのだとしたら、保険診療の適用は若干引っかかる。プロドライバーが首都高で時速300kmで走れたからといって、制限速度を300kmにあげてしまったら一般人は事故を起こしてしまうように、ライセンスなどで制約があって然るべきだ。ゆえに、このような術式は、先進医療で拡大していく方が適切なように思うのだが・・・。

2018/01/30

大阪も福岡も転入超過。でも、両者には違いがある

住民基本台帳のデータを基にした人口移動報告に関連したトピックがニュースで報じられていた。

例えばこれ(NHKのニュースは短期間でリンク切れになるかと思いますがお許しを)

総務省が、住民基本台帳をもとに去年1年間の人口の動きを調べたところ、東京都を中心とする「東京圏」への転入者が転出者を12万人近く上回って、22年連続で「転入超過」となり、「東京圏」への一極集中が続いていることがわかりました。 出所:東京圏への一極集中続く 22年連続「転入超過」 | NHKニュース

都道府県別で大きく捉え、東京圏への一極集中を理解することも大事だが、個人的に興味深かったのは、静岡のニュース。

静岡県、転出超過5242人 17年人口移動報告|静岡新聞アットエス 静岡県、転出超過5242人 17年人口移動報告|静岡新聞アットエス

県内の市町村別に見ると、熱海や長泉は転入超過、沼津や焼津は転出超過とのこと(詳しくは上の記事参照)。

e-statで公開されているデータを用いれば、年代別などの情報も見ることができる。

住民基本台帳人口移動報告 | データベースから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 住民基本台帳人口移動報告 | データベースから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
参考までに、65歳以上人口の転出入が相対的に活発か否かを都道府県別に比較してみた。分母は64歳以下の転出入人口。分子は65歳以上の転出入人口。転出入の絶対値で割合を見ている。棒グラフの色は、65歳以上人口の転入超過か転出超過で塗り分けている。


大阪は高齢者が他に出ていく地域。
福岡は高齢者が集まってくる地域。
関東地方は、東京から高齢者が出ていき、周辺の県に吸収されているように見える。

このような情報は、高齢者向けのサービス提供を考える場合、地域がどのような環境か理解する上で、参考になるかもしれない。

2018/01/29

データ分析が後押しするロボット支援手術の技術向上

ロボット支援手術の話題。
次回改定で一気に適用が拡大される。胃がんや肺がんなども適用になる。
「ダヴィンチ」手術、一挙に12件を保険適用へ | m3.com

ただし、懸念していたとおり(以前のブログ参照 習熟を要するロボット支援手術に対する評価は厳しい)、点数は既存技術と同程度になるらしい。

下記は、冒頭のm3の記事の一部を引用した。
現時点では、既存技術と比較した優越性についての科学的根拠が確立されていないが(中略)報酬上の評価は既存技術と同程度とする方針

診療報酬とは別の切り口で、以前、ロボット支援手術はデータ的に興味深いという話を述べた。

ロボット手術(支援手術)は、知らず知らずのうちに人間の技を盗もうとしているのかもしれない - 医療、福祉に貢献するために ロボット手術(支援手術)は、知らず知らずのうちに人間の技を盗もうとしているのかもしれない

昨日のニュース記事によると、アドベンチストヘルスシステムでは、ロボット支援手術のスキル評価と改善が、データ分析により加速しているらしい。

Adventist Health System Leverages Analytics to Improve Surgeons’ Robotic Surgery Skills and Performance | Healthcare Informatics Magazine | Health IT | Information Technology Adventist Health System Leverages Analytics to Improve Surgeons’ Robotic Surgery Skills and Performance | Healthcare Informatics Magazine | Health IT | Information Technology
記事によれば、分析で下記のような成果が出ているらしい(日本語は弊社で追記)
> Conversions from robotic to open surgery dropped by more than half after a surgeon received 10 or more C-SATS assessments (5.3 percent to 1.6 percent) ロボット支援手術から開腹手術に移行する割合が下がった
>  Incidents of blood loss greater than 500ml during robotic surgeries dropped (2.4 percent to 0.7 percent) after a surgeon underwent 10 or more C-SATS assessments ロボット支援手術中500ml以上の出血患者割合が下がった
>  Median surgery time reduced by 22-23 minutes in laparoscopic hernia repairs (ASA Class I-II and III-IV) after C-SATS assessments ヘルニア手術の術時間が中央値で22~23分短縮した
ロボット支援手術に対し、次回改定で高い点数が付くことは期待できない。しかしながら、保険適用となる術式が拡大することで、質の向上等のデータ収集が加速していくことに期待したい。さらには、上記のアドベンチストヘルスシステムの取り組みに参加するといった、グローバルな視点で、質向上の流れに乗れることができたら、さらにその次の改定では、診療報酬の引き上げにつながるかもしれない。

2018/01/25

病床利用率の長期推移の要因に迫れたか?

CBnewsに記事を掲載いただいた。短冊が出てきたタイミングゆえ、関心事ではないかもしれないが、お読みいただけると幸いだ。

改定で病床利用率の低下は避けられない - CBnewsマネジメント 改定で病床利用率の低下は避けられない - CBnewsマネジメント

1点、補足。以下の文章は若干不適切だった。「たまたま」ではない。
1年間で最も寒い時期である今(1月下旬)は、たまたまベッドが埋まっている病院が多いかもしれないが、大きい流れを見ると、ベッドは埋まらなくなってきている。
冬は夏に比べ2割から3割、死亡者数が多い(沖縄は1割くらいの違い)。死亡者数が多いことが病床利用率の高さと直結するわけではないが、急性期病院の機能を考えれば、無関係ではない。この時期は病床利用率が高く、夏の時期は利用率が低くなるのが一般的と言える。ゆえに、さきほどの自分の記事の引用した部分は「不適切」だった。

死亡者数の都道府県別季節変動(赤線:沖縄県) 人口動態統計を基に作成
先月の沖縄でのセミナーで「沖縄県の病床利用率が高い理由」を説明したときに用いた資料

今回のCBnewsの記事は、先月の下記ブログがベースになっている。
病床種類によらず全国的に見られる病床利用率の低下

死亡者数の季節変動については、下記が関連する内容。
冬は多くの人が亡くなる⇒本当(ただし沖縄を除く)
データでモザイク画
葬儀屋はそろそろ最も暇な時期に突入するはず・・・

また、CBnewsの記事中で言及した沖縄の罹患率の違いが影響しているかもしれないけど・・・というのは、以前、下記で言及している。
地域差を可視化する(Special Report)

余談。明日(今日か)の資料作成に行き詰った。短冊の内容をどこまで盛り込むべきか・・・。参った。

2018/01/23

今朝の西日本新聞1面と3面に、重症児のレスパイト入院の話題が

昨日、福岡で重症児の在宅復帰等も含めた周産期・新生児医療の今後について議論していたので、今朝の西日本新聞はタイムリー。



2018/01/22

「数字が一人歩きすることを避ける」ことの難しさと、そこにあるチャレンジ

読み手の理解力が重要になってくる記事。

心臓血管手術 公表された死亡率から何が分かる?:朝日新聞デジタル 心臓血管手術 公表された死亡率から何が分かる?:朝日新聞デジタル

関連して読むべき記事(どちらも会員登録してないと読めないか?)。

「心臓手術死亡率3倍」、報道は「残念」「非常識」|医療維新 - m3.com

「数値のひとり歩き」はデータ分析で気をつけることである。12年ほど前、ある金融機関のクライアント向けの分析で、正しい数値を出したのに問題になったことを思い出す。補足説明をしなければ正確な意味を理解できない(理解して欲しい意図を汲み取ってもらえない)数値は、その数値の正しさ以前にリスクが伴う。

患者は比較できる情報を欲している。しかし、医療の質の比較は簡単なことではない。死亡率ひとつ取っても比較は難しい。ゆえに、そこには大きなチャレンジがあると言える。「背景等を十分に説明しなければならないものの数値としてはシンプルなデータ」を示すか、「説明をあまり必要としない各種リスクを調整したデータ」を示すかなど、受け手側の理解力等に配慮する必要がある。死亡率は、急性期と慢性期、予定入院と救急入院、など、それぞれで事情が異なる。難しさがあれば、そこにはチャレンジがあり、データ分析の楽しさでもある・・・。

2018/01/19

カバー率をひもとく

DPC算定病院の機能評価係数Ⅱ、カバー率は医療内容の充実を表していると言いたいところだが、算定病床数で決まる。なぜなら、出現するDPCコード数には、下の関係がみられるから。


詳しい説明は・・・またの機会に。
ちなみに、うまくモデルを作成すれば、このプロット自体を再現できそうだ。

2018/01/18

療養病棟の在院日数と死亡退院割合の関係

療養病棟の在院日数について。
病床機能報告(2016年度)データから、都道府県別の平均在院日数(正確には病棟ごとの数値なので在棟日数)と、死亡退院割合(療養での死亡退院のみ)を見た。

データ上、最期まで看るならば、日数の長期化傾向が見て取れる。


療養からの在宅復帰や看取り機能には地域差があるため、在宅復帰を強化していくのは難しい地域もあるように感じる。

2018/01/13

日経メディカル1月号に分析データを載せていただきました

日経メディカルの1月号に、以前MMオフィス工藤氏と一緒に担当した日経ヘルスケア主催のセミナーの内容の一部を載せていただいた。


昨年10月か11月頃にインタビューを受けた気がするのだが、取り留めのない話をしたはずなのに、うまくまとめてくださっていた。下が記事で触れてくださた内容。
渡辺氏は「今後は全国のデータと比較して、自分が住む医療・介護需要を把握することが重要になる。医師が今後の働き方を見定める上でも、そのことは欠かせない」と話している。
下記のオンライン版でも読めるようなので、よろしければどうぞ。

人口減と少子高齢化が加速し医療ニーズは縮小へ:日経メディカル 人口減と少子高齢化が加速し医療ニーズは縮小へ:日経メディカル

2018/01/12

様式1でB項目を推測できるか

CBnewsに看護必要度のB項目の分析に基づく記事を掲載いただいた。

看護必要度B項目の置き換えは長期的な視点で - CBnewsマネジメント 看護必要度B項目の置き換えは長期的な視点で - CBnewsマネジメント

下記の冬休みの宿題で分析をしていたデータから、トピックを切り出したものだ。

CBnewsの記事は、看護必要度のB項目が入院時ADLも含めた様式1の情報からおおよそ推測できるというものだ(特に認知症関連は精度良く評価できそう)。事務負担の軽減、評価負担の軽減を図るためにも、そういった検討は積極的に推進すべきだろう。なお、さらに精度を高めようとするならば、その意味があるかどうかも含め、じっくり検討すべきだ。なぜなら、

評価精度向上≠医療の質の向上

であるから。あくまでも支払いのための評価であり、医療の質とは関係ない。入院時のアセスメントや入院中の見回りの時間を減らしてまで、看護必要度の記録に時間を割くべきではない。

とはいっても、適切な支払いも重要なので、代替評価項目の設定はじっくり検討すべきだろう。

2018/01/11

看護必要度の遷移のビジュアライゼーション

改定に向け、中医協の議論が活発化しているタイミングだが、未だに冬休みの宿題の続きを実施中。Hファイルの分析から、食事摂取や移乗のデータ遷移を見た。そのうち、年代や性別、疾患などにより、遷移の様子が変わることまでビジュアル化したい。(データはサンプルのため、あくまでご参考まで)

食事摂取(左:前日 右:当日)

移乗(左:前日 右:当日)

2018/01/05

看護必要度のデータ分析(冬休みの宿題)

冬休みにやる!と決めていた看護必要度データの分析。現実は、別の作業が終わらず、今晩、ようやく着手。

まず、看護必要度の各項目の関連性を見ていた。サンプルデータなので、真実の究明ではなく、情報の可視化が可能か否かの確認が目的だ。

当然ながら、ADL関連のB項目はそれぞれの関連性が深い。

例えば、
寝返り、衣服着脱、口腔清潔。この3つはそれぞれの結びつきが強い。
食事摂取、口腔清潔。これらもそれなりに強い。
一方、移乗は、これらの関連性と異なり、ちょっと単純ではないらしい。

ちなみに、A・C項目で他項目と関連性が深いのは、A項目の心電図モニターがB項目と関連性が見られるだけだった。疾患特性等を完全無視した関連性のみの評価なので、当然といえば当然だが、やっぱりモニターは異質か・・・。

今回、項目間の関連性を見るのにアソシエーション分析を用いたが、これで診療行為等を追加して見るようにしていけば、何かしら有益な示唆が得られるのではないかと考えている。また時系列データでもあるので・・・という先が本当にやりたいことである。

看護必要度データのアソシエーション分析結果サンプル

2018/01/02

前途多難か

新年最初にインパクトのある分析を・・・と考えていたものの、残念ながら、つまらないものに。症例集約度を考えるために、色々アイデアを練っていた過程で、眼科系疾患のパレート図(累積構成比だけの折れ線グラフ)を作った。
DPCデータ提出病院 MDC02の症例数パレート図(2015年度実績)
出所: 厚生労働省 DPC公開データを基に作成

パレートの法則、いわゆる「80:20の法則」に従っており、上位20%の施設で症例数の80%(正確には83.5%)を占めていることが分かる。

元々はジップの法則に関する資料を読み込んでいた経緯で、データで色々考えていた。しかし、地域性等の影響だろうか。色々考えた仮説がすっきり説明できる分析結果はなかなか得られなかった。

今年は色々なことにチャレンジしていきたいと考えているが、うまくいかなそうな予感だ。努力あるのみか。
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