2018/06/08

病院経営の動態を反映し、打ち手を提供できる戦略構築の枠組みを作りたい

CBnewsに記事を掲載いただいた。

入院収入最大化の終焉とその先の病院経営戦略 - CBnewsマネジメント 入院収入最大化の終焉とその先の病院経営戦略 - CBnewsマネジメント

分析の一部は、以前ブログで紹介している。


入院医療費の伸び率に着目したレポートだが、入院医療費の総額には診療報酬改定の影響は軽微で人口動態の影響が少なくないと言えそうだ。

ここから先は想定の話だが、急性期と回復期、慢性期では伸び率が異なるはずで、入院医療費が伸びない地域・病態を見ている病院では、医療提供範囲が変わらないのであれば、入院収入の伸びは期待できない。

何かしら変わらねば、収入は増えない。何ができるか?

入院・外来に限らず、病院が新たな収入源を確保するにはどうしたらよいか。保険診療内か外か、エリア内か外かで4象限に分け、考え方を整理した(記事では、箇条書きにして説明した)。


①(現状の延長線上の努力)は相対的に容易だが、②、③、④と難易度が高くなるようなイメージだ。④には革新の追求と書いたが、ある病院では、スタッフの思いついたアイデアを特許レベルにまで引き上げ、特許料を得ようとしているところもある。遠隔診療は規制が変われば、DtoPは保険診療内になるかもしれないが、現時点ではDtoDの遠隔読影などが挙げられる。

ちなみにこの4象限、下記の多国籍企業の経営戦略と類似点があるように思う。

多国籍企業の経営戦略:国境を超越する経営に、どう戦略的に取り組むか | 経営戦略を読み解く〜実務と理論の狭間から〜|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 多国籍企業の経営戦略:国境を超越する経営に、どう戦略的に取り組むか | 経営戦略を読み解く〜実務と理論の狭間から〜|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

競争的な環境がどのように変化するか考える上で、色々参考になるのではないだろうか(読み替え・置き換えが必要なので、単純にそのままというわけではいが)。・・ということを考えていたので、今回のブログ記事の表題は、琴坂氏の書籍から一文を引用し「病院」を当てはめてみたものだ。

なお、①から④のチャレンジをしなければ、組織の規模を維持することが難しくなる。チャレンジの実現性を鑑みた場合に、難易度が高いのであれば、規模の維持・拡大を目指さないのもひとつである。その場合は、収入拡大でなく、医療提供の持続性を担保するために利益確保を目指すことが大事になると考えている。確かにこの数十年は収入拡大ができた。しかし、この先は、収入拡大がすべてではないはずである。

この話には続きがある。次回のCBnewsの記事にしようと思っている。