医療、福祉に貢献するために

医療、福祉に貢献するために
~ 株式会社メディチュア Blog

2018/09/29

今月2度目の神奈川県総合医療会館

一昨日、神奈川県病院協会主催のセミナー(平成30年度第1回医業経営セミナーの開催について(ご案内) | 神奈川県病院協会)。前半がウォームハーツの長面川氏。後半が自分。

①「経営側からみた在宅医療・外来と入院の連携」    株式会社ウォームハーツ 代表取締役 長面川さより氏

②「データに基づく診療報酬改定時代へ2018年度改定と地域医療需要を踏まえた病院経営戦略」   野村ヘルスケアサポート&アドバイザリー株式会社シニアコンサルタント 株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優氏

写真は、開始直前に撮ったもの。自分はウォームハーツの一員としてもデータ分析を担当させてもらっているので、個人的な思いとしては、前半も後半もウォームハーツ一色に。

自分のパートは、直近の改定後の医療機関の状況などを交えた内容で話をさせてもらった。参加くださった方々にとって、何かしら参考になるところがあれば幸いだ。

2018/09/26

5年生存率のランキングは害が多い

5年生存率の公表データをランキングで使うことに強い違和感がある。嫌悪感とも言う。
全国251病院別「がん5年生存率ランキング100」│NEWSポストセブン

今日、追加の記事で、適切な理解の仕方を促す内容が掲載されているが、どこまで多くの人が真面目に読んでくれるものか・・・。
がん「病院別・5年生存率データ」の役立つ読み解き方│NEWSポストセブン

正直、ランキングは、興味をひきやすい。週刊誌のネタとして適していることも理解できる。だが、冒頭のランキングはさすがにどうなの?という話だ。

そこで、がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計:[国立がん研究センター がん登録・統計] のデータを用いて、胃がんの5年生存率と年齢などの関係を見てみた。

5年生存率の単純比較はまったく意味がないということを考えてみたい。まず、各施設の胃がん患者のうち何割がⅠ期かということと5年生存率の関係を見た。Ⅰ期の割合が高ければ5年生存率は圧倒的に良い。
胃がん 施設別の5年生存率とⅠ期患者割合の関係

そして、年齢が高ければ5年生存率は悪い。ただし、年齢が高いほどステージが進んでいるということも言えるので、上のグラフと下のグラフは完全に独立の事象を見ているわけではない。
胃がん 施設別の5年生存率と平均年齢

純粋に年齢の影響を見るため、Ⅰ期での5年生存率と平均年齢の関係を見た。やはり年齢が高ければ5年生存率は低い。
胃がん Ⅰ期の患者における施設別の5年生存率と平均年齢

ここまで見れば、単純比較はまったく意味がないということも分かっていただけるのでは・・・と思うが、こんな面倒な話を週刊誌の記事の冒頭に書いてしまったら、興味が薄れてしまうに違いない。(ゆえに、細かい説明は省略して、ランキングにばかりクローズアップしていると思われる)

なお、週刊誌でランキングを見た一般市民が、わざわざ上位の病院に行ったとする。わざわざ行くくらいなので、多少の移動は苦にならない比較的年齢が若く、ステージも早期の患者がたくさん集まる。すると、その病院は、若く早期の患者を診るから、また5年生存率が良くなる・・・という生存率上昇ループに入る。一方、他病院はそうでない患者を診るので、生存率が下がる。

週刊誌が格差を引き起こすとまでは言わないが、決して正しいことをしているとは考えられない。結局、読み手にもランキングを適切に理解できる力が求められているということだろうか。



2018/09/25

9/30のCBnewsのセミナー、ご都合があえば、ぜひ

三連休は出張先からの移動から始まり、30年近く前の「データ」を眺め自分の「小ささ」を再認識していた。古いデータは面白い。

また、三連休直前の病院では、色々強い刺激をもらい、こちらもとても勉強になった。ありがたい。

今週末(今度の日曜)、CBnewsのセミナーで話をさせていただく予定だ(下記リンクからどうぞ)。この三連休もこの準備をしていた。このあとも、ご期待にそえるよう準備を進めたい。もしご都合があえば、ぜひ。

データで読み解く自院のポジション-地域のこれからを数字から見通す データで読み解く自院のポジション-地域のこれからを数字から見通す

2018/09/20

透明性を高めることが、報酬・制度の妥当性を高める

中医協、入院医療等の調査・評価分科会の議事録の読み直し。⇒平成29年度第9回入院医療等の調査・評価分科会・議事録(2017年10月5日)

この日のCBnewsの記事はこちら ⇒ 救急医療管理加算の算定要件の是正を - CBnewsマネジメント

総合入院体制加算の実績要件について、「1,000件」などの数値の根拠を問う尾形委員。
○尾形委員  (前略)そもそも総合入院体制加算の要件の中で、実績要件というのは手術件数を一定以上としているわけです。恐らくこの考え方というのは量が多いということがアウトカムにつながっているということなのではないかと思います。しかし、ここで1,000件にしたということについては、1,000件がカットオフ値として適切だという議論がかつてあったということなのでしょうか。 
それに対する事務局の返答。
 ○事務局  まず、先ほどの1,000件に要件を変更したということの議論なのですけれども、一応実際の調査結果で何件くらいやっているかという分布を見させていただいて、要件としては少し厳し過ぎるのではないかといったような議論があって、この数に見直しているということでございます。 (中略) こちらの総合入院体制加算は経緯から申しますと、特定機能病院は一般病棟入院基本料と別に特定機能病院入院基本料というのがあって、かなりベースがアップされている、それは当然、特定機能病院としてのいろんな機能を持っているからということなのですけれども、この総合入院体制加算は特殊機能病院はとれないことになっていまして、逆に特定機能病院ではないけれども、そのぐらいの総合力があるところを評価をするという趣旨で、一般病棟と特定機能病院の入院基本料のベースの差を一定程度埋めるような趣旨でつくられたものというのが経緯でございますので、この総合力に関する要件が入っているということでございます。
化学療法4,000件は厳しすぎたから、分布を見ながら1,000件に見直したとのことだが、さじ加減を見ながら落とし所を探したようにしか思えない。質問の本質である数値の根拠には触れてない。

化学療法の件数について、特定機能病院の分布と一般病院の分布がそれぞれ手元にあり、「特定機能病院並みとは、このあたりのことです」と図示されれば、多くの人は納得できるだろう。高めのハードルにして「目指して欲しい」というようなインセンティブ色を強めたり、低めのハードルにして「一定レベル以上に診療報酬を」というような足切り型にするにしても、いずれにしても納得できるだろう。例えば、DPCの特定病院群の要件はそうなっている(大学病院本院の最低値・・・といった形ゆえに、基準値が動いてしまう点については賛否両論あるだろうが)。

しかし、厳しかったから緩めました、では理解しがたい(緩めているから文句は出ないが、逆だったら、相当批判されているはずだ)。徐々にデータに基づく診療報酬改定の時代に変わってきている。この評価の継続を期待する意味でも、透明性のある基準にしてもらいたい。

なお総合入院体制加算について地域性などを見た先日のCBnewsの記事はこちら ⇒中小病院のチーム医療推進をもっと評価すべき - CBnewsマネジメント

2018/09/19

チーム医療を推進するには・・・

CBnewsに記事を掲載いただいた。

中小病院のチーム医療推進をもっと評価すべき - CBnewsマネジメント 中小病院のチーム医療推進をもっと評価すべき - CBnewsマネジメント

もともと考えていたテーマは、残念ながら分析結果がすっきりせず、論点がブレブレだったので却下し、急ごしらえの分析結果に。前半は総合入院体制加算の分析、後半はチーム医療関連の加算の分析。病床規模が与える影響を推測し、加算の評価方法について、課題を述べてみた。点数にならなくても一生懸命取り組んでいる病院。点数にならないから取り組んでいない病院。どちらが患者にとって良い病院かは言うまでもないだけに、適切な評価とは・・・といったことを考えてみた。

ちなみに、もともとのテーマもさきほど改めて整理したら、すっきりしたので、いずれ原稿にしたい。

2018/09/18

限られた医療資源を有効利用する手段として有用な遠隔診療支援

昨日の日経朝刊。

重症患者 遠隔で診療支援 厚労省、質高め医療費抑制 中核病院から助言 :日本経済新聞 重症患者 遠隔で診療支援 厚労省、質高め医療費抑制 中核病院から助言 :日本経済新聞

病院に対するモニタリング・コンサルテーションの仕組みは、今後、急速に拡大しそうだ。これまでの取り組み状況や、海外の状況を知ることは参考になるだろう。

昭和大学附属病院で、わが国初のeICUの導入実証研究を実施 | 昭和大学

集中治療医が遠隔から重症患者診療をサポートする tele-ICU導入の試み 医学書院/週刊医学界新聞(第3122号 2015年04月20日)

ヴァーチャルケアセンターはニュース映像でより具体的な内容を把握できるかも - 株式会社メディチュア Blog

また、診療報酬で後押しすべきか否かは「エビデンスが・・・」となるし、追加の予算はなかなか厳しいと思うが、ICUの要件緩和などはあってもいいように思う。また、すでに民間でサービスを提供しているところがあるので、診療報酬の後押し如何にかかわらず、進展の余地を考える意味で参考になる。

集中治療室の処置を助言 T―ICUが遠隔サービス  :日本経済新聞

東京新聞:ICUでの判断 より早く的確に 柏の病院と企業「遠隔集中治療支援」:千葉(TOKYO Web)

2018/09/16

月刊保険診療、自分の顔は見苦しいですが、地元の病院の記事は素晴らしいです

顔が険しいのは「真剣さ」です!!
月刊保険診療、2018年9月号で対談をさせていただいた。貴重な機会で、とても勉強になるとともに、強い刺激をもらった。

今月の月刊保険診療に出身地の病院の記事が。記事は極めて簡潔にまとまっているが、地元向けの講演会では、もっと色々具体的な数値の変化などを示しながら、取組状況を説明くださっていたので(色々興味深いポイントもあった)、おそらく来月の記事で、色々述べてくださるのでは・・・と期待している。

2018/09/14

Google Dataset Search、β版だけど見る価値はあるかも

昨日、Google Dataset Searchの話を聞いた。

Dataset Search Dataset Search

少し触った感じだとKaggleのデータなどが見つかるようなので、Kaggleを使えばいいという話もあるが、知らなかったデータセットが見つかるという意味では興味深い。

へぇー、と思っていたら、ちょうどこんな記事もあった ⇒ データをググる感覚で利用できる「Google Dataset Search」--その中身や展望は - ZDNet Japan

国内の政府系データはe-Statで見れる(e-Stat 政府統計の総合窓口)。困っていることと言えば、自治体のデータが、各自治体のウェブサイトを見に行かなければならず、しかもフォーマットが揃っていないことだ。住民基本台帳の人口データなどは、同じフォーマットで公開してくれると助かるのだが・・・。

個人的には、このe-Statと国立国会図書館 リサーチ・ナビを組み合わせると、実質、Google Dataset Searchに近いような気もする・・・、そんなことない?

2018/09/13

都道府県別の比較から見えてくる情報

効率性係数の分布を都道府県ごとに比較してみた。この順序だけで、何か言えるほど単純ではない(こじつけはできるかもしれないが・・・)。
効率性係数(2018年度)箱ひげ図
都道府県は中央値順
(画像をクリックすると拡大します)

一方、地域医療係数(DPC標準病院群)。何か言える。両サイドを見てみる。左端に岩手・島根・滋賀。右端に広島・岡山。
DPC標準病院群 地域医療係数(2018年度)箱ひげ図
都道府県は中央値順
(画像をクリックすると拡大します)
インセンティブとしての妥当性に疑問を感じる。

2018/09/12

機能評価係数Ⅱの各項目の理解を深めていただけたら・・・・

日経ヘルスケア2018年9月号に「ますます重要になる機能評価係数Ⅱ」というタイトルの記事を掲載いただいた。係数の中身を理解することで、対策検討の参考にし、医療の質向上、経営改善の一助になれば幸いだ。


最近、1985年に書かれた「医療ビジネス―新時代の病院経営」という本を読んでいて、おそらく日経ヘルスケアのことなんだろうな・・・という下の文章を見つけた。
医師向けの専門誌としては最大の発行部数を誇る「日経メディカル」も、別冊の形で季刊の病院経営誌を検討中という。病院経営の実際から周辺企業の動向まで幅広い視点から足でかせいだ情報を盛り込んでいくようだ。 出所: 医療ビジネス―新時代の病院経営 | 日経産業新聞 |本 | 通販 | Amazon P.201
日経ヘルスケアの創刊が1989年らしいので、その4年くらい前の本だが、この当時、病院経営に対する興味・関心の高まりは相当な勢いがあったのだろう。

ちなみに「医療ビジネス」という本は、この一節だけでなく、山一證券の取り組みであったり、色々興味深い内容だった。

2018/09/11

Bulk Prescription™ 社内メモ

メモ。制度が異なれば、医療機関の目指す方向性も異なる。下記は気になった取り組み。

Home - Rx.Health Home - Rx.Health

最近資金調達した目的にあったBulk Prescription™が気になった。
The bulk prescription service is designed to reach patients in a health system meeting certain criteria, such as individuals with chronic diseases that do not have their symptoms under control. The service would enable these patients to quickly receive access to digital therapeutics, remote monitoring, and educational information specifically for their conditions.   Source: Start-Up Offers Digital Health Prescriptions, Raises $1.8M | Science and Enterprise

これは、その事業に関する極短時間でとても分かりやすいプレゼン。


こっちも参考になる。


かかりつけ医やかかりつけ薬剤師の制度がどうなっていくか、病院はどう関与するか、テクノロジーがどのように貢献できるか。考えるきっかけとして、良いのでは。

2018/09/08

7対1の病院ばかりの地域もあれば、そうでない地域もある(データ提出病院における比較)

昨日、都内で講演させていただいたときに紹介した分析内容。
データ提出している病院について、7対1かそれ以外か見たもの。病院数の割合について、病床規模の比較、都内の23の特別行政区と23区以外の比較を紹介した。



23区で見ても、大きな違いがある。これの意味しているところは何か? とある地域の課題を表しているのではと考えている。

2018/09/07

回リハ1と地域包括ケア1、どちらも届出ている病院はあるか?

直近の届出情報から、地域包括ケア病棟入院料(入院管理料も含む)と回復期リハビリテーション病棟入院料の組み合わせ状況を見た。

地域包括ケアと回リハ、両方届出ている病院の組み合わせ割合
(画像をクリックすると拡大します)

回リハ1と地域包括ケア2の組み合わせが最大勢力。ついで、回リハ3と地域包括ケア2、回リハ2と地域包括ケア2、の順だ。

回リハ1と地域包括ケア1の組み合わせは、上のグラフでは左下に位置するが、あまり多くない(全体の1割程度)。

地域の医療提供体制などを踏まえ、最適な入院料が選択されるべきであるため、どちらも最上位を目指すのが良いというわけではない。ただ、どちらも最上位を取得した病院の話を聞けば、結果的にそうなったのではなく、そうなるための仕組み、仕掛けを、改定よりもはるか前から仕込んでいたとのことで、さすがとしか言いようがない。

ちなみに、基となっている情報の話は先日のブログに⇒ 改定後の届出状況のアップデート

2018/09/05

改定後の届出状況のアップデート

CBnewsに記事を掲載いただいた。

改定後の取り組みの温度差は地域差か? - CBnewsマネジメント 改定後の取り組みの温度差は地域差か? - CBnewsマネジメント

以下のような項目(分析対象の一部)について、改定後のフォローアップをしてみた。●はCBnewsの記事で分析結果を示したもの、○は記事では触れていないが手元に分析結果があるものだ。

● 急性期一般入院料2、3
● 地域包括ケア病棟入院料
○ 回復期リハビリテーション病棟入院料
○ 総合入院体制加算
○ データ提出加算
○ 認知症ケア加算
○ 在宅療養後方支援病院
○ 在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料

地域、病床規模、人口動態・医療需要動向、届出項目の組み合わせなどで分析の切り口を探しているので、それこそ、これだけの届出項目でも、お腹いっぱいだ。

記事では、急性期一般入院料2の病院がもっと増えてもいい地域があるのでは?といったことを述べさせてもらった。

マクロで見た動向を参考にしつつ、ミクロな対策を考えることが大事だと思っている。参考になれば幸いだ。ちなみに、もったいぶるわけではないが、今回記事にしなかった項目は、今日も病院をまわりながら、病院経営者からヒアリングをしていたので、ただの分析結果を、皆様のお役に立てる情報まで昇華させ、記事にするかセミナーで話をできれば、と考えている。

余談だが、届出項目の集計の一部は4月に組んだ下記のプログラムで行っている。

オススメされる意味があるか考えてはいけない ~医科届出項目レコメンデーションシステム~ - 株式会社メディチュア Blog オススメされる意味があるか考えてはいけない ~医科届出項目レコメンデーションシステム~ - 株式会社メディチュア Blog


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